侵略

榊原 侑希

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闘い

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何故あんなことを思ったのか。自分に問い続ける。

当たり前の毎日を消したい。消し去りたい。

何か特別な事が起こって欲しいなんてどうして考えたのだろう。

一人で僕はそんなことを考えながら走る。

同学年の奴等とぶつかりながら出口を探す。



      出口。

何故か誰もいない。
ドアを思いっきり開け....!

え?

ガチャガチャ!

開かない。

ドアを叩く。

すごく硬い。

これがどういう事か?
すぐに分かる。
出られない。
「どうしよう!」一人で助けを呼ぶかのように叫んだ。

....反応なし。

まずいな。僕は、再び二階に行こうと階段を昇る。途中、ガラス張りの他の教室や部屋を眺める。

灰色の人型宇宙人だらけ。

普通に言ってしまうが鼓動は早い。

グーワー!

宇宙人!

ひっ!

僕は小さく悲鳴を出した。
いや、しかし後戻りは出来ないと直感した。
僕は真顔になり、近くに退治できそうなものがないか見直す。宇宙人がどんな性質なのかも分からない。

パターン1
宇宙人は衝撃を与えると爆発するとしたら....

「えい!」
バーン!

....僕は消える。

つい、何秒前かに言った「生きたい」という考えが無駄になる。



パターン2
宇宙人は衝撃を与えると踊り出すとしたら....

「えい!」
ズンチャン!ズンチャン!


ひく。


怖い。


気持ち悪い。

そう思う僕。

1階に戻る。
別の奴に捕まる。

....僕は消える。(無理があるか?)

つい、何秒前かに言った「生きたい」という考えが無駄になる。


....っていうかなに考えているんだ!僕は!

大丈夫。

自分に言い聞かせる。

大丈夫。

ドクンッ!

鼓動が速くなる。

ドクンッ!

速くなる。

ドクンッ!

「えい!」

バシ!

僕が使ったのは近くの放棄である。


「えい!」









....反応なし。

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
逃げる!
走る!
叫ぶ!
近所迷惑!
でもやっぱそんなこと関係ない!
助けてー! 
体育器具庫まで奴は追ってきた。
僕はさっと身を潜める。
ふー。

一息。

ドクンッ!心臓が....っ!
ドクンッ!
ドクンッ!
ドクンッ!


ん?
宇宙人だ。

一息。グーワー!
ところがどっこいへるぷみー。





「ああああああ!あああああ!」

こんなサバイバルゲームを僕はかれこれ1時間ほど続けている。
とりあえず、外に出たい。
そう思う僕。

....?!

気づくと両サイドから宇宙人に囲まれてしまっている!

「はっ....!」


窓。
ここは、1階だ。

逃げよう。

僕が動きに出たとたん!
両サイドから思いっきり僕の方に宇宙人が駆け寄る!
ひ!
僕は小さな悲鳴をあげる。
窓に間一髪で....?!

え?
 
....足を宇宙人に捕まれた!

「うああああああ!」

逃げたい。
生きたい。

本気で願う。

手を出す。

じっとしていても変わらないことは知っている。

ほんの少し勇気を出す。

「やぁ!」

声を張り上げ敵の手を力強く振り払い、僕は窓から外に出た。

「よし!」

思わずガッツポーズをしてしまった。
と、同時に不安が僕の目の前に過った。




このサバイバルゲームで生還しなくてはならない、と。
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みんなの感想(1件)

ross
2016.10.14 ross

....やばい。マジで面白い!

榊原 侑希
2016.10.14 榊原 侑希

ありがとうございます!
少年少女との奇跡のSF超大作!今後も期待してください!

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