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一話
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「私のウィステリア!!」と血相を変えて叫びながら入って来たのは、二番目のガルーダお兄様とお父様。
ガルーダお兄様とは、年齢が10歳以上も離れているのですが、日頃から、何処に行くにもついてくるのですよ。本を読んでいれば、「どんなのを読んでいるんだ」と邪魔ばかり。そう苦手なのです。
「あの黒い王子に何を言われたんだ。マリー達は青い顔しているし、お母様達はこんな状況だし。」
焦った様子で、私の肩を掴んでは激しく前後に揺さぶりかけてくる。お父様は、お父様で笑みを絶やさずに、笑っている顔が怖いです。しかも目が笑っていません。
「お、落ち着いてください。執事にならない?。言われただけですよ。そう。執事ですよ。その言葉の前に、悪魔のような髪の毛とは言われましたけど。」
アインスバッハ公爵家は、代々紫水晶の色の眼が受け継がれる。ウィステリアだけが黒髪であり、お兄様お姉様達は、ストロベリーブロンドという髪の色をしているの。
「私のウィステリアな悪魔のような髪だと。こんなにも綺麗な色なのに。ウィステリアの魅力は私達家族だけが知っていれば問題ない!」
その言葉に家族だけでなく、侍女達までが頷いているのに、私は知らない振りをした。
「ウィステリアは、本当に執事になりますの?執事と言えば、殿方がなるものですよ。」
そもそも黒王子は、私のこと男の子だと思ったのかな。
「本を読むのも楽しいですが、この退屈な日常から抜け出せるのなら、執事やってみせます。しかも堂々と男装ができるのですよーー。」
退屈な日常と発してから、皆、目を丸くしている。
そう。この屋敷にお兄様、お姉様達はもう家を出てしまっているし、お父様達もお仕事で、構ってもらえない日が多く、男装して、遊んでいたらはまってしまった。もとよりウィステリアは、ドレスを着るのが嫌いと公言している。
「お兄様が小さい頃に着ていた洋服を自分なりにアレンジして楽しんでいるんです。リボンは外せないので、結び方を変えたりしているんですよー」
楽しそうに笑うウィステリアを見て誰もが怒る気にはならず、男装もお母様とはから勧めて来たのだから。
「そうね。ウィスは、小さい頃からヒラヒラしたものが苦手で、よく泣いていましたからね。ドレスや宝石には興味がなく、あるのは本や身体を動かす事ばかり。一体誰に似たのかしら?」
首をかしげるお母様を横目に誰もが貴方ですよ。と言いたいばかりに見ていた。
きっかけは些細な言葉だった。ドレスを着るだけに、悉く脱走しては、捕まる。これを繰り返したものだから、「いっそのこと男装でもさせてみましょう。」というお母様の言葉から、ウィステリアの男装生活は始まった。
男装を初めた時は、お父様の反対が凄かった。「私のウィステリアが、男の子ような服を着ている。何故、可愛らしいドレスを着ないんだ・・・・。」としつこく言い寄ってくる。
後ろではお母様が小さく噴き出し笑って此方を見ているのだから、どうしようもない気持ちだった。
私は平静を装って「お父様といつまでも一緒に居たいから」
ガルーダお兄様とは、年齢が10歳以上も離れているのですが、日頃から、何処に行くにもついてくるのですよ。本を読んでいれば、「どんなのを読んでいるんだ」と邪魔ばかり。そう苦手なのです。
「あの黒い王子に何を言われたんだ。マリー達は青い顔しているし、お母様達はこんな状況だし。」
焦った様子で、私の肩を掴んでは激しく前後に揺さぶりかけてくる。お父様は、お父様で笑みを絶やさずに、笑っている顔が怖いです。しかも目が笑っていません。
「お、落ち着いてください。執事にならない?。言われただけですよ。そう。執事ですよ。その言葉の前に、悪魔のような髪の毛とは言われましたけど。」
アインスバッハ公爵家は、代々紫水晶の色の眼が受け継がれる。ウィステリアだけが黒髪であり、お兄様お姉様達は、ストロベリーブロンドという髪の色をしているの。
「私のウィステリアな悪魔のような髪だと。こんなにも綺麗な色なのに。ウィステリアの魅力は私達家族だけが知っていれば問題ない!」
その言葉に家族だけでなく、侍女達までが頷いているのに、私は知らない振りをした。
「ウィステリアは、本当に執事になりますの?執事と言えば、殿方がなるものですよ。」
そもそも黒王子は、私のこと男の子だと思ったのかな。
「本を読むのも楽しいですが、この退屈な日常から抜け出せるのなら、執事やってみせます。しかも堂々と男装ができるのですよーー。」
退屈な日常と発してから、皆、目を丸くしている。
そう。この屋敷にお兄様、お姉様達はもう家を出てしまっているし、お父様達もお仕事で、構ってもらえない日が多く、男装して、遊んでいたらはまってしまった。もとよりウィステリアは、ドレスを着るのが嫌いと公言している。
「お兄様が小さい頃に着ていた洋服を自分なりにアレンジして楽しんでいるんです。リボンは外せないので、結び方を変えたりしているんですよー」
楽しそうに笑うウィステリアを見て誰もが怒る気にはならず、男装もお母様とはから勧めて来たのだから。
「そうね。ウィスは、小さい頃からヒラヒラしたものが苦手で、よく泣いていましたからね。ドレスや宝石には興味がなく、あるのは本や身体を動かす事ばかり。一体誰に似たのかしら?」
首をかしげるお母様を横目に誰もが貴方ですよ。と言いたいばかりに見ていた。
きっかけは些細な言葉だった。ドレスを着るだけに、悉く脱走しては、捕まる。これを繰り返したものだから、「いっそのこと男装でもさせてみましょう。」というお母様の言葉から、ウィステリアの男装生活は始まった。
男装を初めた時は、お父様の反対が凄かった。「私のウィステリアが、男の子ような服を着ている。何故、可愛らしいドレスを着ないんだ・・・・。」としつこく言い寄ってくる。
後ろではお母様が小さく噴き出し笑って此方を見ているのだから、どうしようもない気持ちだった。
私は平静を装って「お父様といつまでも一緒に居たいから」
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