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第6話 トラヴィス秘書官、その暗躍の真相!
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セドリック皇太子と公爵令嬢アレクサンドラの、婚礼当日。花嫁の控室へ、トラヴィス秘書官が挨拶に現れた。
「おめでとうございます、皇太子妃殿下」
純白のウェディングドレスに身を包んだアレクサンドラは、うやうやしく頭を下げるトラヴィスの姿を見ると、無言でパンパパンと手を三回鳴らした。これは公爵家では、人払いの合図だった。
控室にいた衣装係や侍女たちがあわてて退出して行くと、アレクサンドラはまだ頭を下げたままのトラヴィスを見下ろしながら、問いかけた。
「トラヴィス。あなた、私を利用したわね?」
「もちろんです、妃殿下」
トラヴィスはゆっくりと頭を上げ、眼鏡を直しながら言った。
「異世界から現れたリサ様を養女として引き取ると言い出した時から、ルフォン宰相には不穏なものを感じていたのです。リサ様を大聖女に就任させただけでなく、皇太子妃、つまり未来の皇后にまで押し上げようと画策するとは……」
「義理とは言え、ルフォン宰相のお孫さんが、次の次の皇帝陛下になってしまうわけだものね」
「はい。だから私は、リサ様ではなく、権力バランスを考えるならば、公爵家の令嬢こそが最もふさわしいと、強く主張して参りました。これも全て、帝国のためを思えばこそです」
「ふふ……要するにルフォン家の勢力拡大を抑えて、自分が、次期宰相の座を目指したい、と。それは、私を応援してきた表向きの理由よね。でも今は、そういうことを聞きたいんじゃないのよ」
「……と、おっしゃいますと?」
トラヴィスは冷たい表情で、アレクサンドラを見た。
「私が皇太子妃になるのを応援したいだけだったのなら、なぜ、わざわざ、エリオットの資料を私に持ってきたの? あんな変態教師、私が皇太子妃になることには、一切関係なかったじゃない」
「そ、それは……安全に関わる問題ですので……」
「ねえ、トラヴィス。あなただけが、ずっと私に味方してくれた。私、本当にうれしかった。あなたこそが、最初からずっと私に協力してくれた、唯一の存在よ。だから、ね……? お礼に、いいことしてあげようかなと思って」
「……ご冗談を。もうすぐ、ご成婚の儀。口を慎んで下さい。私は、そんなことのために協力したわけではなく、先ほど説明した通り……」
「そう言うと思った。だから、調べさせてもらいましたわ」
「調べた、とは……?」
「あなたがエリオット先生に対してやったように、私も騎士団に、あなたの身辺捜査を依頼しましたの」
アレクサンドラは、彼の机の上に一冊の手帳を置いた。
「こ、これは……!」
トラヴィスの表情が、初めて驚きに揺れた。
「あなたの日記ですわよね、これ。『リサ様の笑顔は天の恵み』『リサ様の柔らかい指先に触れたい! 触れられたい!」『大聖女様に抱かれる夢を見た』……とっても興味深いポエムが、たくさん書いてありましたわ」
「……読んだのですか」
「隅々まで。三回も。ほら、挿絵まで描いてあって、びっくりですわ。芸術的な才能が、豊かでいらっしゃるのね?」
アレクサンドラは、日記の中の一頁を開いて差し出す。
「ここなんて傑作よ。『アホ太子は、リサちゃんにふさわしくない。私ならきっと、彼女を満足させられる!』……とうとう『リサちゃん』呼びになっちゃってるわね、妄想の中では」
ページを指先でなぞりながら、彼女は微笑んだ。
「……つまり、あなたはリサと、いいことしたかったのよね?」
「……ち、違う」
「違う? じゃあ何? リサをライバルに奪われないよう、私を使って排除しようとしたんでしょ? セドリックまでなら、利害関係が完全一致で、バレなかったのに。エリオット先生にまで、私をけしかけようとした。その時点で、あなたの陰謀は失敗していたのよ」
「……!」
「『国のため』という美名の下に、他人を手駒にして、欲望を満たす。そんな卑劣な男に、政治が任せられるものですか」
アレクサンドラはゆっくりとトラヴィスの前に歩み寄り、その耳元で囁く。
「だから、私があなたを、矯正してあげる。私があなたの、下劣な欲望を、叶えて差し上げるわ。私じゃなくてリサなら、やる気が出るんでしょう? 今、あの子をここに呼んであげる。さあ、出てらっしゃい」
アレクサンドラは、パンパパパンと手を4回鳴らした。すると、クローゼットの扉がスーッと開いて、中から人影が現れた。
「……な、何を言ってるんだ……まさか、本当にリサ様が……?」
クローゼットの中から頬を赤らめて現れたのは、水色のドレスを身にまとった大聖女リサ……ではなく、女装したリサの義弟、ルーファスだった。リサと同じくらいの背格好で、リサそっくりな髪型とメイクまで完璧に整えており、一目では見分けがつかない。
「『妹』を、紹介するわ。どう? リサと血は繋がってないのに、そっくりに仕上がってるでしょ? この子の顔で、あの子の微笑みを真似て。この子の唇で、あの子の仕草をなぞって。全部、あなたの妄想通りに動いてみせるわ」
アレクサンドラはトラヴィスに、ぐっと顔を近づける。
「それとも、本物のリサじゃないと、満足できない? でも……そうでもないみたいね。物すごーく元気に、なってきてるじゃない? 私だけじゃ、こうはならなかったのに。あの子にあなたで遊ばせて、私が最後の処理だけさせていただくことにするわ」
アレクサンドラは、指先でトラヴィスにそっと触れた。トラヴィスは、ゴクリと唾を飲み込む。彼の視線は、ルーファスに釘付けとなっていた。
「さあ、どうするの? この日記を公表されたら、どの道あなたは、政界から失脚。聖女の館からも、恐らく接近禁止命令の通達が出るわ。大聖女様からの、『キモッ』ていう、ありがたい神託を添えてね。あなたの欲望は、もう永遠に叶うことはないのよ。だったら今ここで、思いを遂げたほうがいいわ」
「……っ」
「もちろん、リサは大聖女様。ここで清らかな体を失えば、彼女の夫になる道は閉ざされるわ。でも、あなたはもう、とっくに道を踏み外しているのよ。ねえ、トラヴィス。どうせ手に入らないなら、せめて、この『妹』の顔でリサを味わって、リサへの欲望を全部、私の中に吐き出してみたいと、思わない?」
トラヴィスの手が、小さく震える。
「怖がらないで。これは、私を利用した罰じゃなくて、ごほうびだと思ってほしいの。あなたが私を、『悪逆非道の皇太子妃』に仕立て上げてくれたことに対する、ご・ほ・う・び。だから、素直に受け入れてくれると、嬉しいわ」
アレクサンドラは、彼の震えを確認して、その手を撫でた。
「さあ。嫌じゃないなら、そのソファーへ横になって」
「くそっ、なんという性悪女だ……」
トラヴィスは悪態をつきながら、ソファーへ仰向けに横になる。
「まあ。口がお悪いこと。では、体で教えて差し上げましょうね? どうして私が、男たちを次々に堕とせたのか」
アレクサンドラは椅子に腰かけ、膝を組み替えた。
「さあ、ルーファス。秘書官様にご奉仕なさい。頃合いを見て、私も参加するわ。二人まとめて、かわいがってあげる」
「はい、アレクサンドラお姉様……」
ルーファスはトラヴィスに、そのあどけなく、美しい顔を近づけていった。トラヴィスは、これから起こることへの期待感をあらわに、ソファーの生地を両手で握りしめながら、じっと目を閉じる。
(やったわ! これで、リサの恋愛対象になりそうな男は、私が全員攻略してやった。あとはこのまま皇太子妃になれば、権力を使って、いくらでも対策できる。リサには、絶対に誰も与えてやらないんだから……)
婚礼まで、あと二時間。アレクサンドラは密室の中でワイングラスを傾けながら、既に支配下に置いた二人の男たちの様子をうっとりと眺め、完全勝利の味に酔いしれるのだった。
「おめでとうございます、皇太子妃殿下」
純白のウェディングドレスに身を包んだアレクサンドラは、うやうやしく頭を下げるトラヴィスの姿を見ると、無言でパンパパンと手を三回鳴らした。これは公爵家では、人払いの合図だった。
控室にいた衣装係や侍女たちがあわてて退出して行くと、アレクサンドラはまだ頭を下げたままのトラヴィスを見下ろしながら、問いかけた。
「トラヴィス。あなた、私を利用したわね?」
「もちろんです、妃殿下」
トラヴィスはゆっくりと頭を上げ、眼鏡を直しながら言った。
「異世界から現れたリサ様を養女として引き取ると言い出した時から、ルフォン宰相には不穏なものを感じていたのです。リサ様を大聖女に就任させただけでなく、皇太子妃、つまり未来の皇后にまで押し上げようと画策するとは……」
「義理とは言え、ルフォン宰相のお孫さんが、次の次の皇帝陛下になってしまうわけだものね」
「はい。だから私は、リサ様ではなく、権力バランスを考えるならば、公爵家の令嬢こそが最もふさわしいと、強く主張して参りました。これも全て、帝国のためを思えばこそです」
「ふふ……要するにルフォン家の勢力拡大を抑えて、自分が、次期宰相の座を目指したい、と。それは、私を応援してきた表向きの理由よね。でも今は、そういうことを聞きたいんじゃないのよ」
「……と、おっしゃいますと?」
トラヴィスは冷たい表情で、アレクサンドラを見た。
「私が皇太子妃になるのを応援したいだけだったのなら、なぜ、わざわざ、エリオットの資料を私に持ってきたの? あんな変態教師、私が皇太子妃になることには、一切関係なかったじゃない」
「そ、それは……安全に関わる問題ですので……」
「ねえ、トラヴィス。あなただけが、ずっと私に味方してくれた。私、本当にうれしかった。あなたこそが、最初からずっと私に協力してくれた、唯一の存在よ。だから、ね……? お礼に、いいことしてあげようかなと思って」
「……ご冗談を。もうすぐ、ご成婚の儀。口を慎んで下さい。私は、そんなことのために協力したわけではなく、先ほど説明した通り……」
「そう言うと思った。だから、調べさせてもらいましたわ」
「調べた、とは……?」
「あなたがエリオット先生に対してやったように、私も騎士団に、あなたの身辺捜査を依頼しましたの」
アレクサンドラは、彼の机の上に一冊の手帳を置いた。
「こ、これは……!」
トラヴィスの表情が、初めて驚きに揺れた。
「あなたの日記ですわよね、これ。『リサ様の笑顔は天の恵み』『リサ様の柔らかい指先に触れたい! 触れられたい!」『大聖女様に抱かれる夢を見た』……とっても興味深いポエムが、たくさん書いてありましたわ」
「……読んだのですか」
「隅々まで。三回も。ほら、挿絵まで描いてあって、びっくりですわ。芸術的な才能が、豊かでいらっしゃるのね?」
アレクサンドラは、日記の中の一頁を開いて差し出す。
「ここなんて傑作よ。『アホ太子は、リサちゃんにふさわしくない。私ならきっと、彼女を満足させられる!』……とうとう『リサちゃん』呼びになっちゃってるわね、妄想の中では」
ページを指先でなぞりながら、彼女は微笑んだ。
「……つまり、あなたはリサと、いいことしたかったのよね?」
「……ち、違う」
「違う? じゃあ何? リサをライバルに奪われないよう、私を使って排除しようとしたんでしょ? セドリックまでなら、利害関係が完全一致で、バレなかったのに。エリオット先生にまで、私をけしかけようとした。その時点で、あなたの陰謀は失敗していたのよ」
「……!」
「『国のため』という美名の下に、他人を手駒にして、欲望を満たす。そんな卑劣な男に、政治が任せられるものですか」
アレクサンドラはゆっくりとトラヴィスの前に歩み寄り、その耳元で囁く。
「だから、私があなたを、矯正してあげる。私があなたの、下劣な欲望を、叶えて差し上げるわ。私じゃなくてリサなら、やる気が出るんでしょう? 今、あの子をここに呼んであげる。さあ、出てらっしゃい」
アレクサンドラは、パンパパパンと手を4回鳴らした。すると、クローゼットの扉がスーッと開いて、中から人影が現れた。
「……な、何を言ってるんだ……まさか、本当にリサ様が……?」
クローゼットの中から頬を赤らめて現れたのは、水色のドレスを身にまとった大聖女リサ……ではなく、女装したリサの義弟、ルーファスだった。リサと同じくらいの背格好で、リサそっくりな髪型とメイクまで完璧に整えており、一目では見分けがつかない。
「『妹』を、紹介するわ。どう? リサと血は繋がってないのに、そっくりに仕上がってるでしょ? この子の顔で、あの子の微笑みを真似て。この子の唇で、あの子の仕草をなぞって。全部、あなたの妄想通りに動いてみせるわ」
アレクサンドラはトラヴィスに、ぐっと顔を近づける。
「それとも、本物のリサじゃないと、満足できない? でも……そうでもないみたいね。物すごーく元気に、なってきてるじゃない? 私だけじゃ、こうはならなかったのに。あの子にあなたで遊ばせて、私が最後の処理だけさせていただくことにするわ」
アレクサンドラは、指先でトラヴィスにそっと触れた。トラヴィスは、ゴクリと唾を飲み込む。彼の視線は、ルーファスに釘付けとなっていた。
「さあ、どうするの? この日記を公表されたら、どの道あなたは、政界から失脚。聖女の館からも、恐らく接近禁止命令の通達が出るわ。大聖女様からの、『キモッ』ていう、ありがたい神託を添えてね。あなたの欲望は、もう永遠に叶うことはないのよ。だったら今ここで、思いを遂げたほうがいいわ」
「……っ」
「もちろん、リサは大聖女様。ここで清らかな体を失えば、彼女の夫になる道は閉ざされるわ。でも、あなたはもう、とっくに道を踏み外しているのよ。ねえ、トラヴィス。どうせ手に入らないなら、せめて、この『妹』の顔でリサを味わって、リサへの欲望を全部、私の中に吐き出してみたいと、思わない?」
トラヴィスの手が、小さく震える。
「怖がらないで。これは、私を利用した罰じゃなくて、ごほうびだと思ってほしいの。あなたが私を、『悪逆非道の皇太子妃』に仕立て上げてくれたことに対する、ご・ほ・う・び。だから、素直に受け入れてくれると、嬉しいわ」
アレクサンドラは、彼の震えを確認して、その手を撫でた。
「さあ。嫌じゃないなら、そのソファーへ横になって」
「くそっ、なんという性悪女だ……」
トラヴィスは悪態をつきながら、ソファーへ仰向けに横になる。
「まあ。口がお悪いこと。では、体で教えて差し上げましょうね? どうして私が、男たちを次々に堕とせたのか」
アレクサンドラは椅子に腰かけ、膝を組み替えた。
「さあ、ルーファス。秘書官様にご奉仕なさい。頃合いを見て、私も参加するわ。二人まとめて、かわいがってあげる」
「はい、アレクサンドラお姉様……」
ルーファスはトラヴィスに、そのあどけなく、美しい顔を近づけていった。トラヴィスは、これから起こることへの期待感をあらわに、ソファーの生地を両手で握りしめながら、じっと目を閉じる。
(やったわ! これで、リサの恋愛対象になりそうな男は、私が全員攻略してやった。あとはこのまま皇太子妃になれば、権力を使って、いくらでも対策できる。リサには、絶対に誰も与えてやらないんだから……)
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