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2・女はただ、騎士として生きたかっただけなのに。
5.今回は違った。
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数十年に一度、神の果実と魔物を食い尽くす為に、山へと降り立つ竜が現れるらしい。
村長は【魔物追跡】のスキルを持つ、一度目視した魔物にマーキングをして有効範囲であれば動き追うことができるものだ。これを用いて竜の出現を感知する。ちなみにこの村の村長は代々何らかのスキルで竜の出現を予知できる者が成るらしい。
村長は前回の竜出現時にマーキングをしてからの数十年間このスキルだけを伸ばし続け有効範囲を広げ続け、かなりの広域での探知が行えるらしい。
凄まじい速さで山へ接近中で、このまま真っ直ぐに進めば今日中に山へと降り立つとのこと。
この村の最大の特徴であり、国家的な役割だ。
竜が山の魔物を一掃し飛び立った後に、魔物の残骸や竜の鱗や爪などを回収する。
何百年も繰り返されてきた、山と共に生きる村の営みだ。
だが、今回は違った。
山の神が現れ、魔物の量が減っているのだ。
竜は山の魔物を喰らい尽くす。
腹を満たす為に、超級や災害級の魔物を魔石ごと圧倒的な強さを持って飲み込んでいく。
しかし今現在山は、山の神によって間引かれている。
直近で起こった【氾濫】で沸いた魔物も山の神が駆逐してしまった。
私でも山の中で多少行動できるくらいに、ここ十年で魔物は減っているのだ。
つまり、竜の腹が満たされない可能性がある。
満たされなかった竜が次に目をつけるのは、間違いなくこの村だ。
竜は恐らく神罰級でレベルもかなり高いだろう。
この十年で私は強くなった。
レベルだけでいうなら騎士団長と同等だろう。
それほどまでに山に蔓延る魔物の経験値は凄まじい。
山に渦巻く魔力に負けないほどに圧縮された魔法も撃てるようになった。
矢の飛距離も精度も速さも威力も以前とは比べ物にならないくらい上がった。
それでも私が竜と対峙しても、瞬きの間に蒸発してしまうだろう。
私には村を守れない。
それに村の人間だけでは山の魔物と同じだけの魔力を摂取するには足らない。
そうなれば近くの町……国全体、最悪世界全体に影響を及ぼすことも考えれる。
勇者が動くとしても、それまでにどれだけの被害が出るかはわからない。
でも一つだけ、たった一人、いや一柱だけ可能性がある。
「結局、神頼みか……」
私は呟いて、山の神を探すために立ち上がった。
山の中を捜索する決意を固めたのだが、まさかの祠付近でばったりと山の神に遭遇する。
「山の神! 話を聞いて頂きたい、これからこの山に竜が――」
私は身振り手振りを駆使して何とか現状を伝えようとする。
山の神が現れたことが、今回の危機に繋がってはいるのだが。
絶対に、山の神のせいにはできない。
山の神がいなければ何度村が滅んでいたことか。
与えられた恵みは確実に村を潤し、それは王都にも献上され国全体が潤った。
我々はこれ以上なく非常に助かったのだ。
責めることなど絶対にできない。
そもそも山自身が神として顕現する為に人の形で受肉したのであれば、理から外れているのは竜の方なのだ。
私は必死に説明するが、山の神は真摯に聞いてくれてはいるものの、やはり全く伝わっていない様子だった。
やはり言葉が……、生きる世界が違いすぎるのだろう。
それに、都合の良い時だけ頼るのも筋が通らない。
竜は神罰級、本気で暴れればこの国が消し飛ぶほどの魔法を使う。
山の神も恐らく凄まじい魔法を使うことが出来るだろうが……、それでも竜は絶望的なほどに絶対的な強さだ。
甘えは私を弱くする。
騎士として生きて、死ぬのなら――。
私は飄々と去っていく山の神を見送りながら、覚悟を決めた。
「来るぞ」
村長の言葉から数秒の後。
山から凄まじい爆音が轟いた。
村の建物も少し揺れるほどの衝撃。
私はすぐに山に入り【気配消し】【魔力隠匿】を発動させ、竜の元へと向かう。
私に行えるとしたら、不可視からの狙撃だけだ。
最も速く、威力のある魔法【光の矢】を当てる。
多少なりとも傷を負わせることが出来れば、もしかすると予想外の負傷で撤退してくれるかもしれない。
まあ悪足掻きでしかない、自覚しているさ。
竜を目視できる距離まで身を隠しながら接近する。
あれが竜か。
思っていたより小さいというか、人型だ。
竜は体躯の大きさを自在に変化させることが出来る個体もいる。
さらにあれは人型にも成れるらしい。
凄まじい魔力が龍を中心に渦巻いている。
鑑定スキルは無駄だろう、下手にスキルを発動させて感知されたくもないのでやめておこう。
こんな魔力…………、やはり山の神でもこれは厳しいだろう。
村長は【魔物追跡】のスキルを持つ、一度目視した魔物にマーキングをして有効範囲であれば動き追うことができるものだ。これを用いて竜の出現を感知する。ちなみにこの村の村長は代々何らかのスキルで竜の出現を予知できる者が成るらしい。
村長は前回の竜出現時にマーキングをしてからの数十年間このスキルだけを伸ばし続け有効範囲を広げ続け、かなりの広域での探知が行えるらしい。
凄まじい速さで山へ接近中で、このまま真っ直ぐに進めば今日中に山へと降り立つとのこと。
この村の最大の特徴であり、国家的な役割だ。
竜が山の魔物を一掃し飛び立った後に、魔物の残骸や竜の鱗や爪などを回収する。
何百年も繰り返されてきた、山と共に生きる村の営みだ。
だが、今回は違った。
山の神が現れ、魔物の量が減っているのだ。
竜は山の魔物を喰らい尽くす。
腹を満たす為に、超級や災害級の魔物を魔石ごと圧倒的な強さを持って飲み込んでいく。
しかし今現在山は、山の神によって間引かれている。
直近で起こった【氾濫】で沸いた魔物も山の神が駆逐してしまった。
私でも山の中で多少行動できるくらいに、ここ十年で魔物は減っているのだ。
つまり、竜の腹が満たされない可能性がある。
満たされなかった竜が次に目をつけるのは、間違いなくこの村だ。
竜は恐らく神罰級でレベルもかなり高いだろう。
この十年で私は強くなった。
レベルだけでいうなら騎士団長と同等だろう。
それほどまでに山に蔓延る魔物の経験値は凄まじい。
山に渦巻く魔力に負けないほどに圧縮された魔法も撃てるようになった。
矢の飛距離も精度も速さも威力も以前とは比べ物にならないくらい上がった。
それでも私が竜と対峙しても、瞬きの間に蒸発してしまうだろう。
私には村を守れない。
それに村の人間だけでは山の魔物と同じだけの魔力を摂取するには足らない。
そうなれば近くの町……国全体、最悪世界全体に影響を及ぼすことも考えれる。
勇者が動くとしても、それまでにどれだけの被害が出るかはわからない。
でも一つだけ、たった一人、いや一柱だけ可能性がある。
「結局、神頼みか……」
私は呟いて、山の神を探すために立ち上がった。
山の中を捜索する決意を固めたのだが、まさかの祠付近でばったりと山の神に遭遇する。
「山の神! 話を聞いて頂きたい、これからこの山に竜が――」
私は身振り手振りを駆使して何とか現状を伝えようとする。
山の神が現れたことが、今回の危機に繋がってはいるのだが。
絶対に、山の神のせいにはできない。
山の神がいなければ何度村が滅んでいたことか。
与えられた恵みは確実に村を潤し、それは王都にも献上され国全体が潤った。
我々はこれ以上なく非常に助かったのだ。
責めることなど絶対にできない。
そもそも山自身が神として顕現する為に人の形で受肉したのであれば、理から外れているのは竜の方なのだ。
私は必死に説明するが、山の神は真摯に聞いてくれてはいるものの、やはり全く伝わっていない様子だった。
やはり言葉が……、生きる世界が違いすぎるのだろう。
それに、都合の良い時だけ頼るのも筋が通らない。
竜は神罰級、本気で暴れればこの国が消し飛ぶほどの魔法を使う。
山の神も恐らく凄まじい魔法を使うことが出来るだろうが……、それでも竜は絶望的なほどに絶対的な強さだ。
甘えは私を弱くする。
騎士として生きて、死ぬのなら――。
私は飄々と去っていく山の神を見送りながら、覚悟を決めた。
「来るぞ」
村長の言葉から数秒の後。
山から凄まじい爆音が轟いた。
村の建物も少し揺れるほどの衝撃。
私はすぐに山に入り【気配消し】【魔力隠匿】を発動させ、竜の元へと向かう。
私に行えるとしたら、不可視からの狙撃だけだ。
最も速く、威力のある魔法【光の矢】を当てる。
多少なりとも傷を負わせることが出来れば、もしかすると予想外の負傷で撤退してくれるかもしれない。
まあ悪足掻きでしかない、自覚しているさ。
竜を目視できる距離まで身を隠しながら接近する。
あれが竜か。
思っていたより小さいというか、人型だ。
竜は体躯の大きさを自在に変化させることが出来る個体もいる。
さらにあれは人型にも成れるらしい。
凄まじい魔力が龍を中心に渦巻いている。
鑑定スキルは無駄だろう、下手にスキルを発動させて感知されたくもないのでやめておこう。
こんな魔力…………、やはり山の神でもこれは厳しいだろう。
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