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2・女はただ、騎士として生きたかっただけなのに。
6.私の死が確定した。
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文字通り一矢報いるために私は魔力を練り上げて圧縮する。
私の使える最強の魔法【光の矢】は【光弾】の系統の魔法を矢のように鋭く細く貫通性を高めて、各属性を合わせて着弾時に周りを巻き込んで消滅させる、消滅属性が付与されたものだ。
竜が如何に強靭な肉体を持とうとも、当たれば消滅はする。
しかし、外したらお終いだ。
警戒された瞬間に私は溶かされるだろうし、そもそも日に一度くらいしか私はこれを撃てない。
魔力は練れた。
圧縮も出来た。
スキル【必中】【予測偏差】【鷹の目】を発動。
発射。
当たる。
しかし、必中の感覚で放たれた【光の矢】は。
竜の目前で燃え尽きるように消滅した。
目を疑った、私の魔法に不備があったかも疑った。
でも違う。
これは【完全魔法無効】だ。
魔法耐性のスキルはいくつか確認されているが、レベル差依存だったり属性ごとの耐性だ。
それに耐性があっても幾らかは攻撃として通る【光の矢】は少しでも通れば消滅が発動するのでレベル差依存だろうと属性依存だろうと、当たれば終わる必殺の魔法だ。
それが、完全にかき消された。
無効……、伝説の中にしか現れないスキルだったが、こんな最悪のタイミングで見ることになるなんて。
切り替えよう、まだ私は足掻く。
「私は騎士団所属、ミラ・ヴィダール! 村を護るために参じた!」
私は竜に向けて名乗りを上げる。
戦いにすらならない力量差なのはわかっているさ。
でもせめて、名乗りぐらいはしておきたいのよ。
「…………」
竜は無言で私に手のひらを向けて返す。
凄まじく魔力が収束していくのがわかる。
これが【竜の息吹】と呼ばれる、火属性最強格の魔法か。
私の死が確定した。
その時。
「アッ…………ヴネィダロー、バーキャロオウッ‼」
凄まじい速さ突っ込んできた人影が、謎の言葉を叫びながら竜の腕を蹴り上げた。
同時に、射角を無理矢理変えられ【竜の息吹】は空に向かって放たれた。
こんなことを出来る者は一人、いや一柱しかいない。
「ムタァーワサガリア! ァリアンリィーダ!」
山の神は呆気にとられている私に向けて何かを叫ぶが、やはり理解は出来ない。
「…………貴様、何だ? 人間じゃあないだろう」
竜は山の神へと尋ねる。
人語を解するのか、知性のある魔物は意思の疎通ができると聞いたことがあるが竜もその域にあるのか……。
竜と話すという、とんでもない機会なのだが残念ながら山の神には通じない。
山の神は何も答えずに、構えた。
そこからは信じられない光景が続いた。
神罰級の魔物であり、神に近いとすら言われるレベルの竜を山の神は。
徒手空拳のみで圧倒した。
なるほど……、竜が【完全魔法無効】を持つので物理的な攻撃を……。
さらに竜種の外皮は弾力性がありつつも鋼や鉱物よりも硬いので余程の業物でもない限り傷一つ付かない。
恐らく魔法剣の類いも【完全魔法無効】を前には通らないだろう。
何かのスキルなのか、神の持つ技なのか、打が外皮を突き抜けて骨や肉や臓物にダメージを与えている。
無駄がない。
相手の動きを操るような、私は徒手空拳のスキルは持たないし、正直あまり得意ではないが。
全ての動きが竜を倒すことに繋がることだけは、わかった。
私の使える最強の魔法【光の矢】は【光弾】の系統の魔法を矢のように鋭く細く貫通性を高めて、各属性を合わせて着弾時に周りを巻き込んで消滅させる、消滅属性が付与されたものだ。
竜が如何に強靭な肉体を持とうとも、当たれば消滅はする。
しかし、外したらお終いだ。
警戒された瞬間に私は溶かされるだろうし、そもそも日に一度くらいしか私はこれを撃てない。
魔力は練れた。
圧縮も出来た。
スキル【必中】【予測偏差】【鷹の目】を発動。
発射。
当たる。
しかし、必中の感覚で放たれた【光の矢】は。
竜の目前で燃え尽きるように消滅した。
目を疑った、私の魔法に不備があったかも疑った。
でも違う。
これは【完全魔法無効】だ。
魔法耐性のスキルはいくつか確認されているが、レベル差依存だったり属性ごとの耐性だ。
それに耐性があっても幾らかは攻撃として通る【光の矢】は少しでも通れば消滅が発動するのでレベル差依存だろうと属性依存だろうと、当たれば終わる必殺の魔法だ。
それが、完全にかき消された。
無効……、伝説の中にしか現れないスキルだったが、こんな最悪のタイミングで見ることになるなんて。
切り替えよう、まだ私は足掻く。
「私は騎士団所属、ミラ・ヴィダール! 村を護るために参じた!」
私は竜に向けて名乗りを上げる。
戦いにすらならない力量差なのはわかっているさ。
でもせめて、名乗りぐらいはしておきたいのよ。
「…………」
竜は無言で私に手のひらを向けて返す。
凄まじく魔力が収束していくのがわかる。
これが【竜の息吹】と呼ばれる、火属性最強格の魔法か。
私の死が確定した。
その時。
「アッ…………ヴネィダロー、バーキャロオウッ‼」
凄まじい速さ突っ込んできた人影が、謎の言葉を叫びながら竜の腕を蹴り上げた。
同時に、射角を無理矢理変えられ【竜の息吹】は空に向かって放たれた。
こんなことを出来る者は一人、いや一柱しかいない。
「ムタァーワサガリア! ァリアンリィーダ!」
山の神は呆気にとられている私に向けて何かを叫ぶが、やはり理解は出来ない。
「…………貴様、何だ? 人間じゃあないだろう」
竜は山の神へと尋ねる。
人語を解するのか、知性のある魔物は意思の疎通ができると聞いたことがあるが竜もその域にあるのか……。
竜と話すという、とんでもない機会なのだが残念ながら山の神には通じない。
山の神は何も答えずに、構えた。
そこからは信じられない光景が続いた。
神罰級の魔物であり、神に近いとすら言われるレベルの竜を山の神は。
徒手空拳のみで圧倒した。
なるほど……、竜が【完全魔法無効】を持つので物理的な攻撃を……。
さらに竜種の外皮は弾力性がありつつも鋼や鉱物よりも硬いので余程の業物でもない限り傷一つ付かない。
恐らく魔法剣の類いも【完全魔法無効】を前には通らないだろう。
何かのスキルなのか、神の持つ技なのか、打が外皮を突き抜けて骨や肉や臓物にダメージを与えている。
無駄がない。
相手の動きを操るような、私は徒手空拳のスキルは持たないし、正直あまり得意ではないが。
全ての動きが竜を倒すことに繋がることだけは、わかった。
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