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5・馬鹿令嬢は婚約破棄も没落も国外追放もいたしません、脅威の排除を徹底いたします!【全4話】
02穏やかじゃない話。
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僕は控えめにいって育ちが悪い。
盗みも働いたし、人も襲った。
いつどのタイミングで野垂れ死にしていてもおかしくはなかったし、昔つるんでいた奴らもほとんどが死んだだろうし、生死を確認しようにも名前をコロコロ変える女も居たので確認のしようがない。
かくいう僕だって本当に死にかけだったのだ。
まだまだガキだった僕は喧嘩を売る相手を間違えて十人相手にお粥も食えなくなるくらいにボッコボコに負けて、ごみ捨て場に捨てられていた。
朦朧とする意識の中で、敗北の痛みと、それでも七人は叩き伏せてやった満足感の中、死を悟った。
目が覚めたら立派な天井に立派なベッド、それに人形みたいなガキ、グロリア嬢がこちらを見ていた。
僕はクーロフォード家に拾われた。
後にお粥が食える程度に回復した際にグロリア嬢に何故僕を助けたのかを聞いた。
こんな死にかけの無法者を貴族様が助ける理由がわからなかった。
道楽なのか、それとも何か目的があるのか、知りたかったのだ。
グロリア嬢は答えた。
「いつも、あそこにいるねこが、人になったのかとおもってつれてきたのよ」
僕はさんざっぱら馬鹿野郎を見てきたつもりだったが、こんなにも純粋な馬鹿は見たことがなかった。
人生で後にも先にも、あんなに大笑いしたことはない。
そんなこんなで僕は、グロリア嬢に野良猫と間違えられ拾われて、そのままクーロフォード家に仕えることとなった。
今の暮らしは悪くない。
馬鹿令嬢の馬鹿に時たま腹が立つことがあることに目を瞑れば、概ね問題はない。
僕はクーロフォード家にある程度恩を感じている、こんな不届き者のどチンピラを雇うなんてのは荒くれ者の鉱夫たちと仕事をしてきたクーロフォード家だからこそ出来ることだろう。
クーロフォード家は田舎者の成金貴族で、グロリア嬢は馬鹿だが、貴族のガキ共がどうこうしていいような御方ではない。
脅威の排除には、万全を期さなくてはならない。
故に僕はまた学園内に潜伏し、グロリア嬢の脅威を探る。
すると、早速後暗い話を耳にする。
「クーロフォード家の娘を攫って、傷物にしてしまえ、もう二度と学園に来れないほどに、二度と立ち直れないほどに徹底的に屈辱を与えろ」
おいおい、こいつは穏やかじゃない話を聞いてしまった。
具体的には街のゴロツキ共に金を出してグロリア嬢がマーク・リングストンと一緒に居ない時を見計らい襲撃するといった、いたってシンプルなプランだ。
更に実際に金を払い、ゴロツキと繋がりを持った貴族を吊し上げて全ての罪を擦り付けた上で切り捨てるといった、いたって標準的な貴族の考え方だ。
確かに、グロリア嬢が学園にも通えなくなり傷物になったとか噂が立ち後暗い弱みが出来れば由緒正しきリングストン家はクーロフォード家との婚約を破棄せざるを得なくなる。
マーク・リングストンがどれだけグロリア嬢を愛していても、まだ子供の彼らにはどうしようもない。
貴族のルールとか、しきたりとか、面子とか、利害関係とか、育ちの悪い僕には一つだって理解は出来ないが、まあそうなってしまうと言うのなら脅威は排除しなくてはならない。
グロリア嬢は幸せにならなくてはならない、その幸せにはあの男は必要なのだ。
それが僕の仕事でもあるのだ。
さて、僕はそこから徹底的に情報を集めた。
諜報活動に勤しみ、どの貴族のガキがどのゴロツキ共へ依頼するのかを調べあげることができた。
なので先手を打ってゴロツキ共を潰しておくことにした。
僕の経験上ゴロツキ共というのは面子も大事にするが、それより金と命を重要視する。
ある程度リスクヘッジが出来る連中なら、多少痛い目に合わせりゃ手を引く。
奴らだって貴族の小競り合いに加担するということは、誰かしらの貴族を敵に回すということはわかっているはずだ。
金に目がくらんでそれが見えてないのを、ちょいと小突いて目を覚ましてやればいい。
とりあえずマーク・リングストンに相談して今晩はグロリア嬢をリングストン家に泊めてもらうことにした。
その間にこの件を片付けるつもりだ。
一方グロリア嬢は。
「どうしようお泊まりなんて……、赤ちゃんが出来てしまいますわ」
耳まで赤くして何言ってんだ、この馬鹿令嬢は。
「マーク様はその辺り、良識のある方だと思いますよ」
と、僕は期待しすぎないように馬鹿をたしなめた。
盗みも働いたし、人も襲った。
いつどのタイミングで野垂れ死にしていてもおかしくはなかったし、昔つるんでいた奴らもほとんどが死んだだろうし、生死を確認しようにも名前をコロコロ変える女も居たので確認のしようがない。
かくいう僕だって本当に死にかけだったのだ。
まだまだガキだった僕は喧嘩を売る相手を間違えて十人相手にお粥も食えなくなるくらいにボッコボコに負けて、ごみ捨て場に捨てられていた。
朦朧とする意識の中で、敗北の痛みと、それでも七人は叩き伏せてやった満足感の中、死を悟った。
目が覚めたら立派な天井に立派なベッド、それに人形みたいなガキ、グロリア嬢がこちらを見ていた。
僕はクーロフォード家に拾われた。
後にお粥が食える程度に回復した際にグロリア嬢に何故僕を助けたのかを聞いた。
こんな死にかけの無法者を貴族様が助ける理由がわからなかった。
道楽なのか、それとも何か目的があるのか、知りたかったのだ。
グロリア嬢は答えた。
「いつも、あそこにいるねこが、人になったのかとおもってつれてきたのよ」
僕はさんざっぱら馬鹿野郎を見てきたつもりだったが、こんなにも純粋な馬鹿は見たことがなかった。
人生で後にも先にも、あんなに大笑いしたことはない。
そんなこんなで僕は、グロリア嬢に野良猫と間違えられ拾われて、そのままクーロフォード家に仕えることとなった。
今の暮らしは悪くない。
馬鹿令嬢の馬鹿に時たま腹が立つことがあることに目を瞑れば、概ね問題はない。
僕はクーロフォード家にある程度恩を感じている、こんな不届き者のどチンピラを雇うなんてのは荒くれ者の鉱夫たちと仕事をしてきたクーロフォード家だからこそ出来ることだろう。
クーロフォード家は田舎者の成金貴族で、グロリア嬢は馬鹿だが、貴族のガキ共がどうこうしていいような御方ではない。
脅威の排除には、万全を期さなくてはならない。
故に僕はまた学園内に潜伏し、グロリア嬢の脅威を探る。
すると、早速後暗い話を耳にする。
「クーロフォード家の娘を攫って、傷物にしてしまえ、もう二度と学園に来れないほどに、二度と立ち直れないほどに徹底的に屈辱を与えろ」
おいおい、こいつは穏やかじゃない話を聞いてしまった。
具体的には街のゴロツキ共に金を出してグロリア嬢がマーク・リングストンと一緒に居ない時を見計らい襲撃するといった、いたってシンプルなプランだ。
更に実際に金を払い、ゴロツキと繋がりを持った貴族を吊し上げて全ての罪を擦り付けた上で切り捨てるといった、いたって標準的な貴族の考え方だ。
確かに、グロリア嬢が学園にも通えなくなり傷物になったとか噂が立ち後暗い弱みが出来れば由緒正しきリングストン家はクーロフォード家との婚約を破棄せざるを得なくなる。
マーク・リングストンがどれだけグロリア嬢を愛していても、まだ子供の彼らにはどうしようもない。
貴族のルールとか、しきたりとか、面子とか、利害関係とか、育ちの悪い僕には一つだって理解は出来ないが、まあそうなってしまうと言うのなら脅威は排除しなくてはならない。
グロリア嬢は幸せにならなくてはならない、その幸せにはあの男は必要なのだ。
それが僕の仕事でもあるのだ。
さて、僕はそこから徹底的に情報を集めた。
諜報活動に勤しみ、どの貴族のガキがどのゴロツキ共へ依頼するのかを調べあげることができた。
なので先手を打ってゴロツキ共を潰しておくことにした。
僕の経験上ゴロツキ共というのは面子も大事にするが、それより金と命を重要視する。
ある程度リスクヘッジが出来る連中なら、多少痛い目に合わせりゃ手を引く。
奴らだって貴族の小競り合いに加担するということは、誰かしらの貴族を敵に回すということはわかっているはずだ。
金に目がくらんでそれが見えてないのを、ちょいと小突いて目を覚ましてやればいい。
とりあえずマーク・リングストンに相談して今晩はグロリア嬢をリングストン家に泊めてもらうことにした。
その間にこの件を片付けるつもりだ。
一方グロリア嬢は。
「どうしようお泊まりなんて……、赤ちゃんが出来てしまいますわ」
耳まで赤くして何言ってんだ、この馬鹿令嬢は。
「マーク様はその辺り、良識のある方だと思いますよ」
と、僕は期待しすぎないように馬鹿をたしなめた。
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