お嬢様たちは、過激に世界を回していく。

ラディ

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16・え、婚約破棄? その言葉を待っていました!【全3話】

01違和感。

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 私、キャサリン・パラディーノはパラディーノ子爵家のいわゆる子爵令嬢だ。

 この国の子爵家はそこまで大きな影響力えいきょうりょくを持つわけではないので、そんなほこれるようなものでもないけれど、まあ伯爵家や侯爵家などの貴族よりいそがしくて一般的な市民よりは良い暮らしを出来ている。そんな感じの家だ。

 そんな半端はんぱな貴族の子爵家に生まれた私だが、他の貴族よろしく、しっかりと婚約者というのが決められている。

 エヴァンス伯爵家次男のサイモン・エヴァンスだ。

 幼き頃から馴染みの男で、親同士が昔からの友人で、家族ぐるみの付き合いというやつだ。

 子供の頃から私たちは、大人になったら結婚するように決められて生きてきた。

 しかし、サイモンは今日、私を呼びつけて言った。

「……、婚約を破棄はきしよう。キャサリン」

 真摯しんしに向けられたその言葉に、私は。

 

 と、思った。

 いや私たちの仲は、とっくに終わっているというか、

 子供の頃から違和感があった。

 いや決して私はサイモンのことを嫌いではない、好きか嫌いかの二択だけしかないなら好きと答えるだろう。

 ただ、恋や愛や結婚なんてものとは違う気がしていた。

 なんといえばいいのだろう、兄妹のような感覚といえなくもないがやはり兄妹の感覚とも違うし。

 友人って言うほど共通の話題が多いわけでもない。

 何度かキスをしたり、なんならお互い初めての相手でもあるのだけれど。

 どれだけをしてもしっくり来ない。

 それが私だけなら大変申し訳ないのだが、別にそうじゃない。

 

 私たちは昔っからずっと、お互いになんか違うと思いながら、恋人っぽく振舞ふるまって生きてきたのだ。
 それをお互いに確信したのは、この学園に入学してからのことだった。

 

 すぐさま私たちは緊急会議を開いた。

 やっぱり私たちのこれは、恋じゃない。

 すぐに私たちはその結論に達して。
 とりあえず、お互いに勝手に恋をしようと決めた。

 そこから一年以上経ち、私たちはもうお互いに好きになった相手と恋仲にある。

 私はバルカード侯爵家三男で騎士見習いであるブロック・バルカードと。
 彼はステイモス侯爵家令嬢のアンジェラ・ステイモス付きの侍女と、交際をしている。

 両者ともに中々に上手くいっている状態である。

 そうなるといよいよ私たちの婚約は意味を成さないどころか、

 しかし、私は女だし貴族の位も伯爵家より下の子爵家の人間だから流石に私から婚約破棄はきを言い出すことできない。
 だからこいつがそれを言い出すのを待っていた状態だったのだ。

 なので私はこいつの申し出に。

「いや、そりゃオッケーだけど、遅くない?」

 と、当たり前のように返した。

「いーやマジに後回しにしすぎてたんだけど、流石にそろそろお互いちゃんとしないとまずいだろうと思ってさ」

「まあ、そうだよね」

 さらっと全くもって感傷かんしょうなど無く、これで私たちの婚約は終わりをむかえた。

 だが、問題はここからである。

「で、お互いの両親にはどう伝えるの?」

「それだよなあ……、マジにどうすっか」

 そう、私たち自身は昔から違和感があってこの結末も容易よういに受け入れられるが親たちは違う。

 あの人たちは我々の結婚を、それはもう楽しみにしている。

 孫の名前選手権なるイベントにおいての私たちの心境しんきょうたるや……、まあさっして欲しい。
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