お嬢様たちは、過激に世界を回していく。

ラディ

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20・妹は本物の聖女じゃありません、早く気づかないとこの国滅びますよ?【全4話】

02何も変わってない。

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 いや、まだ皆さん混乱が続いているだけなのでしょう。
 落ち着いたら気づくはずです。
 あの子が聖女なわけが無いのですから。
 すぐに気づくはずです。

 誰が本当の聖女なのか、気づいてくれるはずです。

 私はそう信じておりました。

 しかし、スーザンがこの国に降臨こうりんした神に祈りを届けて奇跡を起こすことの出来る聖女だという話は、あっという間に国中に広がり。

 各地の領主や王族の耳にも届き、教会やこの国をげて、スーザンを聖女として定めることになった。

 え、いや、ちょっと。
 違うよ。
 なんで、どうして、やめてよ。

 あの子が聖女なわけがないでしょう!

 私は司祭様や他の神官にも何度もそう伝えました。
 
「自分の妹がまさか聖女様にえらばれるなんて心配なのはわかるけど、神がみちびき出されたことだから安心しなさい」

 とか。

「神が選んだことを、うたがうのですか」

 とか。

「私もあの子が聖女に選ばれると思っていました、慈悲じひ慈愛じあいを知る信仰心の深さをもっていますからね」

 とか。

 いやだからそんなわけないじゃん。

 誰一人として私の言葉に耳をかたむける人は居ませんでした。
 
 聖女と呼ばれるようになったスーザンは、神の教えの普及ふきゅうしょうして各地の領主や王家の式典やパーティに参加して遊びほうけるようになりました。

 優柔不断で、気弱で、意思も弱く、何をするにも私が居なきゃ駄目なあの子は注目を浴びて、持ち上げられ、ちやほやされて、慢心まんしんし、堕落だらくしつつあるようでした。

 このまま偽物のあの子が聖女をかたり続けるなど、いつか神は我々を見放すどころかいつか神の怒りにも触れてしまうかもしれない。

 あの奇跡の日から一ヶ月ぶりにスーザンに会うことが叶ったので、私は直接スーザンにそのむねを伝えることにしました。

「姉さん! やっと会えた! 私聖女になったのよ!」

 と、私を見た途端とたんにスーザンはその青い瞳をきらめかせ、笑みを浮かべて抱きついてきた。

 ほら、何も変わってない。

 私は喜ぶスーザンをがして、向き直ってうったえました。

 貴女が聖女をかたり、神の教えを忘れて、堕落だらくして遊びほうけることで神の怒りに触れてしまいかねないことを、真摯しんしうったえました。

 それを無言で聞き続けたスーザンは、少し悲しそうに。

「それは違うわ、クロエ」

 と、口を開いた。

「クロエ、確かに私も自分が聖女なんて大それたもの存在とは思えていないわ。

 そのままスーザンは続ける。

「この国の民にはまだまだ知性や理性が足りていない、この間のような危機に対して混乱をきわめて、暴力や暴動、混乱に乗じた略奪りゃくだつまで起こったの。混乱を落ち着かせようとした姉さんまで……、顔に大怪我おおけがを負ってしまった。だから私は民たちの信仰心を高める為に、救いを受けられるように神の教えをもっと沢山の人に伝えたいのよ」

 スーザンは熱が入り、まだまだ止まらない。

「私は確かに神に選ばれたかどうかはわからない、それでも私のことを民が聖女と呼ぶのならば、

 そこからも、スーザンは私に熱心に語りました。
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