お嬢様たちは、過激に世界を回していく。

ラディ

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22・時間遡行で、冤罪裁判と婚約破棄と学園追放を回避いたします!【全4話】

01家に篭もった。

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 私、マギー・ウェストレイクはウェストレイク伯爵家のいわゆる伯爵令嬢です。

 先日まで私は貴族や王族が通う学校に通っていたが、様々な不正行為を理由に退学を余儀よぎなくされた。

 全くもって身に覚えのないことで糾弾きゅうだんされ、弁解べんかいも許されず、味方もいない。

 今まで不変だと思っていた信用や信頼が毎秒失われていく感覚の中、どれだけもがいてもそれを加速させるだけの悪循環あくじゅんかん

 私はあんな恐怖を他に知らない。
 信用と信頼を失った私は、友人や婚約者にも見捨てられた。

 失意から私は家にこもった。

 何年も何年も、この国にとてつもない厄災やくさいが振りかかろうとも、国政がどれだけひっくり返っても。

 私は家にこももった。

 ずっと一人で思い返し続けていた。
 私が全てを失うまでの、入学してからあの糾弾きゅうだんされる寸前までの私が幸せだった時を。

 ただただ繰り返し思い出して、思い返していた。

 追憶ついおく夢想むそう
 それだけの為だけに私は生きていた。

 そんなことを繰り返し続けてきたある日。

 

 突然だった。

「おはよう、マギー。今日から一緒の学園だね」

 と、婚約者ジェリー・レグイザモが私に挨拶をする。

「え、あ、あ、おは、おはよ」

 私はそれに対してしどろもどろになりながら挨拶を返す。

 理解するまでかなりの時間をようした。

 状況の理解が出来たところで何故私が何度も思い返した学園に入学したあの日に戻ってきたのかはわからなかった。

 ついに気がれて頭がどうにかしてしまったのかとと思ったが、そんなのとっくにどうにかなってしまっていたので、そうではないだろうとすぐにあらためた。

 これは追憶ついおくでも夢想むそうでも妄想もうそうでもない、絶対に違う。

 本当に私は戻っていた、時間遡行そこうとでもいうのだろうか。

 私にとってこれ以上幸せなことはなかった。

 夢にまで見た、あの学園生活を再度謳歌おうかすることにした。

 婚約者との再開、甘い日々をやり直した。

 ああ、素晴らしい。
 なんて充実と幸せなんだろうか。

 学業も、社交界も、友人や婚約者のいる日々が、些細ささいなことでもなんでも楽しくて仕方がなかった。

 私が追憶ついおく夢想むそうをし続けた学園生活により細かいディテールが加わり、私は過去をなぞるように青春を謳歌おうかする。

 楽しい。

 しかし、やり直すだけでは結局、

「マギー・ウェストレイク、貴女が行ってきた不正をこの場で正させて頂きますわよ」

 入学から二年がったころ、学園の創立パーティーの会場にて伯爵家のエレン・ジャーヴィク嬢が私にそう宣言せんげんする。

 嫌な記憶が一瞬でよみがえる。

 楽しい記憶は美化と補正を繰り返してあっという間に細部のディテールが抜け落ちるのに、嫌な記憶というのはどうしてこんなにも鮮明せんめいに残るのだろうか。

 私の記憶通りに侯爵家であり騎士見習いのブロック・バルカードがそれに続く。

「マギー嬢! 君の不正行為をこれ以上見過ごす訳にはいかない、騎士道精神にのっとり正させてもらう」

 ああ、一字一句同じだ。

 このブロック・バルカードのセリフを皮切りにエレン嬢の糾弾きゅうだんが始まる。

 悪夢が再演さいえんされていく。

 嫌だ。

 やめて。

 やめて。
 嫌だ、やめて。

 嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ。

「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

 自分でも信じられないくらい大きな叫びと共に、私の視界しかいは真っ暗になり。

 倒れた。
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