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25・聖女、愛がゆえに。
03改めて。
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「こんな状態で申し訳ございません、聖女ジュリアナ・ロックハート。部屋を変えるかどうか考えたのですが決まりに則り一度こちらにお通し致しました。ご希望であれば場所を移しますがいかがなさいますか?」
部屋の様子に驚く私に気づき、王妃が私へと声をかける。
「いいえ、構いません。こちらこそ無理をお聞きいただき感謝致します」
私は王妃にそう答え、続けて。
「それでは単刀直入に申し上げます。この国に仕掛けた約八百の爆弾は現在無効化させています。私はこの爆弾を使用する意思はありません」
早速、本題を告げた。
「……は、八百……? この国を滅ぼす規模の爆発物がたった八百だと言うのですか? それを無力化した……、何が目的なのですか、貴女は」
王妃は私の言葉に動揺を隠せずに疑問を投げかける。
まあ当然の疑問でしょう。
私もこの爆弾の性能には理解ができていません。
遠隔起爆ではなく爆発の出力調整や、爆弾自体の移動操作まで行える。
出力は最大出力で十万人規模の犠牲を生む爆発から最小だと道に転がる石ころよりも無害になります。
それらを私の腕に付けられた装飾からこの国全土を有効範囲として操作が行えるのです。
この世界の理を超えているとしか思えない爆弾ですが、その製作者はエリック亡き今闇の中なので詳細についてはわかりません。
「爆弾の性能に関しては私自身もそういうものだとしか答えられないのですが……、もし信用して頂けないのであれば――」
「いやいい、やめなさい‼ 信用しよう‼ だから試さなくて良いっ‼」
私の言葉を慌てて王が途中で遮る。
ああそうでした。
以前私が王と話した時はこんな流れでいくつか爆弾を起爆させたのでしたね。
「ご安心ください。神に誓って私に爆弾を使う意思はございません。しかし目的はあります」
私は真摯に、そう言って。
「私とジャレッド王子の婚姻、ならびに聖女と信仰の維持を、改めて爆弾がないこの状態で認めて頂きたいのです」
目的を告げた。
王や王妃、騎士団に至るまで私の言葉に理解が追いついていない表情を浮かべるので続けて説明を始める。
「かつて私は爆弾で聖女を維持するという方法で安寧と幸福に導くという行動に出ました。しかし、これは愚策でした。結局脅迫でしかありませんでしたから、聖女の祈りにより安寧と幸福に導けるとは本気で思っていますし信じてもいますが、個人だけでそれを成す時代は終わったのです」
私は語る。
「私は祈りで、教会派はそれを信ずる信仰で、発展派は技術と向上心で、中立派はどちらも重んじることで、王家はそれらを纏めあげることで、この国を民を安寧と幸福に導くことが最良の行動であり今回の着地点と言えるでしょう」
私の言葉の意図を少しずつ汲み始めた王妃が、鋭く情報を精査するように話を聞く。
「なのでまず私はこの国の問題の一つである、国中に仕掛けられた爆弾を無力化して矛を収めました。その上で聖女という存在を認めて頂き、さらにはそちらも私や主要貴族を裏から調整するのをやめて話し合いの場を設けてください」
それを聞き届け意図を汲んだ王妃が口を開いた。
「……仰られたいことはわかりました。可能な限りフラットな状態で問題解決を行いましょうと…………、不可能とは言いませんが難しいですね」
毅然とした態度で王妃が回答を始める。
「まず貴女が爆弾を使わないというのを信用したとしても、もう話し合いが成立する段階にないのですよ。我々としては国民から危機が減るのはありがたいことですがむしろ貴女がその決断をしたことにより、発展派と教会派は聖女の怒りを恐れずにすぐに武力行使に出る恐れもあります。それに問題はそれだけではなく……いえ、この問題に関しては今は良いでしょう」
王妃が少し口を濁したところで、私も口を開く。
「だからこそですよ、王妃。その前に話し合いにて解決させるのです。発展派と王族との折衷案を腹を割って話し合うのです。その為にはまず私たちが先んじて交渉の席に付き、発展派を迎え入れる必要があるのです」
部屋の様子に驚く私に気づき、王妃が私へと声をかける。
「いいえ、構いません。こちらこそ無理をお聞きいただき感謝致します」
私は王妃にそう答え、続けて。
「それでは単刀直入に申し上げます。この国に仕掛けた約八百の爆弾は現在無効化させています。私はこの爆弾を使用する意思はありません」
早速、本題を告げた。
「……は、八百……? この国を滅ぼす規模の爆発物がたった八百だと言うのですか? それを無力化した……、何が目的なのですか、貴女は」
王妃は私の言葉に動揺を隠せずに疑問を投げかける。
まあ当然の疑問でしょう。
私もこの爆弾の性能には理解ができていません。
遠隔起爆ではなく爆発の出力調整や、爆弾自体の移動操作まで行える。
出力は最大出力で十万人規模の犠牲を生む爆発から最小だと道に転がる石ころよりも無害になります。
それらを私の腕に付けられた装飾からこの国全土を有効範囲として操作が行えるのです。
この世界の理を超えているとしか思えない爆弾ですが、その製作者はエリック亡き今闇の中なので詳細についてはわかりません。
「爆弾の性能に関しては私自身もそういうものだとしか答えられないのですが……、もし信用して頂けないのであれば――」
「いやいい、やめなさい‼ 信用しよう‼ だから試さなくて良いっ‼」
私の言葉を慌てて王が途中で遮る。
ああそうでした。
以前私が王と話した時はこんな流れでいくつか爆弾を起爆させたのでしたね。
「ご安心ください。神に誓って私に爆弾を使う意思はございません。しかし目的はあります」
私は真摯に、そう言って。
「私とジャレッド王子の婚姻、ならびに聖女と信仰の維持を、改めて爆弾がないこの状態で認めて頂きたいのです」
目的を告げた。
王や王妃、騎士団に至るまで私の言葉に理解が追いついていない表情を浮かべるので続けて説明を始める。
「かつて私は爆弾で聖女を維持するという方法で安寧と幸福に導くという行動に出ました。しかし、これは愚策でした。結局脅迫でしかありませんでしたから、聖女の祈りにより安寧と幸福に導けるとは本気で思っていますし信じてもいますが、個人だけでそれを成す時代は終わったのです」
私は語る。
「私は祈りで、教会派はそれを信ずる信仰で、発展派は技術と向上心で、中立派はどちらも重んじることで、王家はそれらを纏めあげることで、この国を民を安寧と幸福に導くことが最良の行動であり今回の着地点と言えるでしょう」
私の言葉の意図を少しずつ汲み始めた王妃が、鋭く情報を精査するように話を聞く。
「なのでまず私はこの国の問題の一つである、国中に仕掛けられた爆弾を無力化して矛を収めました。その上で聖女という存在を認めて頂き、さらにはそちらも私や主要貴族を裏から調整するのをやめて話し合いの場を設けてください」
それを聞き届け意図を汲んだ王妃が口を開いた。
「……仰られたいことはわかりました。可能な限りフラットな状態で問題解決を行いましょうと…………、不可能とは言いませんが難しいですね」
毅然とした態度で王妃が回答を始める。
「まず貴女が爆弾を使わないというのを信用したとしても、もう話し合いが成立する段階にないのですよ。我々としては国民から危機が減るのはありがたいことですがむしろ貴女がその決断をしたことにより、発展派と教会派は聖女の怒りを恐れずにすぐに武力行使に出る恐れもあります。それに問題はそれだけではなく……いえ、この問題に関しては今は良いでしょう」
王妃が少し口を濁したところで、私も口を開く。
「だからこそですよ、王妃。その前に話し合いにて解決させるのです。発展派と王族との折衷案を腹を割って話し合うのです。その為にはまず私たちが先んじて交渉の席に付き、発展派を迎え入れる必要があるのです」
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