ボクとセンセイの秘密

七町 優

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第10章 お互いの意思

85.ここまでの経緯

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私と優衣が駆けつけた時には既に一真の意識がなかった。

救急車に乗り込んだ、私と優衣……そして一人の警察官。

救急車の中で警察官は口を開いた。

「岸本 優衣さん、少しお話をお聞きしてもよろしいでしょうか??」

「はい……」

私から見た優衣酷く憔悴(しょうすい)しきった様子だった。

「事件があった部屋はあなたの部屋ですよね??」

「はい……」

「あなたはここに来るまでの経緯を知ってますよね??」

コクッ

小さく頷く……

「それよりも……犯人は捕まったんですか??」

「あ、その件でしたらしっかり捕まえました。」

「なら、良かった……じゃあ話しますね……

少し時は遡りますが、元カレと別れるその時にはもう既に彼(一真)を好きになっていたんです。私は元彼に別れようって告げたんです、その時は納得してくれたんですが……一ヶ月後に元彼はやっぱりやり直そうと復縁を求めてきたんです。私はもうやり直すつもりは無いと言い、元彼を突っぱねました。それからまた少しの間何も言ってこなくなって安心してたんです、そうしたら今日は文化祭に突然現れてまた復縁を迫ってきたんです。」

「なるほど……でなぜ家であんなことに……??」

「元彼は私の家までつけてきていたみたいです。それで家の前で口論になっていたところに彼が現れて……」















私は事細かに説明している優衣を見て本当のことを言っているんだなと認識した。

優衣は泣きじゃくりながら、一真の手を握り続けていた。

「優衣、那須くんならきっと大丈夫だから……」

「うん……」













目的地の病院についた。一真はすぐに処置室に運ばれ、手術が始まった。


















五時間後……







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