僕は異世界の神になりたい

ナオ

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5.農夫と少年

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『ここは・・・』

僕が目を覚ますと先ず目に入ってきたのは見知らぬ天井だった。

『おめぇ、やっと起きたのか』

60代半ばほどの男性が僕に言った。

『ここは?それに貴方は?』

『まあ待ていっぺんに言われてもオラわんねぇよ』

『それじゃあまず貴方は誰ですか?』

『オラか?オラはタネマ=キゾウここで農夫やってんだ。気軽にタネ爺って呼んでけろ。ところでおめぇ名前は何なんて言うんだ?』

『僕ですか?僕は立花 祐介です。それでキゾウさん僕は何でここに?』

ゴブリンを倒してからの記憶がない。
あれから何日経ったのかそれすらも僕には分からないのだ。

『そりゃおめぇがオラん家の近くで倒れてたからオラがここまで運んだんだ』

『僕を・・ありがとうございます』

『気にする事ねぇだよ。人ってのは助け合ってかなきゃ生ぎてけねんだがら。そら腹減ってんだろ?食え食え』

そう言ってタネ爺が出してくれたのは芋を切って焼いた物や豚を何かの肉と野菜を炒めたもの、それにラーメンに似た麺料理まで出てきた。

『わあ!こんなご馳走まで何から何までありがとうございます!』

『良いんだよ。じじいがこんな所で一人暮らししてると寂しくてね。たまに客人が来ると贅沢したくなるんだ』

『そうなんですね』

『んだんだ。神さんが魔神に殺されてから魔物が増えて魔王なんて奴が出てきてから作物も荒らされっし普段はこんなご馳走出来ねぇからな』

タネ爺は困ったように笑い、顔を曇らせる。

『神様が殺された!?タネ爺!神様が殺されてから何日経ってますか?』

『オメェもおかしな事聞くな…オラも正確な日までは分からねぇけど確か2年前位だったか』

『2年前!まさかそんな訳・・・』

悠人は驚きを覚えた。
美玲が殺されたのが・・・僕がさっき見てきたばかりの光景が2年前の出来事だとタネ爺は言った。
しかし、そんな訳はない、僕はあの光景を見たのだそれも最近だ。

『まさか!美玲は僕を2年後に…いやでもそんな事・・・』

『祐介オメェさっきから一人で何ブツブツ言ってんだ?』

『いやでもそれしか考えられ・・・あっ何ですか?』

『いやもう良いだよ。思う存分考えると良いよ』

『あっはい。』

その夜、祐介のあーでもないこーでもないといった独り言が一晩中タネ爺の家では聞こえてきたという。


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