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三部 神具編
新たなる王の末裔3
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見ている側からも、ハッキリと神具の変化を感じ取れたとき、柏羅の瞳が輝き出す。
神具が光の玉へ変わるなり、近寄り触れる。柏羅の腕輪が輝きだし、再び光が剣へと姿を変えていく。
『新たなる神具、星紡剣だ。受けとれば、お前は新たな力を得る』
頭の中へ直接語りかけてくる声。言葉の意味はすぐさまわかった。
神具を奪われ、末裔の力を無くした。つまり、受けとれば魔竜王の力を得る。始祖竜はそう告げているのだ。
遥か昔から、魔竜族には存在しなかった力。神具と共に始祖竜が与えると言う。
虚空が迷うことはなかった。以前、この神具を使っていた先祖のため、同族のため力を求める。
「ありがたく、受け取ろう」
生まれ変わった神具を手に取れば、左腕が熱を持つ。強い力が身体に流れ込み、衝撃で崩れ落ちた。
「虚空!」
慌てたように支えるのは琅悸。氷穂は心配そうに覗き込む。
魔力の消費、新たな力を得た衝撃。虚空の身体は酷く疲れきっていた。
「柏羅!」
少女の身体が倒れるのを見て、氷穂が慌てて受け止める。
「なるほどなぁ。神具を取り戻すと、柏羅の中に一回戻るのか。こうやって、始祖竜の力を戻せってことか」
一連の流れを見ていたユフィは、のんびりと近寄って来た。
「つまり、一度始祖竜に戻し、再度始祖竜から神具と力を与えられる、ということか」
「あぁ。そうじゃないと、たぶん支える力にならねぇんだよ。奪われた時点で始祖竜の力じゃねぇから」
その言葉に納得するよう頷く琅悸。その関係で、初代で絶えた魔竜王の力が新たに与えられたわけだ。
神具を取り戻せば自分の力も戻る。だが、違う者が取り戻せばそちらに渡るのだと知る。
「少し休息をとりましょう。虚空も柏羅も動けないですし」
「あぁ、魔力が少し戻るまでは休まないとな!」
「ん?」
そこでなぜ魔力が出てくるのか。琅悸と氷穂は頭の中がはてなになった。魔力が戻らなくても、動けるなら問題はないはずだ。
「すまない。会話の内容はわからないが、私の話だな」
微妙な空気を察し、虚空は自分から話した。その言葉に、二人はさらに驚く。
彼は耳が聞こえないのだと話す。普段は魔力を使うことで、頭の中へ直接声が届くようにしていると。
「魔力はすべて耳に使っているせいで、戦闘で魔法や魔技はほとんど使えない。あぁ、今は話しかけるなよ。聞こえない。それと気にしなくていい」
あっさりと言われ、二人は頷く。本人が言うのなら、今まで通りに接するのがいい。
今は魔力が、耳へ使えるほど回復するのを待つだけだ。
「まっ、柏羅が目を覚ます頃には戻るんじゃねぇ?」
「そうだな」
おそらく危険はないだろう。なにかあった場合は自分が頑張ればいい、と琅悸は神経を研ぎ澄ませた。
いざとなれば結界だけならユフィは動いてくれると、彼やよく理解している。この精霊は少しばかり変わり者だと。
使い手を作るために、どこからか手に入れてきただろう人骨。それを見ながら琅悸は戦いを思い返す。
今回の戦い、戦い方が見抜かれているように、まるで攻撃が効かなかった。
「ユフィ……」
「わかってる。けど、嫌なんだろ」
「あぁ…」
「なら、今はそれでやるしかないな」
くよくよするな、と力一杯背中を叩く。
自分をよく知る精霊が言う。それだけで気分はとても軽くなった。この相棒には、とても助けられているなと自覚している。
「……ふぅ。感覚が戻ってきた。もう動けるが、どうする?」
音が戻ったと虚空が言えば、戻ろうとユフィは言った。
街までは数日かかるのだ。今日中に少しでも距離を稼ぐべきと。
「蒼翔の方が、先に戻って待っているはずだな。確かに、急いで帰るべきか」
「そうですね」
同意するように琅悸と氷穂も立ち上がる。その際、ユフィが崩れ落ちた塊を見ていたのは、気付かないふりをした。
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神具が光の玉へ変わるなり、近寄り触れる。柏羅の腕輪が輝きだし、再び光が剣へと姿を変えていく。
『新たなる神具、星紡剣だ。受けとれば、お前は新たな力を得る』
頭の中へ直接語りかけてくる声。言葉の意味はすぐさまわかった。
神具を奪われ、末裔の力を無くした。つまり、受けとれば魔竜王の力を得る。始祖竜はそう告げているのだ。
遥か昔から、魔竜族には存在しなかった力。神具と共に始祖竜が与えると言う。
虚空が迷うことはなかった。以前、この神具を使っていた先祖のため、同族のため力を求める。
「ありがたく、受け取ろう」
生まれ変わった神具を手に取れば、左腕が熱を持つ。強い力が身体に流れ込み、衝撃で崩れ落ちた。
「虚空!」
慌てたように支えるのは琅悸。氷穂は心配そうに覗き込む。
魔力の消費、新たな力を得た衝撃。虚空の身体は酷く疲れきっていた。
「柏羅!」
少女の身体が倒れるのを見て、氷穂が慌てて受け止める。
「なるほどなぁ。神具を取り戻すと、柏羅の中に一回戻るのか。こうやって、始祖竜の力を戻せってことか」
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「つまり、一度始祖竜に戻し、再度始祖竜から神具と力を与えられる、ということか」
「あぁ。そうじゃないと、たぶん支える力にならねぇんだよ。奪われた時点で始祖竜の力じゃねぇから」
その言葉に納得するよう頷く琅悸。その関係で、初代で絶えた魔竜王の力が新たに与えられたわけだ。
神具を取り戻せば自分の力も戻る。だが、違う者が取り戻せばそちらに渡るのだと知る。
「少し休息をとりましょう。虚空も柏羅も動けないですし」
「あぁ、魔力が少し戻るまでは休まないとな!」
「ん?」
そこでなぜ魔力が出てくるのか。琅悸と氷穂は頭の中がはてなになった。魔力が戻らなくても、動けるなら問題はないはずだ。
「すまない。会話の内容はわからないが、私の話だな」
微妙な空気を察し、虚空は自分から話した。その言葉に、二人はさらに驚く。
彼は耳が聞こえないのだと話す。普段は魔力を使うことで、頭の中へ直接声が届くようにしていると。
「魔力はすべて耳に使っているせいで、戦闘で魔法や魔技はほとんど使えない。あぁ、今は話しかけるなよ。聞こえない。それと気にしなくていい」
あっさりと言われ、二人は頷く。本人が言うのなら、今まで通りに接するのがいい。
今は魔力が、耳へ使えるほど回復するのを待つだけだ。
「まっ、柏羅が目を覚ます頃には戻るんじゃねぇ?」
「そうだな」
おそらく危険はないだろう。なにかあった場合は自分が頑張ればいい、と琅悸は神経を研ぎ澄ませた。
いざとなれば結界だけならユフィは動いてくれると、彼やよく理解している。この精霊は少しばかり変わり者だと。
使い手を作るために、どこからか手に入れてきただろう人骨。それを見ながら琅悸は戦いを思い返す。
今回の戦い、戦い方が見抜かれているように、まるで攻撃が効かなかった。
「ユフィ……」
「わかってる。けど、嫌なんだろ」
「あぁ…」
「なら、今はそれでやるしかないな」
くよくよするな、と力一杯背中を叩く。
自分をよく知る精霊が言う。それだけで気分はとても軽くなった。この相棒には、とても助けられているなと自覚している。
「……ふぅ。感覚が戻ってきた。もう動けるが、どうする?」
音が戻ったと虚空が言えば、戻ろうとユフィは言った。
街までは数日かかるのだ。今日中に少しでも距離を稼ぐべきと。
「蒼翔の方が、先に戻って待っているはずだな。確かに、急いで帰るべきか」
「そうですね」
同意するように琅悸と氷穂も立ち上がる。その際、ユフィが崩れ落ちた塊を見ていたのは、気付かないふりをした。
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