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13話 友との再会
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私のショックによるストレスは、そう簡単に解決するものではなかった。そのため憂さ晴らしとばかりに、家の外に放り出した2人のモノを燃やしたり凍らせて砕いたりした。
こうして、何時間もかけてありとあらゆる魔法を用いてストレスを発散し、完全に目の前から2人の遺留品を消滅させた。
「疲れたからもう休むわ」
使用人たちにそう告げ入浴を済ませた後、私はすぐに深い眠りについた。
そして朝になり、いつも通りの正確な時間に目が覚めた。こんな状況においても、何故私の身体は正常なままなのかと、自嘲的な感情が湧いてくる。
あの2人の姿を見るまでは未だかつてない達成感を感じていたのに、報われなかった感覚が強すぎて悲しみどころか、苛立ちが募る。
泣いて精神的にも崩壊して落ち込むかと思いきや、あまりの酷さに吹っ切れすぎて、もはやあの人たちの為に落ち込んでいること自体が馬鹿らしく感じる。
今この時だけは、心を病んで落ち込みすぎることにならなくて良かったと強く感じる。現実味を帯びなくて、まだ正常な認識が出来てないだけかもしれないけれど……。
「今日する仕事は、カーチェス家に手紙を書くことよね」
私は、急いで怒りの感情をペンに走らせた。二度と目の前に現れないこと、今回の件について要らぬことを言いふらさないということを中心に書き綴り、すぐに送りつけた。
こうして手紙の手続きを終わらせた後、一気に虚無感が襲ってきた。
――ああ、こんなことになるんだったら、ギル様とずっと一緒に暮らして死にたかったわ……。
ハンカチが無いとギル様とここまでの関係は築けなかったんだけど……。
ここまで考えて、今日の計画が浮かんだ。
――そうだ!
あのときはきちんとハンカチのお礼を言えなかったわ。
今から魔塔に帰還報告しに行こうと思ったけど、その前に騎士団に寄ってちゃんとお礼を言いましょう!
名案が浮かんだと思い、さっそく騎士団と魔塔に行く準備をして家から出た。昨日の結婚式場の前を通りたくなくて、いつもは行かない道から騎士団へと向かった。
いつもは通らない道だったため遠回りになるかと思ったが、普段の道と到着までの時間差はほとんどないことが分かった。
――普段こっちの道は通らなかったけど、大して時間差は無いのね。
通行時間の問題かしら。
そんな考え事をしながら移動していると、馬車はあっという間に騎士団施設へ到着した。
そして馬車を降り、騎士団内部へと足を進め、受付窓口に立っている男性に声をかけた。
「お忙しいところ失礼いたします。わたくし、魔塔所属のクリスタ・ウィルキンスと申します。第3騎士団の騎士団長様はいらっしゃいますでしょうか?」
そう声をかけると、にこやかに対応してくれていた受付の男性の顔が急に真顔になり、愛想の良かった態度は急に冷ややかなものへと変化した。
「はあ……あなたもですか。すみませんが、騎士団長は暇な人ではありません。こういうことをされると困りますし、迷惑です。彼は今いません。速やかにお引き取りください。それに、クリスタ嬢がこの場にいるはずがありません。そのような不謹慎な嘘はおやめください」
「え、いや、私本当にクリスタ・ウィルキンスで――」
「見苦しい嘘はおやめください。あなたの今後にも差し障りますよ。これ以上何か言うようでしたら、こちらもそれ相応の対応を取らせていただきます」
こちらの言い分を一切聞くことなく、一方的に説教めいたものをされ怒りが湧いてくる。
しかし、その一方で受付の男性の〈あなたも〉という言葉を聞き、何か事情があるのではないかとも思った。
魔塔に帰還の報告もしてないため、身分証を見せても偽造だと言って信じてくれないだろう。
家からの距離が近かったから騎士団に先に来ることにしたが、順序としてはどうやら悪手だったようだ。
ただ、いくら迷惑だったとしても、にべもないあの対応はちょっと傷付いてしまった。でも、お互いに事情も分からないし、仕事として対応している彼を責めても仕方ない。
――よし、まずは魔塔に行こう!
話しはそれからだわ。
そう思い受付を離れようと振り返ったそのとき、見知った顔の人間と目が合った。
「お、お、お、お、おまっ……。うっうそだろっ!? 帰ったのか!?」
魔導士学校の友人であり、第8騎士団の団長であるカイルはそう叫ぶと、私の方へと駆け寄って来た。そのカイルの目からは、涙が零れている。
「ちゃんと帰ったわよ、カイル」
「クリ、スタ……お、おか、おか、おか――」
もう喋ることができないほど息を詰まらせ泣いているカイルを見て、初めて帰って来たことを喜んでもらえて嬉しくなった。
チラッと受付の男性の顔を見ると、今にも倒れそうなほどに真っ青な顔をしてこちらを凝視している。
「騎士団長ともあろう人がこんなに泣いてたら示しがつかないでしょ。カイル、ちょっと場所を移した方が良いんじゃない?」
「あ、ああ。グスッ、ごべっ、ごめん。う、うれじくで……」
そう言いながら、カイルは場所を移すために歩き出した。私は泣きながらも歩き出したカイルに付いて行った。
こうして、何時間もかけてありとあらゆる魔法を用いてストレスを発散し、完全に目の前から2人の遺留品を消滅させた。
「疲れたからもう休むわ」
使用人たちにそう告げ入浴を済ませた後、私はすぐに深い眠りについた。
そして朝になり、いつも通りの正確な時間に目が覚めた。こんな状況においても、何故私の身体は正常なままなのかと、自嘲的な感情が湧いてくる。
あの2人の姿を見るまでは未だかつてない達成感を感じていたのに、報われなかった感覚が強すぎて悲しみどころか、苛立ちが募る。
泣いて精神的にも崩壊して落ち込むかと思いきや、あまりの酷さに吹っ切れすぎて、もはやあの人たちの為に落ち込んでいること自体が馬鹿らしく感じる。
今この時だけは、心を病んで落ち込みすぎることにならなくて良かったと強く感じる。現実味を帯びなくて、まだ正常な認識が出来てないだけかもしれないけれど……。
「今日する仕事は、カーチェス家に手紙を書くことよね」
私は、急いで怒りの感情をペンに走らせた。二度と目の前に現れないこと、今回の件について要らぬことを言いふらさないということを中心に書き綴り、すぐに送りつけた。
こうして手紙の手続きを終わらせた後、一気に虚無感が襲ってきた。
――ああ、こんなことになるんだったら、ギル様とずっと一緒に暮らして死にたかったわ……。
ハンカチが無いとギル様とここまでの関係は築けなかったんだけど……。
ここまで考えて、今日の計画が浮かんだ。
――そうだ!
あのときはきちんとハンカチのお礼を言えなかったわ。
今から魔塔に帰還報告しに行こうと思ったけど、その前に騎士団に寄ってちゃんとお礼を言いましょう!
名案が浮かんだと思い、さっそく騎士団と魔塔に行く準備をして家から出た。昨日の結婚式場の前を通りたくなくて、いつもは行かない道から騎士団へと向かった。
いつもは通らない道だったため遠回りになるかと思ったが、普段の道と到着までの時間差はほとんどないことが分かった。
――普段こっちの道は通らなかったけど、大して時間差は無いのね。
通行時間の問題かしら。
そんな考え事をしながら移動していると、馬車はあっという間に騎士団施設へ到着した。
そして馬車を降り、騎士団内部へと足を進め、受付窓口に立っている男性に声をかけた。
「お忙しいところ失礼いたします。わたくし、魔塔所属のクリスタ・ウィルキンスと申します。第3騎士団の騎士団長様はいらっしゃいますでしょうか?」
そう声をかけると、にこやかに対応してくれていた受付の男性の顔が急に真顔になり、愛想の良かった態度は急に冷ややかなものへと変化した。
「はあ……あなたもですか。すみませんが、騎士団長は暇な人ではありません。こういうことをされると困りますし、迷惑です。彼は今いません。速やかにお引き取りください。それに、クリスタ嬢がこの場にいるはずがありません。そのような不謹慎な嘘はおやめください」
「え、いや、私本当にクリスタ・ウィルキンスで――」
「見苦しい嘘はおやめください。あなたの今後にも差し障りますよ。これ以上何か言うようでしたら、こちらもそれ相応の対応を取らせていただきます」
こちらの言い分を一切聞くことなく、一方的に説教めいたものをされ怒りが湧いてくる。
しかし、その一方で受付の男性の〈あなたも〉という言葉を聞き、何か事情があるのではないかとも思った。
魔塔に帰還の報告もしてないため、身分証を見せても偽造だと言って信じてくれないだろう。
家からの距離が近かったから騎士団に先に来ることにしたが、順序としてはどうやら悪手だったようだ。
ただ、いくら迷惑だったとしても、にべもないあの対応はちょっと傷付いてしまった。でも、お互いに事情も分からないし、仕事として対応している彼を責めても仕方ない。
――よし、まずは魔塔に行こう!
話しはそれからだわ。
そう思い受付を離れようと振り返ったそのとき、見知った顔の人間と目が合った。
「お、お、お、お、おまっ……。うっうそだろっ!? 帰ったのか!?」
魔導士学校の友人であり、第8騎士団の団長であるカイルはそう叫ぶと、私の方へと駆け寄って来た。そのカイルの目からは、涙が零れている。
「ちゃんと帰ったわよ、カイル」
「クリ、スタ……お、おか、おか、おか――」
もう喋ることができないほど息を詰まらせ泣いているカイルを見て、初めて帰って来たことを喜んでもらえて嬉しくなった。
チラッと受付の男性の顔を見ると、今にも倒れそうなほどに真っ青な顔をしてこちらを凝視している。
「騎士団長ともあろう人がこんなに泣いてたら示しがつかないでしょ。カイル、ちょっと場所を移した方が良いんじゃない?」
「あ、ああ。グスッ、ごべっ、ごめん。う、うれじくで……」
そう言いながら、カイルは場所を移すために歩き出した。私は泣きながらも歩き出したカイルに付いて行った。
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