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61話 嫌な予感
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「アンデッドを確認! 至急作戦を実行する! プランCだ!」
その声が聞こえた瞬間、エンディミオン様は救護所となっているテントから外を確認した。
「クリスタ様、ここからは遠い位置にですが、既にアンデッドの姿が見えております。場所を移しましょう!」
その言葉に従い、私はエンディミオン様と一緒に軍司令官の指示通りの場所へと移動した。そして、エンディミオン様は「必ず約束は守ります」と言い、そのまま自身の配置場所へと、走って移動していった。
こうしてエンディミオン様と別れて5分ほど経った頃、アンデッドと戦い始めたのであろう騎士たちの声が聞こえ始めた。
――もう騎士が自ら救護所に来られる状態じゃないわね。
ここまですぐとは思っていなかったけれど、私も参戦しないと……。
そう腹を括り、私は移動したテントから出た。
外に出ると、辺りは昼のような明るさになっていた。第8騎士団が戦いやすいよう、魔法で明かりを灯すように光を放っていたからだ。
そのため私の目には、騎士たちがアンデッドと戦っているクリアな姿が、真っ先に視界に入ってきた。
獣ような唸り声をあげる、人のようで人ではない姿になった化け物と、騎士たちが戦っている姿は、それはおどろおどろしい光景だった。
そんな中、私とは30メートルほど離れたところにいた騎士が、突然辺りの騎士が皆驚くほどの大声を出した。かと思うと、その場に崩れ落ちた。
それから数秒後、その騎士がむくむくと起き上がったが、その顔はもう人ではない化け物に変わってしまっていた。
――嘘でしょ……。
この一瞬で、アンデッドになってしまったの!?
ショックで頭の中が真っ白になりかけた。
すると、その元第一騎士団の団員だったアンデッドは、マリオネットのような動きで動き始めた。そして、目の前にいる人間が、先ほどまで仲間だったことを忘れたそのアンデッドは、周りにいた騎士たちを躊躇い無く襲い始めた。
「お、俺はお前のことを切れない! なあ、止まってくれよ!」
「嘘だろ!? 俺だぞ!? おい! 目を覚ませよ!」
そんな騎士たちの言葉が聞こえてくるが、肝心のアンデッドになった騎士にはもうその声は届いていなかった。
そのため、アンデッドはそのまま仲間だった騎士を襲う手を止めなかった。
――皆、アンデッドになった団員を斬れないんだわ!
あっ、危ない!
皆がアンデッドになった団員に気をとられてしまっている。その隙をついて、他のアンデッドが背後から団員たちを狙っていたため、私はサンダーボルトを一撃食らわせ、何とか一時的にアンデッドの動きを止めた。
するとその時、第一騎士団長がアンデッドになった団員の心臓を、後ろから刺し貫いた。そして、咆哮と言えるほどの声を響き渡らせた。
「いくら仲間でも、アンデッドになったら躊躇うな! こんな思いを他の人間にさせたくないなら、何が何でも死ぬな! 一片たりとも油断するな!」
そう叫ぶと、ワイアット団長は悲痛を極めた顔で歯を食いしばり、また次の敵へとかかっていった。
この叫びがあって、気持ちが入れ替わったのだろう。何かが吹っ切れたように、鈍くなっていた騎士たちの動きが機敏になった。そんな現状に心を痛めながらも、私も周りにいるアンデッドたちに攻撃を開始した。
……本格的に参戦してから、約十分ほどが経過した。そんな時、大量に出血し息も絶え絶えの団員が、私の元へとやってきた。
――いけない!
この人を今すぐ治療しないと!
このまま放置していたら、死んでアンデッドになってしまうわ!
急がなければ本当に危ない。そう思いながら、私はポケットに入れていた瓶の中から、キャンディ型の特上ポーションを取り出して、その騎士の口に入れた。
すると、その騎士の傷は塞がり呼吸も安定し始めた。そこで少し安心していると、その気が申し訳なさそうに声を漏らした。
「逃げるなんて騎士不覚だ。参戦しているのに、こんなことで足引っ張っちまって本当にすまねえっ……」
「謝らないでください。死体になったらお終いです。むしろ、ちゃんとここにきて正解です。敵にバレないように、場所を移しましょう!」
そう声をかけ、私はバリアを張って団員と一緒にアンデッドが少ない地点に移動を始めた。するとその道すがら、戦っている軍司令官に話しかけている伝令兵の声が聞こえた。
「敵はどうやら、あの町の上の塔に1人でいるようです! 恐らく、ネクロマンサーはたった1人で、ここにいるすべてのアンデッドを操っています」
「何だと!? 今、塔の方にはどれだけの騎士が集まっているんだ!」
「全団員のうち半数が塔に、残りの半数がこちらにいる状態です。また、第一騎士団長以外の団員格はすべて塔の方で戦っております!」
――何で、そんなに戦力を偏らせているの!?
塔の方がアンデッドの数が多いの?
それとも、ネクロマンサー自身を倒すために戦力を集中させているのか……。
何にしろ、一体どれだけのアンデッドを使役しているというの……?
ネクロマンサーの所業に信じられない思いになる。そんな私は、その会話が聞こえる場所に留まり、一緒に移動していた騎士にヒールの魔法をかけ始めた。
するとその瞬間、戦いながら軍司令官に話しかけている伝令兵の口から、信じられない情報が発せられた。
「アンデッドの数自体は、こちらの方が多いです。ですが、どうやらネクロマンサーのいる場所に近ければ近いほど、アンデッドが強いようなのです。よって、塔付近のアンデッドは段違いに強いため、そちらに団長格の戦力を集中させている状況です!」
その言葉を聞いた瞬間、嫌な予感が脳裏を過ぎった。
その声が聞こえた瞬間、エンディミオン様は救護所となっているテントから外を確認した。
「クリスタ様、ここからは遠い位置にですが、既にアンデッドの姿が見えております。場所を移しましょう!」
その言葉に従い、私はエンディミオン様と一緒に軍司令官の指示通りの場所へと移動した。そして、エンディミオン様は「必ず約束は守ります」と言い、そのまま自身の配置場所へと、走って移動していった。
こうしてエンディミオン様と別れて5分ほど経った頃、アンデッドと戦い始めたのであろう騎士たちの声が聞こえ始めた。
――もう騎士が自ら救護所に来られる状態じゃないわね。
ここまですぐとは思っていなかったけれど、私も参戦しないと……。
そう腹を括り、私は移動したテントから出た。
外に出ると、辺りは昼のような明るさになっていた。第8騎士団が戦いやすいよう、魔法で明かりを灯すように光を放っていたからだ。
そのため私の目には、騎士たちがアンデッドと戦っているクリアな姿が、真っ先に視界に入ってきた。
獣ような唸り声をあげる、人のようで人ではない姿になった化け物と、騎士たちが戦っている姿は、それはおどろおどろしい光景だった。
そんな中、私とは30メートルほど離れたところにいた騎士が、突然辺りの騎士が皆驚くほどの大声を出した。かと思うと、その場に崩れ落ちた。
それから数秒後、その騎士がむくむくと起き上がったが、その顔はもう人ではない化け物に変わってしまっていた。
――嘘でしょ……。
この一瞬で、アンデッドになってしまったの!?
ショックで頭の中が真っ白になりかけた。
すると、その元第一騎士団の団員だったアンデッドは、マリオネットのような動きで動き始めた。そして、目の前にいる人間が、先ほどまで仲間だったことを忘れたそのアンデッドは、周りにいた騎士たちを躊躇い無く襲い始めた。
「お、俺はお前のことを切れない! なあ、止まってくれよ!」
「嘘だろ!? 俺だぞ!? おい! 目を覚ませよ!」
そんな騎士たちの言葉が聞こえてくるが、肝心のアンデッドになった騎士にはもうその声は届いていなかった。
そのため、アンデッドはそのまま仲間だった騎士を襲う手を止めなかった。
――皆、アンデッドになった団員を斬れないんだわ!
あっ、危ない!
皆がアンデッドになった団員に気をとられてしまっている。その隙をついて、他のアンデッドが背後から団員たちを狙っていたため、私はサンダーボルトを一撃食らわせ、何とか一時的にアンデッドの動きを止めた。
するとその時、第一騎士団長がアンデッドになった団員の心臓を、後ろから刺し貫いた。そして、咆哮と言えるほどの声を響き渡らせた。
「いくら仲間でも、アンデッドになったら躊躇うな! こんな思いを他の人間にさせたくないなら、何が何でも死ぬな! 一片たりとも油断するな!」
そう叫ぶと、ワイアット団長は悲痛を極めた顔で歯を食いしばり、また次の敵へとかかっていった。
この叫びがあって、気持ちが入れ替わったのだろう。何かが吹っ切れたように、鈍くなっていた騎士たちの動きが機敏になった。そんな現状に心を痛めながらも、私も周りにいるアンデッドたちに攻撃を開始した。
……本格的に参戦してから、約十分ほどが経過した。そんな時、大量に出血し息も絶え絶えの団員が、私の元へとやってきた。
――いけない!
この人を今すぐ治療しないと!
このまま放置していたら、死んでアンデッドになってしまうわ!
急がなければ本当に危ない。そう思いながら、私はポケットに入れていた瓶の中から、キャンディ型の特上ポーションを取り出して、その騎士の口に入れた。
すると、その騎士の傷は塞がり呼吸も安定し始めた。そこで少し安心していると、その気が申し訳なさそうに声を漏らした。
「逃げるなんて騎士不覚だ。参戦しているのに、こんなことで足引っ張っちまって本当にすまねえっ……」
「謝らないでください。死体になったらお終いです。むしろ、ちゃんとここにきて正解です。敵にバレないように、場所を移しましょう!」
そう声をかけ、私はバリアを張って団員と一緒にアンデッドが少ない地点に移動を始めた。するとその道すがら、戦っている軍司令官に話しかけている伝令兵の声が聞こえた。
「敵はどうやら、あの町の上の塔に1人でいるようです! 恐らく、ネクロマンサーはたった1人で、ここにいるすべてのアンデッドを操っています」
「何だと!? 今、塔の方にはどれだけの騎士が集まっているんだ!」
「全団員のうち半数が塔に、残りの半数がこちらにいる状態です。また、第一騎士団長以外の団員格はすべて塔の方で戦っております!」
――何で、そんなに戦力を偏らせているの!?
塔の方がアンデッドの数が多いの?
それとも、ネクロマンサー自身を倒すために戦力を集中させているのか……。
何にしろ、一体どれだけのアンデッドを使役しているというの……?
ネクロマンサーの所業に信じられない思いになる。そんな私は、その会話が聞こえる場所に留まり、一緒に移動していた騎士にヒールの魔法をかけ始めた。
するとその瞬間、戦いながら軍司令官に話しかけている伝令兵の口から、信じられない情報が発せられた。
「アンデッドの数自体は、こちらの方が多いです。ですが、どうやらネクロマンサーのいる場所に近ければ近いほど、アンデッドが強いようなのです。よって、塔付近のアンデッドは段違いに強いため、そちらに団長格の戦力を集中させている状況です!」
その言葉を聞いた瞬間、嫌な予感が脳裏を過ぎった。
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