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第31話 最後の秘密
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「わざわざ武蔵に報告する必要あるのかなぁ」
二人で武蔵の部屋に向かう途中、七海があからさまに気乗りしない様子でぼやいた。彼女にしてはめずらしく沈鬱な顔をしている。遥もできることなら部屋に帰してやりたいのだが、そうできない事情がある。
「じいさんの命令だから仕方ないよ」
「わかってるけど」
二人の結婚を認めるにあたり、遥は剛三からふたつのことを命じられていた。そのうちのひとつが武蔵に報告することである。それも七海と二人で。これを機に和解しなさいということだろう。
殴り合いの喧嘩をして以来、武蔵とは顔を合わせたら挨拶するくらいで、まともに話をしていなかった。七海もそうだろう。二人は武蔵に対し、武蔵は二人に対し、それぞれ複雑な思いを抱えている。
だからといって、ひとつ屋根の下にいながらこのままというのも気詰まりだ。昔と同じというわけにはいかないだろうが、自然に会話できるくらいの関係になれたらとは思っている。
もっとも七海にはそこまで求めない。報告の場に同席さえしてくれれば剛三の命令を遂行したことになる。それで十分だ。身勝手に自分を捨てた相手なんかと無理に仲良くする必要はない。
「終わったらケーキでも食べようか」
「イチゴショートがいいな」
七海は気を取り直したようにニコッと笑った。
やはり彼女を元気づけるには食べ物に限る。もちろん憂いの元凶がなくなったわけではないが、このあとに甘いご褒美が待っていると思えば、多少なりとも気持ちが軽くなるだろう。
「久しぶりだな」
扉を叩くと、武蔵自らが待ち構えていたかのように出迎えてくれた。
この時間に訪問することは執事の櫻井を通して伝えてあった。楽しみにしているという返事は社交辞令だと思っていたが、本当に歓迎してくれているように見えて、遥はすこし当惑した。
武蔵に促されて、扉付近で控えている護衛係二人のまえを通り過ぎ、奥のほうに置かれた応接用ソファに座る。武蔵の向かいに遥と七海が並ぶかたちだ。隣の彼女からは緊張が伝わってきた。
ちょうどそのとき執事の櫻井がワゴンを押してやってきた。一礼して手際よく紅茶とケーキを並べると、すぐにワゴンを押して出て行く。ケーキは七海が食べたがっていたイチゴショートだ。
「七海、きのう誕生日だっただろう」
「あ、うん……ありがとう」
七海は曖昧な笑みを浮かべた。
その横顔を窺いつつ、遥は表情を動かすことなく内心でひそかに嘆息した。意図的ではないにしても、武蔵はどうしてこういつも遥の邪魔をするのだろう。過去の出来事まで思い出してしまい苦い気持ちになる。
だからといって大人げない態度をとるつもりはない。武蔵に勧められると、遥は素直にフォークを手にとりケーキを口に運ぶ。それを見て、七海もほっとしたように表情をゆるめて食べ始めた。
「俺に話があるって聞いたけど」
武蔵は紅茶を飲み、ケーキにフォークを入れながら緊張ぎみに切り出した。
わだかまりのある相手から話があるなどと言われれば、気がかりなのは当然である。一瞬、もったいつけてやろうかと意地の悪い考えが頭をもたげたが、むしろ早く義務を果たして出て行くほうがいいだろうと思い直した。
「七海と結婚することになった」
いっそ投げやりなくらい端的に報告する。
武蔵は中途半端にケーキを切りかけたまま手を止めて、ゆっくりと顔を上げた。驚いているというより、どこか信じきれないような疑わしげな面持ちである。
「おまえらいつのまにより戻したんだ?」
「きのうだよ。同時に婚約したってこと」
「…………」
形のいい眉がますます怪訝にひそめられた。手にしていたフォークを皿に置き、七海に目を向ける。
「七海はちゃんと納得してるのか? 流されてないか? 無理強いされてないか?」
心配そうに問い詰めるさまは、まるで保護者だ。
実際、一時期は保護者に近い立場だったこともあるので、いまでもその気持ちが抜けきっていないのかもしれない。そういえば、七海と恋人関係を解消したのもそれが理由だったはずだ。
それまで紅茶を飲みながら心配そうになりゆきを見守っていた七海は、なぜか闘志に火がついたような面持ちになった。ティーカップを置き、すっと背筋を伸ばして武蔵と向かい合う。
「僕が自分の意思で決めたことだよ」
「ヤケを起こしてんじゃないよな?」
「遥が好きなんだ」
一点の曇りもない瞳で見つめ返し、そう断言した。
「武蔵にふられたからってヤケになったわけじゃない。だいたいそんなのもうとっくの昔にふっきれてるし。まあ、ヤケとか妥協とか思われても仕方ない状況だけどさ……そうじゃないって証明もできないし……」
「信じるよ」
拗ねたような困ったような面持ちで口をとがらせていた七海は、その一言ではじかれたように顔を上げた。彼女の視線はうっすらと笑みを浮かべる武蔵を捉えている。
「おめでとう、七海」
「ありがとう」
ふわりと花がほころぶように破顔した。
この表情を見れば、無理強いでないことは疑う余地もないだろう。嘘や欺瞞でこんな笑顔ができる子ではない。武蔵もそれでようやく確信を得られたようで、そっと安堵の息をついた。
「これで俊輔の墓参りに行けそうだ」
「ん? 行けなかったの?」
七海がきょとんとして尋ねると、彼はきまり悪そうに肩をすくめて苦笑する。
「この国に戻ってきたときは行くつもりでいたんだけどな、あー……その、七海といろいろあったせいで後ろめたくて……顔向けができなかったっていうか、会いに行く勇気がなかったっていうか」
「行ってあげて。お父さんきっと喜ぶよ」
七海はくすりと笑って応じた。
そこには彼女の父親を介した二人だけの絆があった。彼のことを知らない遥には立ち入ることができない——気持ちを落ち着けるように、ゆったりと背もたれに身を預けて紅茶を飲んだ。
「ついでだから俺も二人に報告しておく」
暫しの沈黙のあと、武蔵がひどく真面目な声でそう切り出した。
報告するようなことが何かあっただろうか。仕事関係の話とは思えないので、彼自身の今後についてだろうか。遥は心当たりを探りながら静かにティーカップを置き、武蔵を見つめる。隣の七海もくりくりした目でじっと見つめている。二人の視線に促されて、彼はめずらしく緊張を露わにしつつ口を開いた。
「恋人ができた」
「……は?」
思わず間の抜けた声を上げてしまったが、致し方ないだろう。あんなに追い込まれた顔をして何を言い出すのかと思えば——そこまで考えて、ふとあることに気がついて眉をひそめる。
武蔵は自由に出歩くことが許されていないのだ。
墓参りくらいなら護衛付きで許されるだろうが、決められた人間以外との交流は禁じられている。そのような状況でどうやって恋人を作るというのだろう。いや、可能性があるとすれば。
「それって、誰?」
「メルローズだ」
やはり、と得心する。
武蔵が比較的自由に会える女性は二人だけである。七海でないのだからメルローズしかいないだろう。しかし、七海はそこまで考えが至っていなかったらしく、うそ、と微かな声でつぶやいたきり呆然としている。
「いつから付き合ってるわけ?」
「きのうからだな」
「じいさんには報告したの?」
「あー……まだ……」
きのうからなら、遥に伝わっていなかったのも理解できる。
それでも剛三ならすでに把握しているかもしれない。この家での出来事はほとんど彼に筒抜けなのだ。未成年であるメルローズの養父という立場上、賛成反対どちらにしても武蔵を呼び出すことになるだろう。
遥としては、このままメルローズと付き合ってくれたほうがありがたい。七海を信用していても、元恋人がひとつ屋根の下にいればやはり気になってしまう。しかし、彼に決まった相手がいるのなら幾分か安心できるはずだ。
「あれ、メルって武蔵の姪だったよね」
ふと七海が思い出したようにつぶやいた。
それはこの屋敷の人間なら誰もが知っている事実だ。答えを求めているわけではないだろうと思いつつ、そうだよと返事をすると、不安そうな顔をしてちらりと横目を向けてきた。
「叔父と姪ってダメじゃなかった?」
「日本の法律では結婚できないね」
七海が何を懸念しているかは察しがついていたので、補足しながら肯定した。あえてそうしたのは武蔵に聞かせるためでもある。
「そうなのか?」
案の定、彼は目をぱちくりさせて聞き返してきた。
おそらく武蔵の故郷では禁止されていないのだろう。日本も戦前までは近親婚を禁止する法律などなかった。こういう制度は国や時代によって異なるので、何も不思議なことではない。
「まあね。でも家族としか思えないとか言ってメルを捨てるかもしれないし、そのまえにメルに愛想を尽かされて捨てられるかもしれないし、結婚のことを考えるのはまだ早いんじゃない?」
「おまえなぁ」
武蔵は苦虫をかみつぶしたような顔をしているが、このくらいの嫌味を言わせてもらっても罰は当たらないだろう。別に本気で喧嘩をふっかけているわけではない。ただほんのすこし意趣返しをしたくなっただけである。
「安心して。書類上、メルローズとは他人ということになってるし、このままいけば問題なく結婚できると思うよ。まあ武蔵が日本国籍を取得してからの話だけど」
「ん……ああ……」
遥の肯定的な態度がよほど意外だったらしい。武蔵は戸惑いがちに真意を探るような視線をよこしたが、遥が素知らぬ顔をして紅茶を飲むと、あきらめたように苦笑して食べかけのケーキを口に運んだ。
「なあ、おまえら結婚式はするのか?」
フォークを置きながら、武蔵がふと思いついたように問いかけてきた。
そのあたりの話はまだ誰ともしていないが、橘財閥の次期後継者という立場上、結婚式と披露宴をしないという選択肢はない。遥個人としても、披露宴はあまり気が進まないものの、結婚式はきちんとしたいと思っている。
「もちろんするつもりだよ」
「じゃあ、俺も呼んでくれよ」
「…………」
きっと悪気は微塵もない。そのくらい見ればわかる。ただ好奇心から行きたいと思っただけではないだろうか。七海を祝いたいという気持ちもあるのかもしれない。だからといって容認できるかは別問題だ。
「あのさ、自分が新婦の元カレだってわかってる?」
「一応、おまえの父親でもあるんだけどな」
武蔵は口をとがらせて文句を言った。
その瞬間、遥は静かに息をのんで表情を変えずに凍りつく。聞き逃してくれていればいいけど——おそるおそる隣に視線を向けると、七海は動きを止めてはたりと目を瞬かせていた。
「父親って……え……?」
武蔵と遥を交互に見やりながら当惑の声を上げる。混乱しているのか、瞳を揺らしておろおろしたまま二の句が継げないようだ。武蔵はそんな彼女の様子から何となく悟ったらしく、胡乱な目を遥に向ける。
「おまえ、もしかしてまだ話してなかったのか?」
「このあときちんと話すつもりだったよ」
「いや、結婚を決めるまえに話しておくべきだろう」
「それは、そうなんだけど」
家族以外には話すなと剛三に厳命されていたため、結婚が決まってからでないと話せなかった。せめて決まったらすぐに話すべきだったと思うが、きっかけがつかめずここまできてしまった。
正直なところ、あまり言いたくないという気持ちはあった。それでもこのあときちんと話すつもりでいたのは本当である。それが、結婚を認めるにあたり剛三が命じたことのひとつなのだから。
「ねえ、遥の本当のお父さんって武蔵なの?」
「生物学的な意味ではね」
半信半疑な様子で問いかけてきた七海に、遥は肯定を返す。
「僕が研究の実験体として作られたって話はしたよね。武蔵は知らないうちにそれに利用されていたってわけ。いわゆる人工授精かな。利用されたっていう自覚さえなかったみたいだし、完全に被害者だよ」
内容が内容なだけに、当事者である武蔵をまえにして具体的な話をするのは憚られた。もちろん七海が求めるのであれば隠さずに答えるつもりでいる。しかし、彼女は実験のことより親子という事実にショックを受けたようだ。
「じゃあ、僕は遥のお父さんとも付き合ってたことになるんだ……うわぁ……知らなかったとはいえ最悪なことしてたんだな、ごめん……ほんといたたまれない……」
「別に気にしなくていいよ」
耳まで赤くして両手で顔を覆った彼女に、遥は苦笑する。
確かに武蔵とは七海をめぐっていろいろとあったが、親子だからどうこうということはない。少なくとも遥はそういう視点で考えていなかった。そもそも武蔵のことをあまり父親だと思っていないのだ。
しかし、七海の過剰なまでの動揺を見ていると、なんだかこちらまで気恥ずかしくなってくる。武蔵も同じような気持ちだったのかもしれない。ふと目が合うと、互いにうっすらときまり悪そうな笑みを浮かべた。
「あっ」
ふいに七海は何かに気付いたような声を出して、パッと顔を上げる。まだ紅潮していて熱はあまり引いていないようだが、さきほどまでとは違い、その表情には抑えきれない嬉しさがあふれていた。
「じゃあ、武蔵は僕にとっても父親じゃん!」
「……は?」
またしても間の抜けた声を上げてしまった。
理屈としてはわかる。遥の父親なら、妻の七海にとっては義父ということになる。しかし、そもそも武蔵は書類上も事実上も他人である。遥の父親というべき存在はほかにいるのだ。
「それはちょっと違うんじゃないかな……」
「僕が勝手に思うだけなら別にいいだろ?」
「俺は構わないぜ」
向かいから投げかけられた面白がるような声。振り向くと、武蔵がにんまりと口元を上げてなりゆきを見守っていた。恨めしく思いながらも、これしきのことを反対するのも狭量な気はする。
「まあ、二人がそう言うなら……」
渋々ながら了承すると、七海は満足そうにニッコリと満面の笑みを浮かべた。
彼女がなぜこんなことを言い出したのかは定かでないが、もしかしたら二人の関係を上書きしたかったのかもしれない。元恋人から親子に。そうやって彼女なりに決着を付けようとしたとも考えられる。
ただ、武蔵が遥の父親であることは秘密にしなければならないので、七海の義父だということも公言できない。そのあたりはきちんと釘を刺しておく必要がある。七海はもちろん武蔵にも。
結局、結婚式に呼ぶことになりそうだな——。
楽しそうに冗談めかしたやりとりを始めた二人を見ながら、遥はぬるい紅茶に口をつける。面倒なことが増えたはずなのに、確かに面倒だとは思っているのに、それでも無意識のうちに口元が上がっていた。
二人で武蔵の部屋に向かう途中、七海があからさまに気乗りしない様子でぼやいた。彼女にしてはめずらしく沈鬱な顔をしている。遥もできることなら部屋に帰してやりたいのだが、そうできない事情がある。
「じいさんの命令だから仕方ないよ」
「わかってるけど」
二人の結婚を認めるにあたり、遥は剛三からふたつのことを命じられていた。そのうちのひとつが武蔵に報告することである。それも七海と二人で。これを機に和解しなさいということだろう。
殴り合いの喧嘩をして以来、武蔵とは顔を合わせたら挨拶するくらいで、まともに話をしていなかった。七海もそうだろう。二人は武蔵に対し、武蔵は二人に対し、それぞれ複雑な思いを抱えている。
だからといって、ひとつ屋根の下にいながらこのままというのも気詰まりだ。昔と同じというわけにはいかないだろうが、自然に会話できるくらいの関係になれたらとは思っている。
もっとも七海にはそこまで求めない。報告の場に同席さえしてくれれば剛三の命令を遂行したことになる。それで十分だ。身勝手に自分を捨てた相手なんかと無理に仲良くする必要はない。
「終わったらケーキでも食べようか」
「イチゴショートがいいな」
七海は気を取り直したようにニコッと笑った。
やはり彼女を元気づけるには食べ物に限る。もちろん憂いの元凶がなくなったわけではないが、このあとに甘いご褒美が待っていると思えば、多少なりとも気持ちが軽くなるだろう。
「久しぶりだな」
扉を叩くと、武蔵自らが待ち構えていたかのように出迎えてくれた。
この時間に訪問することは執事の櫻井を通して伝えてあった。楽しみにしているという返事は社交辞令だと思っていたが、本当に歓迎してくれているように見えて、遥はすこし当惑した。
武蔵に促されて、扉付近で控えている護衛係二人のまえを通り過ぎ、奥のほうに置かれた応接用ソファに座る。武蔵の向かいに遥と七海が並ぶかたちだ。隣の彼女からは緊張が伝わってきた。
ちょうどそのとき執事の櫻井がワゴンを押してやってきた。一礼して手際よく紅茶とケーキを並べると、すぐにワゴンを押して出て行く。ケーキは七海が食べたがっていたイチゴショートだ。
「七海、きのう誕生日だっただろう」
「あ、うん……ありがとう」
七海は曖昧な笑みを浮かべた。
その横顔を窺いつつ、遥は表情を動かすことなく内心でひそかに嘆息した。意図的ではないにしても、武蔵はどうしてこういつも遥の邪魔をするのだろう。過去の出来事まで思い出してしまい苦い気持ちになる。
だからといって大人げない態度をとるつもりはない。武蔵に勧められると、遥は素直にフォークを手にとりケーキを口に運ぶ。それを見て、七海もほっとしたように表情をゆるめて食べ始めた。
「俺に話があるって聞いたけど」
武蔵は紅茶を飲み、ケーキにフォークを入れながら緊張ぎみに切り出した。
わだかまりのある相手から話があるなどと言われれば、気がかりなのは当然である。一瞬、もったいつけてやろうかと意地の悪い考えが頭をもたげたが、むしろ早く義務を果たして出て行くほうがいいだろうと思い直した。
「七海と結婚することになった」
いっそ投げやりなくらい端的に報告する。
武蔵は中途半端にケーキを切りかけたまま手を止めて、ゆっくりと顔を上げた。驚いているというより、どこか信じきれないような疑わしげな面持ちである。
「おまえらいつのまにより戻したんだ?」
「きのうだよ。同時に婚約したってこと」
「…………」
形のいい眉がますます怪訝にひそめられた。手にしていたフォークを皿に置き、七海に目を向ける。
「七海はちゃんと納得してるのか? 流されてないか? 無理強いされてないか?」
心配そうに問い詰めるさまは、まるで保護者だ。
実際、一時期は保護者に近い立場だったこともあるので、いまでもその気持ちが抜けきっていないのかもしれない。そういえば、七海と恋人関係を解消したのもそれが理由だったはずだ。
それまで紅茶を飲みながら心配そうになりゆきを見守っていた七海は、なぜか闘志に火がついたような面持ちになった。ティーカップを置き、すっと背筋を伸ばして武蔵と向かい合う。
「僕が自分の意思で決めたことだよ」
「ヤケを起こしてんじゃないよな?」
「遥が好きなんだ」
一点の曇りもない瞳で見つめ返し、そう断言した。
「武蔵にふられたからってヤケになったわけじゃない。だいたいそんなのもうとっくの昔にふっきれてるし。まあ、ヤケとか妥協とか思われても仕方ない状況だけどさ……そうじゃないって証明もできないし……」
「信じるよ」
拗ねたような困ったような面持ちで口をとがらせていた七海は、その一言ではじかれたように顔を上げた。彼女の視線はうっすらと笑みを浮かべる武蔵を捉えている。
「おめでとう、七海」
「ありがとう」
ふわりと花がほころぶように破顔した。
この表情を見れば、無理強いでないことは疑う余地もないだろう。嘘や欺瞞でこんな笑顔ができる子ではない。武蔵もそれでようやく確信を得られたようで、そっと安堵の息をついた。
「これで俊輔の墓参りに行けそうだ」
「ん? 行けなかったの?」
七海がきょとんとして尋ねると、彼はきまり悪そうに肩をすくめて苦笑する。
「この国に戻ってきたときは行くつもりでいたんだけどな、あー……その、七海といろいろあったせいで後ろめたくて……顔向けができなかったっていうか、会いに行く勇気がなかったっていうか」
「行ってあげて。お父さんきっと喜ぶよ」
七海はくすりと笑って応じた。
そこには彼女の父親を介した二人だけの絆があった。彼のことを知らない遥には立ち入ることができない——気持ちを落ち着けるように、ゆったりと背もたれに身を預けて紅茶を飲んだ。
「ついでだから俺も二人に報告しておく」
暫しの沈黙のあと、武蔵がひどく真面目な声でそう切り出した。
報告するようなことが何かあっただろうか。仕事関係の話とは思えないので、彼自身の今後についてだろうか。遥は心当たりを探りながら静かにティーカップを置き、武蔵を見つめる。隣の七海もくりくりした目でじっと見つめている。二人の視線に促されて、彼はめずらしく緊張を露わにしつつ口を開いた。
「恋人ができた」
「……は?」
思わず間の抜けた声を上げてしまったが、致し方ないだろう。あんなに追い込まれた顔をして何を言い出すのかと思えば——そこまで考えて、ふとあることに気がついて眉をひそめる。
武蔵は自由に出歩くことが許されていないのだ。
墓参りくらいなら護衛付きで許されるだろうが、決められた人間以外との交流は禁じられている。そのような状況でどうやって恋人を作るというのだろう。いや、可能性があるとすれば。
「それって、誰?」
「メルローズだ」
やはり、と得心する。
武蔵が比較的自由に会える女性は二人だけである。七海でないのだからメルローズしかいないだろう。しかし、七海はそこまで考えが至っていなかったらしく、うそ、と微かな声でつぶやいたきり呆然としている。
「いつから付き合ってるわけ?」
「きのうからだな」
「じいさんには報告したの?」
「あー……まだ……」
きのうからなら、遥に伝わっていなかったのも理解できる。
それでも剛三ならすでに把握しているかもしれない。この家での出来事はほとんど彼に筒抜けなのだ。未成年であるメルローズの養父という立場上、賛成反対どちらにしても武蔵を呼び出すことになるだろう。
遥としては、このままメルローズと付き合ってくれたほうがありがたい。七海を信用していても、元恋人がひとつ屋根の下にいればやはり気になってしまう。しかし、彼に決まった相手がいるのなら幾分か安心できるはずだ。
「あれ、メルって武蔵の姪だったよね」
ふと七海が思い出したようにつぶやいた。
それはこの屋敷の人間なら誰もが知っている事実だ。答えを求めているわけではないだろうと思いつつ、そうだよと返事をすると、不安そうな顔をしてちらりと横目を向けてきた。
「叔父と姪ってダメじゃなかった?」
「日本の法律では結婚できないね」
七海が何を懸念しているかは察しがついていたので、補足しながら肯定した。あえてそうしたのは武蔵に聞かせるためでもある。
「そうなのか?」
案の定、彼は目をぱちくりさせて聞き返してきた。
おそらく武蔵の故郷では禁止されていないのだろう。日本も戦前までは近親婚を禁止する法律などなかった。こういう制度は国や時代によって異なるので、何も不思議なことではない。
「まあね。でも家族としか思えないとか言ってメルを捨てるかもしれないし、そのまえにメルに愛想を尽かされて捨てられるかもしれないし、結婚のことを考えるのはまだ早いんじゃない?」
「おまえなぁ」
武蔵は苦虫をかみつぶしたような顔をしているが、このくらいの嫌味を言わせてもらっても罰は当たらないだろう。別に本気で喧嘩をふっかけているわけではない。ただほんのすこし意趣返しをしたくなっただけである。
「安心して。書類上、メルローズとは他人ということになってるし、このままいけば問題なく結婚できると思うよ。まあ武蔵が日本国籍を取得してからの話だけど」
「ん……ああ……」
遥の肯定的な態度がよほど意外だったらしい。武蔵は戸惑いがちに真意を探るような視線をよこしたが、遥が素知らぬ顔をして紅茶を飲むと、あきらめたように苦笑して食べかけのケーキを口に運んだ。
「なあ、おまえら結婚式はするのか?」
フォークを置きながら、武蔵がふと思いついたように問いかけてきた。
そのあたりの話はまだ誰ともしていないが、橘財閥の次期後継者という立場上、結婚式と披露宴をしないという選択肢はない。遥個人としても、披露宴はあまり気が進まないものの、結婚式はきちんとしたいと思っている。
「もちろんするつもりだよ」
「じゃあ、俺も呼んでくれよ」
「…………」
きっと悪気は微塵もない。そのくらい見ればわかる。ただ好奇心から行きたいと思っただけではないだろうか。七海を祝いたいという気持ちもあるのかもしれない。だからといって容認できるかは別問題だ。
「あのさ、自分が新婦の元カレだってわかってる?」
「一応、おまえの父親でもあるんだけどな」
武蔵は口をとがらせて文句を言った。
その瞬間、遥は静かに息をのんで表情を変えずに凍りつく。聞き逃してくれていればいいけど——おそるおそる隣に視線を向けると、七海は動きを止めてはたりと目を瞬かせていた。
「父親って……え……?」
武蔵と遥を交互に見やりながら当惑の声を上げる。混乱しているのか、瞳を揺らしておろおろしたまま二の句が継げないようだ。武蔵はそんな彼女の様子から何となく悟ったらしく、胡乱な目を遥に向ける。
「おまえ、もしかしてまだ話してなかったのか?」
「このあときちんと話すつもりだったよ」
「いや、結婚を決めるまえに話しておくべきだろう」
「それは、そうなんだけど」
家族以外には話すなと剛三に厳命されていたため、結婚が決まってからでないと話せなかった。せめて決まったらすぐに話すべきだったと思うが、きっかけがつかめずここまできてしまった。
正直なところ、あまり言いたくないという気持ちはあった。それでもこのあときちんと話すつもりでいたのは本当である。それが、結婚を認めるにあたり剛三が命じたことのひとつなのだから。
「ねえ、遥の本当のお父さんって武蔵なの?」
「生物学的な意味ではね」
半信半疑な様子で問いかけてきた七海に、遥は肯定を返す。
「僕が研究の実験体として作られたって話はしたよね。武蔵は知らないうちにそれに利用されていたってわけ。いわゆる人工授精かな。利用されたっていう自覚さえなかったみたいだし、完全に被害者だよ」
内容が内容なだけに、当事者である武蔵をまえにして具体的な話をするのは憚られた。もちろん七海が求めるのであれば隠さずに答えるつもりでいる。しかし、彼女は実験のことより親子という事実にショックを受けたようだ。
「じゃあ、僕は遥のお父さんとも付き合ってたことになるんだ……うわぁ……知らなかったとはいえ最悪なことしてたんだな、ごめん……ほんといたたまれない……」
「別に気にしなくていいよ」
耳まで赤くして両手で顔を覆った彼女に、遥は苦笑する。
確かに武蔵とは七海をめぐっていろいろとあったが、親子だからどうこうということはない。少なくとも遥はそういう視点で考えていなかった。そもそも武蔵のことをあまり父親だと思っていないのだ。
しかし、七海の過剰なまでの動揺を見ていると、なんだかこちらまで気恥ずかしくなってくる。武蔵も同じような気持ちだったのかもしれない。ふと目が合うと、互いにうっすらときまり悪そうな笑みを浮かべた。
「あっ」
ふいに七海は何かに気付いたような声を出して、パッと顔を上げる。まだ紅潮していて熱はあまり引いていないようだが、さきほどまでとは違い、その表情には抑えきれない嬉しさがあふれていた。
「じゃあ、武蔵は僕にとっても父親じゃん!」
「……は?」
またしても間の抜けた声を上げてしまった。
理屈としてはわかる。遥の父親なら、妻の七海にとっては義父ということになる。しかし、そもそも武蔵は書類上も事実上も他人である。遥の父親というべき存在はほかにいるのだ。
「それはちょっと違うんじゃないかな……」
「僕が勝手に思うだけなら別にいいだろ?」
「俺は構わないぜ」
向かいから投げかけられた面白がるような声。振り向くと、武蔵がにんまりと口元を上げてなりゆきを見守っていた。恨めしく思いながらも、これしきのことを反対するのも狭量な気はする。
「まあ、二人がそう言うなら……」
渋々ながら了承すると、七海は満足そうにニッコリと満面の笑みを浮かべた。
彼女がなぜこんなことを言い出したのかは定かでないが、もしかしたら二人の関係を上書きしたかったのかもしれない。元恋人から親子に。そうやって彼女なりに決着を付けようとしたとも考えられる。
ただ、武蔵が遥の父親であることは秘密にしなければならないので、七海の義父だということも公言できない。そのあたりはきちんと釘を刺しておく必要がある。七海はもちろん武蔵にも。
結局、結婚式に呼ぶことになりそうだな——。
楽しそうに冗談めかしたやりとりを始めた二人を見ながら、遥はぬるい紅茶に口をつける。面倒なことが増えたはずなのに、確かに面倒だとは思っているのに、それでも無意識のうちに口元が上がっていた。
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〈あらすじ〉
加藤優紀は、現在、25歳の書店員。
東京の中心部ながら、昭和味たっぷりの裏町に位置する「高木書店」という名の本屋を、祖母とふたりで切り盛りしている。
彼女が高木書店で働きはじめたのは、3年ほど前から。
短大卒業後、不動産会社で営業事務をしていたが、同期の、親会社の重役令嬢からいじめに近い嫌がらせを受け、逃げるように会社を辞めた過去があった。
そのことは優紀の心に小さいながらも深い傷をつけた。
人付き合いを恐れるようになった優紀は、それ以来、つぶれかけの本屋で人の目につかない質素な生活に安んじていた。
一方、高木書店の目と鼻の先に、優紀の兄の幼なじみで、大企業の社長令息にしてカリスマ美容師の香坂玲伊が〈リインカネーション〉という総合ビューティーサロンを経営していた。
玲伊は優紀より4歳年上の29歳。
優紀も、兄とともに玲伊と一緒に遊んだ幼なじみであった。
店が近いこともあり、玲伊はしょっちゅう、優紀の本屋に顔を出していた。
子供のころから、かっこよくて優しかった玲伊は、優紀の初恋の人。
その気持ちは今もまったく変わっていなかったが、しがない書店員の自分が、カリスマ美容師にして御曹司の彼に釣り合うはずがないと、その恋心に蓋をしていた。
そんなある日、優紀は玲伊に「自分の店に来て」言われる。
優紀が〈リインカネーション〉を訪れると、人気のファッション誌『KALEN』の編集者が待っていた。
そして「シンデレラ・プロジェクト」のモデルをしてほしいと依頼される。
「シンデレラ・プロジェクト」とは、玲伊の店の1周年記念の企画で、〈リインカネーション〉のすべての施設を使い、2~3カ月でモデルの女性を美しく変身させ、それを雑誌の連載記事として掲載するというもの。
優紀は固辞したが、玲伊の熱心な誘いに負け、最終的に引き受けることとなる。
はじめての経験に戸惑いながらも、超一流の施術に心が満たされていく優紀。
そして、玲伊への恋心はいっそう募ってゆく。
玲伊はとても優しいが、それは親友の妹だから。
そんな切ない気持ちを抱えていた。
プロジェクトがはじまり、ひと月が過ぎた。
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突然、編集部に上層部から横やりが入り、優紀は「シンデレラ・プロジェクト」のモデルを下ろされることになった。
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