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しおりを挟む同時に、焦ったのだと思います
切れた電話を握りしめ、個室に戻るなり
「誰ですかっ?私に確認したいって言ったの誰だったんですかっ?」
驚いたであろうチーフマネジャーは、飲んでいたビールをこぼしそうになりながら
「何だっ?どうした?」
「私に確認したい人なんていませんでした!本当はチーフマネジャーなんですかっ…」
その時ビールを持ってスマホを手にしていなかったチーフマネジャーは状況から見ても潔白です
それでも、焦りや、不安で、ヒステリックになっていた事でしょう
「1回落ちつけっ!」
「チーフマネジャーも…知ってるんですか…?」
「何をだ?」
「………」
当然の言えない返事に落ちつかされ
「何があったかは知らないが…その理由はここで聞く…今日はそのつもりでここにいる…昨日そう言ったろ…」
その通りです
昨日チーフマネジャーに迷惑をかけ、要らない誤解も与えてしまった事を訂正出来ればいいと思ってそこにいたのですから
「とりあえず座れ、今日はまだ時間もある…」
「すみま「怒ってるように見えるか?」
「いえ…」
そんな状況でも、ゆっくり座る私を見るチーフマネジャーの視線で、列んだリボンの結び目を潤い滑らせていた自分が、情け無く、はしたなく思えたのです
「さっきのオレの電話の相手は、営業のヤツだ。
それで、向こうにいた誰かが、ソイツにオレと話してるなら、ついでにオマエの電話の事言っといてくれって事だったと思うが…オレも誰か確認しなかったのも原因だ…悪かった」
「いえ…」
「………お互いスマホの電源切るぞ」
「え?チーフマネジャーは必要じゃないですか?」
「たった今、スマホが不調になった。………からな?」
「明日誰かに聞かれたら、そう言います」
「オマエのスマホも壊れろ、じゃないと、オマエにオレ宛の連絡が来る」
「チーフマネジャーに失礼だと思って、スマホの電源は切っておきました…って本当のことを言ってください」
「メシ食いに行って、同時にスマホの調子が悪くなったら怪しむヤツもいる…か」
「それはないでしょうけど、チーフマネジャーのファンの子達は、羨ましいかもしれませんね。私だから嫉妬まではないでしょうけど」
「そんなヤツ知らないぞ。むしろ、オレの方が、また野郎達に怒られる」
「怒る理由はないじゃないですか」
「昨日こっ酷く言われたぞ…オマエが辞めたら、クーデターが起こる
今日の食事だって、オマエが辞めちまうような事は回避しろって許されたようなモンだ」
チーフマネジャーとの会話と、何にも気付いていない態度に落ちつかされ、和やかに進んだ食事で不安も薄れ、チーフマネジャーとの距離も以前より縮んだように思えました
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