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11を書くことになる駅前
しおりを挟む二週間ほど、自宅に帰らず音信不通になっていたことがありました。一人暮らしでしたので、いいかなと……全然よくはなかったです。そのうちの四日、十日ぐらいの割合で、友達の部屋に転がり込みました。十日いたのが高円寺です。それで気に入って、少しあとに引っ越しました。
この詩は確か、十日お邪魔した友達の部屋に初めて行った夜のことを書いたと思います。私は高円寺の駅前でずっと友達を待っていました。何か彼女は飲み会だとかで遅くて、雨がちな天気で、しまいに終電も終わってしまって、駅の照明も消えて、人もほとんどいなくなって、まあ、心細かったです。『Like A Rolling Stone』(Bob Dylan)の気持ちがよく分かりました。とにかく、どこかで眠りたいとそればかりでした。
ただ、駅前にスティール・ギターとマウス・ハープのストリート・ミュージシャンがいたのです。自分の境遇のせいか、もの悲しい響きでした。
それが私の高円寺の第一印象です。
しばらくして高円寺に引っ越しました。『大陸』のワンタンメンと餃子がごちそうで、『ナジャ』でコーヒーを飲みながら書きものをして、八百屋さんの二階にあった『アキオ・オブ・ニューヨーク』でセシルカットにしてもらって……そこが生活の場になりました。とても住みやすい町でしたが、結局一年ぐらいで世田谷代田に引っ越しました。飽きっぽかったようですね。
この詩はあの最初の夜中のイメージで書きました。とにかく眠りたいという気持ちが、Libidoというバンドの『低く飛んでいく』という曲と合っていました。なので、この詩にはスティール・ギターとマウス・ハープと『低く飛んでいく』が絡み合っているのです。
この詩は代田に引っ越した後に、『世田谷文学賞』という賞に応募して、佳作をいただきました。ありがとうございます。夜のしじまの詩なのによく選んで下さいました。
受賞者座談会にお誘いいただいたのに伺えず失礼しました。
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