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卵焼き
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今日は日曜日。
リイドさんもお仕事がお休みの日。
冬晴れの天気の良い日。
午後、駅前の大きな公園でリイドさんと待ち合わせた。
芝生広場のベンチに座ると「今日、温かくて良かったね。」とリイドさんが優しく話しかけてくれる。
「そうだね冬だから外でご飯食べるの寒いかなぁって心配してホッカイロ持って行こうと思って家中を探し回ったんだけど無くて買おうと思ったんだけどお弁当作りに時間かかっちゃったから買いに行く時間なさそうでどうしよーって思ってたんだけど日差しもあるし大丈夫そう!」
そう、僕は早口モードが発動してしまっていた。
なぜなら、リイドさんと2人っきりでお出かけしているのがデートみたいでドキドキしているから。
というのもそうだけど、これから手作りのお弁当をお披露目する事が最大級のド緊張を呼び起こしていた。
お弁当を作るなんて約束しなきゃ良かったという後悔と、食べて欲しいという期待とが混在して、胸のドキドキが止まらない。
「リイドさん、お腹すいてる?」
「うん。ルア君のお弁当を楽しみにしてたから朝ごはん食べてないよ。」
「うあーハードルあげないでぇ…」
僕は泣き出しそうな気持ちになりながらお弁当箱を取り出した。
蓋を開ける手が震えてしまう。
するとリイドさんは何も言わずに蓋を開けるのを手伝ってくれた。
こういうさり気ない優しさにキュンとしてしまう。
1段目のお弁当の真ん中には、少し甘めの卵焼き。卵焼きには自信があるからセンターに配置。リイドさんの顔を思い浮かべながら巻いた。
周りには、唐揚げ。冷めてもおいしくなるように、下味をいつもより長めにした。
ほうれん草のおひたしは彩り担当。地味だけど、こういうのもちゃんと食べてほしくて。
体のことを考えるなんて、ちょっと余計なお世話かもしれないけど。
2段目のお弁当には、鶏そぼろご飯。甘くしすぎないように注意して作った。
ご飯の上にそぼろをのせるとき白と茶色のコントラストがきれいで、それだけで少し胸が弾んだ。
「これ、好きかな」
そんな問いを心の中で何度も繰り返しながら作った。
「…すごい…」
リイドさんは、僕のお弁当を見て感嘆の声をあげてくれた。
そして、待ちきれないといった様子で箸を手に取ると、迷わず卵焼きを頬張った。
「美味しい…めちゃくちゃ美味しいよ。」
「ほんと?良かったぁ…」
リイドさんの言葉を聞いて僕はものすごくホッとした。
緊張でリイドさんの顔を見られなかったけど、表情を見たくて目を向けた。
「え!リイドさん!?」
リイドさんは、またしても目に涙を浮かべていた。
「あ…ごめん。美味しさに感動しちゃって。俺、泣きすぎだよね。」
「謝らないで。まさか泣いてくれるなんて…作った甲斐があったよ。」
正直めちゃくちゃ嬉しかった。
泣くほど美味しいと思ってくれた事も、また泣き顔を見られた事も。
「今、情緒不安定だなぁって思ったでしょ。」
「思ってないよぉ。」
神谷さんはそう言ってたけど、僕は優しい人なんだなぁとしか思わなかった。
いっぱい泣く人は優しい人だから。
「唐揚げも食べていい?」
「うん、もちろん!野菜も食べてね?」
あ、なんかこの時間すごく好きかも。
リイドさんもお仕事がお休みの日。
冬晴れの天気の良い日。
午後、駅前の大きな公園でリイドさんと待ち合わせた。
芝生広場のベンチに座ると「今日、温かくて良かったね。」とリイドさんが優しく話しかけてくれる。
「そうだね冬だから外でご飯食べるの寒いかなぁって心配してホッカイロ持って行こうと思って家中を探し回ったんだけど無くて買おうと思ったんだけどお弁当作りに時間かかっちゃったから買いに行く時間なさそうでどうしよーって思ってたんだけど日差しもあるし大丈夫そう!」
そう、僕は早口モードが発動してしまっていた。
なぜなら、リイドさんと2人っきりでお出かけしているのがデートみたいでドキドキしているから。
というのもそうだけど、これから手作りのお弁当をお披露目する事が最大級のド緊張を呼び起こしていた。
お弁当を作るなんて約束しなきゃ良かったという後悔と、食べて欲しいという期待とが混在して、胸のドキドキが止まらない。
「リイドさん、お腹すいてる?」
「うん。ルア君のお弁当を楽しみにしてたから朝ごはん食べてないよ。」
「うあーハードルあげないでぇ…」
僕は泣き出しそうな気持ちになりながらお弁当箱を取り出した。
蓋を開ける手が震えてしまう。
するとリイドさんは何も言わずに蓋を開けるのを手伝ってくれた。
こういうさり気ない優しさにキュンとしてしまう。
1段目のお弁当の真ん中には、少し甘めの卵焼き。卵焼きには自信があるからセンターに配置。リイドさんの顔を思い浮かべながら巻いた。
周りには、唐揚げ。冷めてもおいしくなるように、下味をいつもより長めにした。
ほうれん草のおひたしは彩り担当。地味だけど、こういうのもちゃんと食べてほしくて。
体のことを考えるなんて、ちょっと余計なお世話かもしれないけど。
2段目のお弁当には、鶏そぼろご飯。甘くしすぎないように注意して作った。
ご飯の上にそぼろをのせるとき白と茶色のコントラストがきれいで、それだけで少し胸が弾んだ。
「これ、好きかな」
そんな問いを心の中で何度も繰り返しながら作った。
「…すごい…」
リイドさんは、僕のお弁当を見て感嘆の声をあげてくれた。
そして、待ちきれないといった様子で箸を手に取ると、迷わず卵焼きを頬張った。
「美味しい…めちゃくちゃ美味しいよ。」
「ほんと?良かったぁ…」
リイドさんの言葉を聞いて僕はものすごくホッとした。
緊張でリイドさんの顔を見られなかったけど、表情を見たくて目を向けた。
「え!リイドさん!?」
リイドさんは、またしても目に涙を浮かべていた。
「あ…ごめん。美味しさに感動しちゃって。俺、泣きすぎだよね。」
「謝らないで。まさか泣いてくれるなんて…作った甲斐があったよ。」
正直めちゃくちゃ嬉しかった。
泣くほど美味しいと思ってくれた事も、また泣き顔を見られた事も。
「今、情緒不安定だなぁって思ったでしょ。」
「思ってないよぉ。」
神谷さんはそう言ってたけど、僕は優しい人なんだなぁとしか思わなかった。
いっぱい泣く人は優しい人だから。
「唐揚げも食べていい?」
「うん、もちろん!野菜も食べてね?」
あ、なんかこの時間すごく好きかも。
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