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第一章
姉弟みたいな関係
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「ねぇ、奏さ、響くんといい感じじゃん」
ある日の移動教室の途中、友達の千夏がそんなことを言ってきた。
目をキラキラさせて、私の反応を伺う千夏。
周りから見れば、そうなんだろう。
だけど…
「響には、他の学校に年下の彼女が居るから」
「…えっ?そうなの?何それっ」
そう。
響には高校生になってから付き合い始めた彼女がいる。
中学が一緒で、響の一つ年下の可愛い彼女だ。
「えー、絶対響くんは奏のこと好きだと思ってたんだけどなぁ」
「あはは、ないない。姉弟みたいな感じだもん」
そうやって強がることでしか自分自身を保てないなんて、情けない…。
あれは、いつだったっけな。
響に「奏ちゃん、なんか俺の姉ちゃんみたい」って言われた。
それが想像以上にショックだったのを私は未だに覚えている。
「奏ちゃん」
その声にバッと振り返ると、いつの間にか後ろに響が立っていた。
「響っ…」
もしかして聞かれた?
今の千夏との会話聞かれた?
「千夏先輩ー、奏ちゃんさ、俺の姉ちゃんに雰囲気似てんの!だからついつい甘えちゃうんだよねー」
そう言って笑う響。
やっぱり聞かれてたか…
心の奥がチクチクする…
〝姉ちゃん〟って言わないで…
響がいつもそんなこと言うから、だから私、自分の気持ち抑えるようになったんじゃん。
辛いよ。
違う…
言い訳だって分かってる。
だけどそれでも、踏み込むのが怖い。
気持ちを伝えて今の関係が壊れることが怖い。
思わず私は目を伏せた。
すると…
「あ…」
響が何かに気付いて、私の肩に触れる…
「な、何…?」
心臓がドクンと波打つ…
不意打ちはマズイって…反則でしょ。
「もみじ…」
渡り廊下の角にあるもみじの木。
風に吹かれて私の肩に乗ったもみじを、響が取るとクルクルともみじを回しながら、響が呟いた。
「奏ちゃん、今度の試合観に来てよ」
いつもの明るい響じゃない。
低い声で、ゆっくり話す響にドキドキしながら、「うん…」って頷いた…。
廊下の突き当たりで、反対方向へ向かう響と手を振ると、千夏がニヤニヤと私を見る。
「…何、その顔…」
「やっぱりどう見てもいい感じじゃーん」
「だから、そんなんじゃないって」
そう言いながらも、ドキドキは止まらなかった。
落ち着け、私。
試合観に来てって言われただけじゃん。
元マネージャーに言っただけで、それほど珍しくもないんだから。
期待するな…
期待するな、私。
こんな風に、響の一つ一つの言動にドキドキしてるのは、私だけであって…
響は至って平然としている。
「あれだけ奏に構ってくるんだから、なんとも思ってないわけないもん」
「あいつはいつもあんな感じなの。腐れ縁ですから」
あぁ…、虚しい。
だけどそれでも、響へのドキドキだけで毎日が楽しいと思えてしまうんだから、恋って不思議だ。
ある日の移動教室の途中、友達の千夏がそんなことを言ってきた。
目をキラキラさせて、私の反応を伺う千夏。
周りから見れば、そうなんだろう。
だけど…
「響には、他の学校に年下の彼女が居るから」
「…えっ?そうなの?何それっ」
そう。
響には高校生になってから付き合い始めた彼女がいる。
中学が一緒で、響の一つ年下の可愛い彼女だ。
「えー、絶対響くんは奏のこと好きだと思ってたんだけどなぁ」
「あはは、ないない。姉弟みたいな感じだもん」
そうやって強がることでしか自分自身を保てないなんて、情けない…。
あれは、いつだったっけな。
響に「奏ちゃん、なんか俺の姉ちゃんみたい」って言われた。
それが想像以上にショックだったのを私は未だに覚えている。
「奏ちゃん」
その声にバッと振り返ると、いつの間にか後ろに響が立っていた。
「響っ…」
もしかして聞かれた?
今の千夏との会話聞かれた?
「千夏先輩ー、奏ちゃんさ、俺の姉ちゃんに雰囲気似てんの!だからついつい甘えちゃうんだよねー」
そう言って笑う響。
やっぱり聞かれてたか…
心の奥がチクチクする…
〝姉ちゃん〟って言わないで…
響がいつもそんなこと言うから、だから私、自分の気持ち抑えるようになったんじゃん。
辛いよ。
違う…
言い訳だって分かってる。
だけどそれでも、踏み込むのが怖い。
気持ちを伝えて今の関係が壊れることが怖い。
思わず私は目を伏せた。
すると…
「あ…」
響が何かに気付いて、私の肩に触れる…
「な、何…?」
心臓がドクンと波打つ…
不意打ちはマズイって…反則でしょ。
「もみじ…」
渡り廊下の角にあるもみじの木。
風に吹かれて私の肩に乗ったもみじを、響が取るとクルクルともみじを回しながら、響が呟いた。
「奏ちゃん、今度の試合観に来てよ」
いつもの明るい響じゃない。
低い声で、ゆっくり話す響にドキドキしながら、「うん…」って頷いた…。
廊下の突き当たりで、反対方向へ向かう響と手を振ると、千夏がニヤニヤと私を見る。
「…何、その顔…」
「やっぱりどう見てもいい感じじゃーん」
「だから、そんなんじゃないって」
そう言いながらも、ドキドキは止まらなかった。
落ち着け、私。
試合観に来てって言われただけじゃん。
元マネージャーに言っただけで、それほど珍しくもないんだから。
期待するな…
期待するな、私。
こんな風に、響の一つ一つの言動にドキドキしてるのは、私だけであって…
響は至って平然としている。
「あれだけ奏に構ってくるんだから、なんとも思ってないわけないもん」
「あいつはいつもあんな感じなの。腐れ縁ですから」
あぁ…、虚しい。
だけどそれでも、響へのドキドキだけで毎日が楽しいと思えてしまうんだから、恋って不思議だ。
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