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一章 歪んだ生活
第六話 不穏な占い
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暫く話しながら階段を登り続けていた二人は気が付けば図書館の最上階に辿り着いてた。日が差し込む硝子の屋根…辺りには多くの植物が広がり中央には真っ白なテラス…ハロス自身が来たことはなかったけれどラルカから聞いていた風景そのものだった
「本当に今更ですけど…なんで図書館の最上階に植物園があるんですか…」
「綺麗でしょ?」
「確かに綺麗だけどそういう事じゃなくて…本との共通点なんて…植物繋がりですか?それに…あんまり花とかは多く無いですよね」
どれも葉っぱ…季節の問題か?
「ここに植えられてるのは殆どが薬草なんだよね」
「薬草…え…なんで?普通花とかじゃ…」
「研究目的もあるけど…一応私が狩りしてるからね」
あぁ…治療薬とか痺れ薬用のってことか
「今見えてるのって全部薬草なんですか?」
「全部じゃないけど…そうだね、アレは麻痺毒になるやつ。花粉でも目眩が起こるから気をつけてね?それからあの小さいやつとあっちの黄色いやつを調合すれば治療薬になるかな」
辺りを見回しながら一つずつ植物を指差していく
「良く覚えてますね…もしかしてこれってエトアルさんが全部育ててるんですか?」
「そうだよ。薬を使うのも殆ど私だしね、折角なら自分で育ててみようかなって…まぁ調合はリーくんがやってるんだけどね。この植物園は私のプライベートルームみたいなモノなんだよ」
エトアルさんのプライベートルーム…
「町の人間が誰でも自由に出入りできるプライベートルーム…ですかw」
「そうは言ってもわざわざあの螺旋階段を登ってまで最上階のこの植物園に来るのは占いしたい子達だけだからね、薬草泥棒みたいなのも居ないし一日に訪ねてくる人も多くないから」
「まぁ…この図書館広いですからね。一日で図書館を全部見て回れると思いません…そんなことしたら過労死しますよ」
「確かに広いけど…毎日全部掃除してるんだよ?」
ハロスの言葉に微笑み返しながらリーベリアは数冊の本と飲み物を持って螺旋階段を登ってきた
「心当たりの本は見つかったの?」
「取り敢えず把握出来てる限りは取ってきたよ。俺も全部覚えてるわけじゃないからあとは地道に探さないとかな」
「ありがとうございます。凄い量ですね…」
7…いや8冊か…目を通すだけで1日かかるな
「おかしな本ばっかでもこういう時に案外役に立つよね」
「っていうかこの規模の図書館を毎日掃除ってどうやってるんですか…?それに図書館だから…本とかも確認しないとですよね」
「うん。よく知ってるね、ページが破れてたり外れてたりすることもあるからね…それに本が無くなってないか…とかも確認しないとね」
「え…前に無くなったことがあったんですか?」
この図書館では二人に声を掛ければ基本的には全ての本が貸し出しは自由にしている。この町自体辺境の方にあり余所からの人間はあまり訪れないため、本が二人の知らない間に無くなるというのは珍しいのだ
「滅多に町の方には来ない知り合いが居てね、この近くに住んでるけど人と会うのはあまり好きじゃないんだよ。会おうと思わないと姿すら見えないかもwたまにフラ~っとここに来ては無断で本を持っていくからさ」
「また何冊かなくなってたし全然返しに来ないからそろそろ回収しに行かないとね」
お二人の知り合い…
「どんな人なんですか?」
「…騎士の家系…かな?」
「なんで疑問形なんですか…」
「島国の生まれなんだよ。前に王国とその国で戦争が起こったときに出会ってさ、結局あっちの負けで終戦した時に 【こっちにいるより面白そうだな】とか言ってこの国に来たんだよね…この国と彼等の故郷では言葉や文化が違うから厳密には騎士ではないんだ」
略奪戦争のってことか…それなら確かに人前から姿を隠すよな
「あまり自分の事を話す人でもないし殆ど何も分からないようなものだから気にしなくて良いけどね、まぁ元々が敵国の人間だし、見た目のせいで戦争に参加してた騎士団の人達にバレちゃうから王都から遠いこの近くに住んでるの」
「そうなんですか…みんな事情があってわざわざ王都から離れてるんですね」
「結構気紛れな人だから案外もう会ってるかもよ?」
ハロスに気付かれないように森の方に視線を移してそう呟いたリーベリアの言葉をかき消すかの様にエトアルが話し始めた
「世間話ばっかりしちゃったわねw取り敢えずハロスくんは何に対して占いたいか決まってる?」
そうか…占い…この先の未来?ラルカの事…いや…一番は
「…俺は…あいつらに勝てるんでしょうか…」
「…そうね」
静かにシャッフルが始まり広げられたカードの中からハロスが選んだ一枚を引き出すと、エトアルはカードを見て少し不安げな顔をした。選ばれたのは大アルカナではなく小アルカナのカードだった
「これって…ロッドの五でしたっけ?」
「ロッドは火の性質だね。強い感情とか直感…そういう意味があったと思う」
「そうね、正位置のロッドは良い意味が多いんだけど…五が出たなら少し心配かな」
正位置のロッドの五…絵が…なんというか…
「カードに描かれてる絵…なんだか争ってるみたいですね」
「実際争ってるの。ロッドの五で正位置の場合は【結論の出ない激しい争い】を意味するのよ」
「結論の出ない…俺は…負けるんですか?」
「でも結論が出ないなら負けてる訳でもないんじゃない?勝てるとも言えないけど…」
「少なくとも長期戦にはなるかもね。それか…」
「それか…?」
「何かしらの理由で争いは激昂化するかも…可能性としてだけど貴方の相手をするのがラルカちゃんかもしれないしね」
そうか…もしあいつらがラルカに何かしてるなら…その可能性も…
少女の意思なのか、はたまた操られているのかハロスには分からないがこの場に居ない事だけが唯一の真実だった。そしてもし戦うというのならどうなるかはある程度予想もついていた
「ハロスくんとラルカちゃんが…そんな場面はあまり見たくはないね」
「俺は…場合によってはラルカを…俺の手で殺さないといけないんですか…?」
「…分からない。未来なんて決まってないもの…どうなるかはハロスくんの選択次第よ。貴方が望むハッピーエンドはどんなもの?」
「ハッピーエンドなんて…存在してるんですか…?」
この世界が物語なら…俺が主人公なら…でも…俺にとってこれは現実だ
「ん~…じゃあハロスくんは【ヒーロー】と【ヴィラン】なら どちらになりたい?」
「ヒーローとヴィラン…ですか?そんなのどっちでも良いです。俺は俺が助けたいと思ったものだけを優先します。助けるってとこだけ見たらヒーロー何ですかね…?」
「ん~…もしかしたら貴方はヴィランになるかもね」
「ヴィラン…ですか?でもそれならそれで良いです。俺は俺らしくやりますよw俺のモノはこれ以上誰にも手出しさせない…欲しいモノは全部奪います」
「それなら君は誰一人逆らえないくらいに強くならないとだね」
「…っ…はい」
世界を守るヒーローではなく世界を敵に回すヴィランと呼ばれたハロスには、二人の言葉の裏には何が隠されているのかを理解することは出来なかった。朝市が開かれ街の方が賑やかになってきた為少し休憩を挟み夜にまた話す事にして二人は図書館を後にした。一人残されたハロスは少しでも情報を得る為にリーベリアが持ってきた本を読み始めたのだった
「本当に今更ですけど…なんで図書館の最上階に植物園があるんですか…」
「綺麗でしょ?」
「確かに綺麗だけどそういう事じゃなくて…本との共通点なんて…植物繋がりですか?それに…あんまり花とかは多く無いですよね」
どれも葉っぱ…季節の問題か?
「ここに植えられてるのは殆どが薬草なんだよね」
「薬草…え…なんで?普通花とかじゃ…」
「研究目的もあるけど…一応私が狩りしてるからね」
あぁ…治療薬とか痺れ薬用のってことか
「今見えてるのって全部薬草なんですか?」
「全部じゃないけど…そうだね、アレは麻痺毒になるやつ。花粉でも目眩が起こるから気をつけてね?それからあの小さいやつとあっちの黄色いやつを調合すれば治療薬になるかな」
辺りを見回しながら一つずつ植物を指差していく
「良く覚えてますね…もしかしてこれってエトアルさんが全部育ててるんですか?」
「そうだよ。薬を使うのも殆ど私だしね、折角なら自分で育ててみようかなって…まぁ調合はリーくんがやってるんだけどね。この植物園は私のプライベートルームみたいなモノなんだよ」
エトアルさんのプライベートルーム…
「町の人間が誰でも自由に出入りできるプライベートルーム…ですかw」
「そうは言ってもわざわざあの螺旋階段を登ってまで最上階のこの植物園に来るのは占いしたい子達だけだからね、薬草泥棒みたいなのも居ないし一日に訪ねてくる人も多くないから」
「まぁ…この図書館広いですからね。一日で図書館を全部見て回れると思いません…そんなことしたら過労死しますよ」
「確かに広いけど…毎日全部掃除してるんだよ?」
ハロスの言葉に微笑み返しながらリーベリアは数冊の本と飲み物を持って螺旋階段を登ってきた
「心当たりの本は見つかったの?」
「取り敢えず把握出来てる限りは取ってきたよ。俺も全部覚えてるわけじゃないからあとは地道に探さないとかな」
「ありがとうございます。凄い量ですね…」
7…いや8冊か…目を通すだけで1日かかるな
「おかしな本ばっかでもこういう時に案外役に立つよね」
「っていうかこの規模の図書館を毎日掃除ってどうやってるんですか…?それに図書館だから…本とかも確認しないとですよね」
「うん。よく知ってるね、ページが破れてたり外れてたりすることもあるからね…それに本が無くなってないか…とかも確認しないとね」
「え…前に無くなったことがあったんですか?」
この図書館では二人に声を掛ければ基本的には全ての本が貸し出しは自由にしている。この町自体辺境の方にあり余所からの人間はあまり訪れないため、本が二人の知らない間に無くなるというのは珍しいのだ
「滅多に町の方には来ない知り合いが居てね、この近くに住んでるけど人と会うのはあまり好きじゃないんだよ。会おうと思わないと姿すら見えないかもwたまにフラ~っとここに来ては無断で本を持っていくからさ」
「また何冊かなくなってたし全然返しに来ないからそろそろ回収しに行かないとね」
お二人の知り合い…
「どんな人なんですか?」
「…騎士の家系…かな?」
「なんで疑問形なんですか…」
「島国の生まれなんだよ。前に王国とその国で戦争が起こったときに出会ってさ、結局あっちの負けで終戦した時に 【こっちにいるより面白そうだな】とか言ってこの国に来たんだよね…この国と彼等の故郷では言葉や文化が違うから厳密には騎士ではないんだ」
略奪戦争のってことか…それなら確かに人前から姿を隠すよな
「あまり自分の事を話す人でもないし殆ど何も分からないようなものだから気にしなくて良いけどね、まぁ元々が敵国の人間だし、見た目のせいで戦争に参加してた騎士団の人達にバレちゃうから王都から遠いこの近くに住んでるの」
「そうなんですか…みんな事情があってわざわざ王都から離れてるんですね」
「結構気紛れな人だから案外もう会ってるかもよ?」
ハロスに気付かれないように森の方に視線を移してそう呟いたリーベリアの言葉をかき消すかの様にエトアルが話し始めた
「世間話ばっかりしちゃったわねw取り敢えずハロスくんは何に対して占いたいか決まってる?」
そうか…占い…この先の未来?ラルカの事…いや…一番は
「…俺は…あいつらに勝てるんでしょうか…」
「…そうね」
静かにシャッフルが始まり広げられたカードの中からハロスが選んだ一枚を引き出すと、エトアルはカードを見て少し不安げな顔をした。選ばれたのは大アルカナではなく小アルカナのカードだった
「これって…ロッドの五でしたっけ?」
「ロッドは火の性質だね。強い感情とか直感…そういう意味があったと思う」
「そうね、正位置のロッドは良い意味が多いんだけど…五が出たなら少し心配かな」
正位置のロッドの五…絵が…なんというか…
「カードに描かれてる絵…なんだか争ってるみたいですね」
「実際争ってるの。ロッドの五で正位置の場合は【結論の出ない激しい争い】を意味するのよ」
「結論の出ない…俺は…負けるんですか?」
「でも結論が出ないなら負けてる訳でもないんじゃない?勝てるとも言えないけど…」
「少なくとも長期戦にはなるかもね。それか…」
「それか…?」
「何かしらの理由で争いは激昂化するかも…可能性としてだけど貴方の相手をするのがラルカちゃんかもしれないしね」
そうか…もしあいつらがラルカに何かしてるなら…その可能性も…
少女の意思なのか、はたまた操られているのかハロスには分からないがこの場に居ない事だけが唯一の真実だった。そしてもし戦うというのならどうなるかはある程度予想もついていた
「ハロスくんとラルカちゃんが…そんな場面はあまり見たくはないね」
「俺は…場合によってはラルカを…俺の手で殺さないといけないんですか…?」
「…分からない。未来なんて決まってないもの…どうなるかはハロスくんの選択次第よ。貴方が望むハッピーエンドはどんなもの?」
「ハッピーエンドなんて…存在してるんですか…?」
この世界が物語なら…俺が主人公なら…でも…俺にとってこれは現実だ
「ん~…じゃあハロスくんは【ヒーロー】と【ヴィラン】なら どちらになりたい?」
「ヒーローとヴィラン…ですか?そんなのどっちでも良いです。俺は俺が助けたいと思ったものだけを優先します。助けるってとこだけ見たらヒーロー何ですかね…?」
「ん~…もしかしたら貴方はヴィランになるかもね」
「ヴィラン…ですか?でもそれならそれで良いです。俺は俺らしくやりますよw俺のモノはこれ以上誰にも手出しさせない…欲しいモノは全部奪います」
「それなら君は誰一人逆らえないくらいに強くならないとだね」
「…っ…はい」
世界を守るヒーローではなく世界を敵に回すヴィランと呼ばれたハロスには、二人の言葉の裏には何が隠されているのかを理解することは出来なかった。朝市が開かれ街の方が賑やかになってきた為少し休憩を挟み夜にまた話す事にして二人は図書館を後にした。一人残されたハロスは少しでも情報を得る為にリーベリアが持ってきた本を読み始めたのだった
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