TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―

夕月かなで

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第2章 後輩、同級生、先輩。(小学校2年生)

第28話 二人の入学式

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 雲一つ無い晴天の下、暖かな春がやってきて。
 校門の傍に植えられた幾つもの桜が満開に咲き誇り、楽しそうな、若しくは不安そうな表情を浮かべた沢山の新入生たちを迎え入れていきます。

 校門の前には理事長が書いたらしい達筆な入学式の看板。
 カメラを担当する元男の転生者こと私、諸弓千佳は看板の両側に立ったメグちゃんとお母さんお父さん、そして花ちゃんと花ちゃんママパパをレンズに収めていました。

「それじゃあ撮るよー?」
「はーい!」
「あーい!」
「……はい、チーズ!」
「にー!」
「にぃっ!」
「えーっと……、ちゃんと撮れてるね。はい、それじゃあもう一枚いきまーす」

 二つで一つのような仲の良い諸弓家と千草家は、二人の娘の入学式ということで今日も一緒に行動しています。
 諸弓家の次女である諸弓恵と、千草家の長女である千草花。
 私の愛する天使……いや、妹二人の入学に私のテンションもうなぎ登りです!

「ねぇねもいっしょ!」
「お姉ちゃん! 一緒にとろーっ!」
「分かったよ! それじゃあお父さん、カメラお願い!」

 そうして私たち三人での記念写真を撮り終えた後、順番待ちしていた家族に場所を譲って体育館へ。
 入学式の今日は四月から六年生の生徒だけが出席し、他の学年は休みになっています。
 なので在校生でありながらも、私はお母さんお父さんたちと一緒に保護者席へ座りました。

 周りを見ると他にも私と同じような子がいるようで、特に肩身が狭いという訳でも無いみたい。
 暫くして私の隣に幼稚園児くらいの小さい女の子が座りました。
 なんだか表情が強張ってるけど、もしかして兄か姉の入学式に来て緊張しているのかな?
 そう思った私はこの子が安心できるように優しく微笑みかけ、すると恥ずかしそうにしながら微笑み返してくれました。
 何この子可愛い。へい! 君も妹にならない?

「私は諸弓千佳。千佳って呼んでね?」
「……三枝、莉里です」

 隣りの女の子は莉里りりちゃんと言うらしい。
 突然の自己紹介にも応えてくれたので、入学式が始まるまで色んな話をしました。
 基本的に無口で言葉数が少ないんだけど、面白いことを言えば笑顔になり、悲しい物語を言えば眉を下げてとても悲しそうな顔になる。
 口の代わりに顔が物を言うような、話していて楽しい表情豊かな子でした。

 入学式が始まってからもつまらない時間はコソコソと二人でお話をしました。
 いや、莉里ちゃんが無口だから殆ど私が話をしていたんだけど。
 卒業式と違ってメグちゃんと花ちゃんが目立つことが無いから、あんまりシャッターチャンスも無いんだよね……。
 ということで、入学式は初めて会った莉里ちゃんとのコミュニケーションで時間が過ぎ去っていくのでした。



「それじゃあ莉里ちゃん。またね」
「……また。千佳」

 入学式も終わり、莉里ちゃんとお別れをした私は教室へと向かったメグちゃん花ちゃん、そしてお母さんズを見送って家へと帰りました。
 お父さんと花ちゃんパパは私の時と同じように教室まで行かず、家に帰って入学おめでとうパーティーの準備をすることになっています。
 そして在校生である私も今回はお父さんたちの仲間になって……!

「ただいま! 愛ちゃん湖月ちゃん、準備ありがとうね」
「おかえり千佳ちゃん」
「おかえり~うちらでだいぶ進めたで!」
「今からは私とお父さんたちも手伝うからね」
「うん、皆が帰ってくるまでに頑張ろう!」
「せやな~」

 今回は私だけでなく、仲の良い親友である室崎愛ちゃんと梅田湖月ちゃん、そして二人の家族もパーティーに参加することになっています!
 これを知らないのはメグちゃんと花ちゃんだけで、料理はお母さんの料理弟子のような存在である愛ちゃんママと湖月ちゃんママが担当。
 飾り付けには愛ちゃんと湖月ちゃんに愛ちゃんパパ、そして帰ってきた私たちを割り当てています。
 入学式の間は皆に任せきりだったけれど、ここからは私も頑張るよ!

「千佳ちゃん、輪っか出来たよ!」
「それはあっちに飾るから、手の開いてるお父さんたちに貼ってもらって」
「千佳ちゃん、お腹空いたわ~」
「まだ我慢して! メグちゃんたちが帰ってくる前に終わらせるよ!」
「千佳、ビール飲んでもいいか?」
「お父さん!? なんで一仕事終えたみたいになってるの!? まだ飾り付け終わってないよ!」

 ……とまぁ、こんな感じで順調に? パーティーの準備が進むのでした。



「――メグちゃん!」
「花ちゃん!」
「入学おめでとう!」

 愛ちゃん、湖月ちゃん、私の順で声を出して、手に持ったクラッカーを鳴り響かせて帰ってきた二人を迎え入れます。
 びっくりした様子のメグちゃんと花ちゃんは数秒間経ってから事態を理解し、満面の笑みで私たちへと抱き付いてきました。

「ありがとうっ! お姉ちゃん、愛ちゃん、湖月ちゃん!」
「ありがとー!」

 妹二人の様子に、愛ちゃんと湖月ちゃんもとても嬉しそうです。
 ふふ、二人も妹の素晴らしさに気付いたようだね!

「ふふ、メグちゃんも花ちゃんも愛たちと同じ小学生だよ!」
「おめでとうな~、これから一緒に登校やな!」
「私も二人と登校できるのを楽しみにしてたよ」
「私もお姉ちゃんと一緒に学校行けるの楽しみ!」
「はなもー! ねぇねーと一緒!」

 メグちゃんと花ちゃんの二人が私の手を取って、私を中心にしてグルグル回ります。
 う、目が回るけど二人が楽しそうにしてるから我慢だぁ!

「二人は本当に千佳ちゃんが好きだね」
「せやなぁ、うちらにも好きって言ってくれるけど、やっぱお姉ちゃんには敵わんな~」
「ふっふっふ、二人のお姉ちゃんの座は私だけのものだもんね! ここはいくら愛ちゃんと湖月ちゃんであっても譲れないよ!」
「お姉ちゃーん」
「ねぇねー」
「はいはい、ナデナデー」
「ふにゅー」
「うにゅー」
「あはは、この光景も見慣れてきたな~」
「そうだね、湖月ちゃん」

 私が妹二人を撫で蕩けさせて、それを見た親友二人が楽しそうに顔を見合わせて笑う。
 小学校二年目は更に楽しい毎日が待っている、そんな予感がしました。

 その後、湖月ちゃんママ特製のケーキに向かおうとする二人を必死に止めて、どうにか制服から着替えさせる三人の少女たちがいました。
 あ、明日から登校だからねっ!?
 さすがに一日目から汚すわけにはいかないよ!
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