異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓

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バーゲンに来たはずだったのに? その1

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 ある晴れた秋の日、ジャンボカンガルーのカンガルー美さんが草原を疾走していました。

「カンガルー美さん、そんなに急いで何処に行くの?」

 仲良しのダチョウ子さんが、一緒に走りながら声をかけると、

「今日はポンポコ商店街のバーゲンセールなの♪」と、楽しそうなカンガルー美さん。

「お目当ての物があるの?」同じく疾走しながらダチョウ子さんが聞くと、

「だって、皆でわいわいセール品を取り合いっこしてるのかなぁって思ったら、楽しそうだからなんとなく行ってみようかなって♪」

「野次馬ね?」

「野次カンガルーよ♪」

「うふふ」

 ふたりはお祭りでも見に行くような気持ちでポンポコ商店街へと急ぎました。


 開店直後に着いたのに、商店街は閑散としています。

「どうしたんだい? そんなに急いでやってきて」
 八百屋のコアラ助さんが不思議そうな顔で尋ねました。

「え? だって今日はバーゲンセールの日でしょ?」ふたりが聞くと、

「お姉さんたち、今日は人参が安いよ!」

「まぁ、お姉さんだなんて」

 四十路のふたりは、迷わず人参を買うのでした。

「今日、バーゲンセールなのはズンドコ商店街だよ!」と、コアラ助さんは教えてくれました。

「まぁ。ズンドコ商店街だったのね。私ったら勘違いしてたわ」

 カンガルー美さんは全力疾走で駆けつけたせいか、少し恥ずかしそうに頬を染め、タオルで大汗を拭きはじめました。

「今から行く?」ダチョウ子さんが聞くと、

「ここからだいぶ遠いし、もう体力が」

 ここまでの全力疾走で四十路の体力をかなり消耗してしまい、野次馬を諦める模様です。

「せっかく来たんだから、少し見ていきましょう」

「そうね」


 ふたりで商店街を歩いていると、ある1軒の店のドアから道に泡が溢れていました。

「ここは新しく出来た店ね」

「泡が溢れてるって教えてあげましょう」

 ふたりは、泡が押し寄せるドアを開いたのでした。





 つづく。

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