異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓

文字の大きさ
104 / 104

カイルの弟 ロンとルル

しおりを挟む
 やわらかな朝の光が 窓辺を染めていた。
 
 早起きの小鳥が 遠くで鳴いている。

 朝の静かで穏やかな雰囲気が とても好き。

 柔らかな布団が温かい。

 まだ早い時間だし もうひと眠り・・

 なんて まどろんでいると


「み~、み~♪」
「み~、み~♪」

 ちょっ! おぉっ! どこ触ってんね~ん!

 もぞもぞと パジャマの中に入り込もうとする ふわもこ達。

「まどろんでたけど、ばっちし目が覚めてもうたやないか~い!」

 バッと布団をめくると、カイルの双子の弟たち、ロンとルルがいた。

 お腹が空いたのか 私におっぱいをもらいに来たみたい。

 金毛のふわもこ子虎たちは 子猫みたいに可愛い。

 み~み~と 可愛くミルクをおねだりしてくる。

 異世界の子虎は み~み~鳴くのね。


「私、まだ6歳だし、ミルク出ないよ~」

 こんなに可愛いと怒れないな~

 なんて思いながら ロンとルルを抱っこしていると、

「あぁっ! 僕のルカに何してるんだ!」

 いつの間にか起きていたカイルが 真っ青になって 大人げなく怒った。
(あ、子供だった)

「「み~、み~」」

 まぁ見逃してよ、てなノリで カイルの肩をポンとたたくロンとルル。

「子虎だからって許さないぞ! 僕の心は蟻さんの巣穴より狭いんだ!」

 天井、狭っ!!

「カイル、私たちそんなよこしまな関係じゃ・・」

「虎は タテジマだっ!」

 六甲お〇~しに~颯爽と~♪ じゃなくて。

「ロンとルルはお腹が空いてたのよ。ミルクをあげなきゃ」

「「み~、み~」」

「そっか・・。ママはおまえたちの夜泣きで疲れて眠ってるかもしれないな」

 やっと ヒートダウンしてきたカイルは ロンを抱っこして、

「牛のモウ子さんに ミルクをもらいに行こう」

 優しい兄の顔になった。 私はルルを抱っこする。

 モウ子さんは カイルのパパが飼っている牛さんなのだけど、
 放牧なので 庭にいたりいなかったりするの。

「モウ子さん、近くにいるといいんだけど」

 
 庭から畑へ出ると、若芽の茂った放牧場で モウ子さんとヤギ美さんが世間話をしていた。

「ヒツジ子さんに聞いたのだけど、ポンポコ丘の野草が良い感じに育ってるらしいのよ~」
「まぁ、そろそろ食べ頃かしら? 今日あたり行ってみない?」
「そぉね~、お天気も良さそうだし♪」

 ご機嫌で話す モウ子さんたちの所へ行くと、

「「み~、み~」」
 子虎たちが 早速 ミルクのおねだり。

「まぁ~! ロンちゃん、ルルちゃん、可愛いわね~。
 今日の一番搾りの濃いミルク、たくさん飲んでちょうだい♪」

 モウ子さんが どうぞ と乳を差し出してくれるので、
 用意してきた大きな器に なみなみと 今日の一番搾りを搾らせていただく。
 あ~、濃厚♪

 ロンとルルは 美味しそうに飲み干すと
 ポンポコリンのお腹で幸せそうにコロンと横たわった。

「よかったね。ロン、ルル」
 私とカイルは 子虎を1匹ずつ抱っこすると 家に戻ることにした。

「じゃあ、ルカちゃん。私たち、ポンポコ丘で美味しい野草を食べてくるわ。帰りは夕方になるから」
「パパさんに そう言っといてね」
「じゃあね~♪」

 モウ子さんとヤギ美さんは 柵の錠を開け 楽しそうに出かけていった。
 この柵、意味ないかも?

 家に戻ると リビングのソファに 毛布にくるんだロンとルルを寝かせた。
 ミルクを飲んでから よく眠ってる。
 寝顔も可愛いなぁ~。

「カイル、パパさんとママさんに朝食を用意しよう。私はパンを焼くわ」
「僕は畑で野菜を採ってくるよ」

 しばらくして起きてきたパパさんとママさんは、
 カイルが収穫してきたカラフルな野菜と果物のサラダと、
 モウ子さんのミルク、焼き立てパンが並んだ食卓を見ると、
 目を細めて 喜んでくれたのでした♪






   end



 
都合によりしばらく休んでいたのですが、久し振りに書いてみました。
投稿できなかった間も読んでくださる方がおられて嬉しかったです。
この作品に興味を持ってくださった方、お気に入り登録してくださった方、しおりやいいね、拍手をしてくださった方に心から感謝いたします。
少しでも楽しんでいただけるものが書けたらいいなと思っております。
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

転生したので好きに生きよう!

ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。 不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。 奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。 ※見切り発車感が凄い。 ※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。

きっと幸せな異世界生活

スノウ
ファンタジー
   神の手違いで日本人として15年間生きてきた倉本カノン。彼女は暴走トラックに轢かれて生死の境を彷徨い、魂の状態で女神のもとに喚ばれてしまう。女神の説明によれば、カノンは本来異世界レメイアで生まれるはずの魂であり、転生神の手違いで魂が入れ替わってしまっていたのだという。  そして、本来カノンとして日本で生まれるはずだった魂は異世界レメイアで生きており、カノンの事故とほぼ同時刻に真冬の川に転落して流され、仮死状態になっているという。  時を同じくして肉体から魂が離れようとしている2人の少女。2つの魂をあるべき器に戻せるたった一度のチャンスを神は見逃さず、実行に移すべく動き出すのだった。  女神の導きで新生活を送ることになったカノンの未来は…?  毎日12時頃に投稿します。   ─────────────────  いいね、お気に入りをくださった方、どうもありがとうございます。  とても励みになります。

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。

彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。 父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。 わー、凄いテンプレ展開ですね! ふふふ、私はこの時を待っていた! いざ行かん、正義の旅へ! え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。 でも……美味しいは正義、ですよね? 2021/02/19 第一部完結 2021/02/21 第二部連載開始 2021/05/05 第二部完結 新作 【あやかしたちのとまり木の日常】 連載開始しました。

魔物が棲む森に捨てられた私を拾ったのは、私を捨てた王子がいる国の騎士様だった件について。

imu
ファンタジー
病院の帰り道、歩くのもやっとな状態の私、花宮 凛羽 21歳。 今にも倒れそうな体に鞭を打ち、家まで15分の道を歩いていた。 あぁ、タクシーにすればよかったと、後悔し始めた時。 「—っ⁉︎」 私の体は、眩い光に包まれた。 次に目覚めた時、そこは、 「どこ…、ここ……。」 何故かずぶ濡れな私と、きらびやかな人達がいる世界でした。

没落貴族と拾われ娘の成り上がり生活

アイアイ式パイルドライバー
ファンタジー
 名家の生まれなうえに将来を有望視され、若くして領主となったカイエン・ガリエンド。彼は飢饉の際に王侯貴族よりも民衆を優先したために田舎の開拓村へ左遷されてしまう。  妻は彼の元を去り、一族からは勘当も同然の扱いを受け、王からは見捨てられ、生きる希望を失ったカイエンはある日、浅黒い肌の赤ん坊を拾った。  貴族の彼は赤子など育てた事などなく、しかも左遷された彼に乳母を雇う余裕もない。  しかし、心優しい村人たちの協力で何とか子育てと領主仕事をこなす事にカイエンは成功し、おまけにカイエンは開拓村にて子育てを手伝ってくれた村娘のリーリルと結婚までしてしまう。  小さな開拓村で幸せな生活を手に入れたカイエンであるが、この幸せはカイエンに迫る困難と成り上がりの始まりに過ぎなかった。

追放王子の気ままなクラフト旅

九頭七尾
ファンタジー
前世の記憶を持って生まれたロデス王国の第五王子、セリウス。赤子時代から魔法にのめり込んだ彼は、前世の知識を活かしながら便利な魔道具を次々と作り出していた。しかしそんな彼の存在を脅威に感じた兄の謀略で、僅か十歳のときに王宮から追放されてしまう。「むしろありがたい。世界中をのんびり旅しよう」お陰で自由の身になったセリウスは、様々な魔道具をクラフトしながら気ままな旅を満喫するのだった。

僕だけレベル1~レベルが上がらず無能扱いされた僕はパーティーを追放された。実は神様の不手際だったらしく、お詫びに最強スキルをもらいました~

いとうヒンジ
ファンタジー
 ある日、イチカ・シリルはパーティーを追放された。  理由は、彼のレベルがいつまでたっても「1」のままだったから。  パーティーメンバーで幼馴染でもあるキリスとエレナは、ここぞとばかりにイチカを罵倒し、邪魔者扱いする。  友人だと思っていた幼馴染たちに無能扱いされたイチカは、失意のまま家路についた。  その夜、彼は「カミサマ」を名乗る少女と出会い、自分のレベルが上がらないのはカミサマの所為だったと知る。  カミサマは、自身の不手際のお詫びとしてイチカに最強のスキルを与え、これからは好きに生きるようにと助言した。  キリスたちは力を得たイチカに仲間に戻ってほしいと懇願する。だが、自分の気持ちに従うと決めたイチカは彼らを見捨てて歩き出した。  最強のスキルを手に入れたイチカ・シリルの新しい冒険者人生が、今幕を開ける。

処理中です...