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サファーロをハグ♪
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メッチャウマイ草を夢中で食べていた馬たちが、食べるのをやめて「ヒヒ~ン!!」と嘶きました。
助けてくれるつもりなのでしょうか?
と思ってましたら、さらなるメッチャウマイ草を求めて、振り返りもせず森の奥へと行ってしまいましたわ!
5分も乗ってない馬に逃げられてしまうとは~。
「モーリス! シャルルとエミリーさんの足に絡みついている蔓草を切れ! 山賊たちは私が相手をするから、モーリスはふたりを守るんだ!」
「はい!」
山賊は20人くらいいますわ!
サファーロひとりで戦うなんて。加勢しなくては!
「モーリスさん、速く蔓草を切って!」
「切ってるんですけど~、切っても切っても生えてきて絡んでくるんです~、あっ俺の足にも絡んでる!」
そんな私たちを嘲笑うかのように、山賊のボスらしき男が言った。
「命が惜しければ、金目の物を全部出しな。女ふたりも置いていくんだ」
にやりと笑われ、背筋がぞっとする。
私とエミリーをどうするつもり?
サーカスにでも売るつもりかしら?
私、運動神経よくないし、曲芸なんて器用なこと出来なくってよ!
山賊の言葉を聞いて、サファーロがすごく怖い顔をしているわ。
「ふざけるな! 彼女たちを貴様の慰み者になどするものか! おまえだけは絶対に許さない。覚悟しろ!」
サファーロは、私とエミリーとモーリスを結界で囲んで防御した後、山賊たち全員に魔法の光を放った!
ボム!!
大きな白い煙が上がった後、そこにいたのは20匹の豚でした。
ブヒブヒ鳴きながら一目散に逃げようとしている豚たちに大繩が放たれ、
まるで生き物のような素早い動きの大繩は、全ての豚たちを縛り上げました。
「後で肉屋に売ってやる。それまで、シャルルに手を出そうとしたことを後悔していろ!」
サファーロはアイテムボックスに豚たちを入れました。
私とエミリーに巻き付いていた蔓草を魔法で枯らせて切ったモーリスは、何かを見つけて摘んでいるようです。
「サファーロ様! こんなにキノコが採れました!」
自慢げにザル一杯の色とりどりの毒々しいキノコを見せるモーリス。
「…モーリス、頭にキノコが生えているぞ」
「えっ!?」
モーリスは頭を振って取ろうとしていますけど…キノコの胞子が飛んでいますわ!伝染するかも!
「動くなモーリス! 今、取ってあげるから」
サファーロがモーリスの頭からキノコを取って、魔法で消毒していますわ。
危うく、みんなでキノコ星人になるところでしたわ!
度重なる失敗を気にもせず、モーリスさんが言いました。
「サファーロ様! 先ほどの豚ですが、もっと高級食材に変身させたほうが高く売れると思います!」
「うむ…そうだな」
サファーロはアイテムボックスから豚たちを出すと、黒毛和牛に変身させました。
モーリスとエミリーは黒毛和牛をみるのは初めてのようです。
私は前世の日本でも、あまり見たことがありませんでしたわ。
それから森を歩く間、命を狙ってきた魔物や山賊を、サファーロはすべて黒毛和牛にしました。
森を出てから、100頭の牛たちは町のお肉屋さんに高値で買い取ってもらえました。
夕暮れまでに森を出れて、よかったですわ~。
夕食は、狸のぽんぽこ亭で、ぽんぽこ定食をいただきましたわ♬
その日の夜。
サファーロが湖のほとりに家を出してくれました。
湯あみを終えてベランダで風にあたっていると、サファーロが部屋を訪ねてきてくれました。
エミリーは、またもや気をきかせていなくなってしまいましたわ。
「今日は山賊たちに絡まれて怖かったでしょう。 大丈夫ですか?」
憂いをおびた瞳でつぶやくサファーロが美し過ぎます。
心配してくださるのね。
きゅんきゅんしますわ~♪
「サファーロが居なかったら、あの森を通り抜けられませんでした。魔力を使いすぎてお疲れでしょう。よかったら、私の魔力をお分けしますわ…」
今夜は曇り空。月の魔力の吸収も期待できませんわ。
「女性に魔力を分けてもらうなんて…」
「モーリスさんから、もらいたいですか?」
「いやぁ、それはちょっと…」
「じゃあ、私でもいいでしょう?」
「…」
今夜の私はなんだか積極的ですわ。
考えてみたら、旅の間に思い出を作っておかないと。
いつか、サファーロに会えなくなってしまうかもしれませんもの。
私が手を差し伸べると、ためらいながら、私の手を握るサファーロ。
私の魔力がサファーロに向かって流れていって…流し過ぎましたわ、めまいが…。
ふらっと倒れそうになった私を、優しく抱き寄せるサファーロ。
久し振りの、サファーロの温かい胸。ぬくもり。やさしい香り…。そっと、背中に手を回します。
魔力大量消費でヘロヘロだけど、やっと、ついに、サファーロのハグをゲットしましたわ!!
達成感に感動していると、突然ドアが開かれました。
「サファーロ様! どうして俺の魔力を分けてほしくないんですか!?」
サファーロのことが大好きなモーリスが、乗り込んできました。
「…おまえ、私とこういうことがしたいのか?」
と答えるしかない複雑な表情のサファーロ。
なんだか、モーリスさんにのぞかれるのに慣れてきてしまいましたわ。
これだけ覗かれると、ふたりの熱い夜は遠そうですわ~!
助けてくれるつもりなのでしょうか?
と思ってましたら、さらなるメッチャウマイ草を求めて、振り返りもせず森の奥へと行ってしまいましたわ!
5分も乗ってない馬に逃げられてしまうとは~。
「モーリス! シャルルとエミリーさんの足に絡みついている蔓草を切れ! 山賊たちは私が相手をするから、モーリスはふたりを守るんだ!」
「はい!」
山賊は20人くらいいますわ!
サファーロひとりで戦うなんて。加勢しなくては!
「モーリスさん、速く蔓草を切って!」
「切ってるんですけど~、切っても切っても生えてきて絡んでくるんです~、あっ俺の足にも絡んでる!」
そんな私たちを嘲笑うかのように、山賊のボスらしき男が言った。
「命が惜しければ、金目の物を全部出しな。女ふたりも置いていくんだ」
にやりと笑われ、背筋がぞっとする。
私とエミリーをどうするつもり?
サーカスにでも売るつもりかしら?
私、運動神経よくないし、曲芸なんて器用なこと出来なくってよ!
山賊の言葉を聞いて、サファーロがすごく怖い顔をしているわ。
「ふざけるな! 彼女たちを貴様の慰み者になどするものか! おまえだけは絶対に許さない。覚悟しろ!」
サファーロは、私とエミリーとモーリスを結界で囲んで防御した後、山賊たち全員に魔法の光を放った!
ボム!!
大きな白い煙が上がった後、そこにいたのは20匹の豚でした。
ブヒブヒ鳴きながら一目散に逃げようとしている豚たちに大繩が放たれ、
まるで生き物のような素早い動きの大繩は、全ての豚たちを縛り上げました。
「後で肉屋に売ってやる。それまで、シャルルに手を出そうとしたことを後悔していろ!」
サファーロはアイテムボックスに豚たちを入れました。
私とエミリーに巻き付いていた蔓草を魔法で枯らせて切ったモーリスは、何かを見つけて摘んでいるようです。
「サファーロ様! こんなにキノコが採れました!」
自慢げにザル一杯の色とりどりの毒々しいキノコを見せるモーリス。
「…モーリス、頭にキノコが生えているぞ」
「えっ!?」
モーリスは頭を振って取ろうとしていますけど…キノコの胞子が飛んでいますわ!伝染するかも!
「動くなモーリス! 今、取ってあげるから」
サファーロがモーリスの頭からキノコを取って、魔法で消毒していますわ。
危うく、みんなでキノコ星人になるところでしたわ!
度重なる失敗を気にもせず、モーリスさんが言いました。
「サファーロ様! 先ほどの豚ですが、もっと高級食材に変身させたほうが高く売れると思います!」
「うむ…そうだな」
サファーロはアイテムボックスから豚たちを出すと、黒毛和牛に変身させました。
モーリスとエミリーは黒毛和牛をみるのは初めてのようです。
私は前世の日本でも、あまり見たことがありませんでしたわ。
それから森を歩く間、命を狙ってきた魔物や山賊を、サファーロはすべて黒毛和牛にしました。
森を出てから、100頭の牛たちは町のお肉屋さんに高値で買い取ってもらえました。
夕暮れまでに森を出れて、よかったですわ~。
夕食は、狸のぽんぽこ亭で、ぽんぽこ定食をいただきましたわ♬
その日の夜。
サファーロが湖のほとりに家を出してくれました。
湯あみを終えてベランダで風にあたっていると、サファーロが部屋を訪ねてきてくれました。
エミリーは、またもや気をきかせていなくなってしまいましたわ。
「今日は山賊たちに絡まれて怖かったでしょう。 大丈夫ですか?」
憂いをおびた瞳でつぶやくサファーロが美し過ぎます。
心配してくださるのね。
きゅんきゅんしますわ~♪
「サファーロが居なかったら、あの森を通り抜けられませんでした。魔力を使いすぎてお疲れでしょう。よかったら、私の魔力をお分けしますわ…」
今夜は曇り空。月の魔力の吸収も期待できませんわ。
「女性に魔力を分けてもらうなんて…」
「モーリスさんから、もらいたいですか?」
「いやぁ、それはちょっと…」
「じゃあ、私でもいいでしょう?」
「…」
今夜の私はなんだか積極的ですわ。
考えてみたら、旅の間に思い出を作っておかないと。
いつか、サファーロに会えなくなってしまうかもしれませんもの。
私が手を差し伸べると、ためらいながら、私の手を握るサファーロ。
私の魔力がサファーロに向かって流れていって…流し過ぎましたわ、めまいが…。
ふらっと倒れそうになった私を、優しく抱き寄せるサファーロ。
久し振りの、サファーロの温かい胸。ぬくもり。やさしい香り…。そっと、背中に手を回します。
魔力大量消費でヘロヘロだけど、やっと、ついに、サファーロのハグをゲットしましたわ!!
達成感に感動していると、突然ドアが開かれました。
「サファーロ様! どうして俺の魔力を分けてほしくないんですか!?」
サファーロのことが大好きなモーリスが、乗り込んできました。
「…おまえ、私とこういうことがしたいのか?」
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