もふもふの銀猫は公爵令嬢に恋をする

松石 愛弓

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おばあさまが治った!

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「おばあさま!」
 ドアを開けるなり、シャルルがベッドに横たわるおばあさまの手を握る。

「白竜の宝玉が手に入ったの! サファーロがおばあさまのために借りてきてくれたのよ!」

 病が重いのか、おばあさまは声も出ないようだ。…助けられるだろうか。

「おばあさま。これが白竜の宝玉です。どうぞ、触れてください」
 そっと、おばあさまの手を引き、宝玉に触れさせると、

 パアアッ!!

 まばゆい赤い光が、おばあさまの体を包んだ!

 暖かい光の中で、おばあさまがまるで若返ってゆくようだ。
 光が消えて静寂を取り戻した時、少し若くなったおばあさまが不思議そうな顔で僕を見ていた。

「…まるで、羽が生えたみたいに体が軽いわ…。息も楽にできるし、胸も苦しくない。信じられないわ。
 ありがとう…サファーロさん、シャルル…」

「おばあさま!」
 シャルルとおばあさまは、抱き合い涙を流して喜んでいる。

 ああ、間に合ってよかった…。
 僕は胸を撫でおろす。

 そして、おばあさまに差し出そうと思っていた魔力玉は必要なさそうだ。
 …自分の魔力補給に使うか。
 自白魔法を大勢に使い、瞬間移動もしたので、魔力が枯渇してきた。
 これから、王様を守る使命があるから魔力を満たしておかないと。

「おばあさま。私、いつかサファーロと結婚するの。彼を誰よりも愛してるの」
 おばあさまの手を握り、シャルルが嬉しそうに報告している。

「まぁ! おめでとう、シャルル! 最愛の人と結ばれるなんて、よかったわね!
 サファーロさん、シャルルをよろしくお願いしますね。
 そして、諦めていた白竜の宝玉を見つけてきてくださったこと、心から感謝しています。ありがとうございました」

 深々と頭を下げるおばあさまの姿に、執事や侍女たちも安堵し、もらい泣きしはじめた。
 おばあさまが元気になってくれた喜びで、僕の胸も熱く震える。

「おばあさま。シャルル譲をきっと幸せにします。約束します」
 僕も深く頭を下げた。

「まぁ! なんて誠実で素敵な方なの! シャルル、あなたは幸せ者よ!」
「そうね」
 皆が和やかな笑いに包まれた。

「今日はここで食事して泊まっていってくださいな。もっと一緒にいたいわ」
 先程まで声も出なかったおばあさまが、すっかり元気になってくれた。
 ベッドから起き上がり、動きたくて仕方ないようだ。

 王様を守らないといけないし、名残惜しいが帰らなければ…。
「おばあさま、今日はもう戻らないといけないのです。また、来させていただきます」
「そう…。忙しいのね、残念だわ…。また来てくださいね。楽しみに待っているわ」
「はい」

 僕たちは、おばあさまをもう一度やさしく抱きしめてから、宝玉を持って宮殿へ戻る。
 
 王様の部屋に宝玉を返しにゆき、おばあさまが回復されたことを伝えると、
「良かったのぉ~~♪」
 王様は、自分のことのように喜んでくれた。
 モーリスやエミリーも大喜びしてくれている。

「では、おばあさまも完治されたようだし、王太子の話と婚約式の話を進めようかの。そなたの父上に、早速会いたい。案内せよ♪」

 すでに、外出着に着替え終えて準備万端の王様は、僕の実家へ今すぐ行くといってきかない。
「ささ、こちらへ来い。瞬間移動じゃ!」
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