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しおりを挟む朝食後、旦那様を見送り、私は侍女を連れて街に出ました。
もうすぐ旦那様の誕生日なので、プレゼントを選ぶためです。
学園に通っていた頃、偶然にも旦那様と私は同じ学年、同じクラスでした。
誕生日まで同じ日で、金髪碧眼まで同じ。縁があるのかなと思いました。
席が近く、いつの間にか仲良くなって、伯爵家同士で親たちも仲良くなって、自然の流れのように結婚しました。
馬車を降りると、お洒落な店が立ち並ぶ大通りを侍女とふたり歩き始めました。
侍女のリノンは17歳。私よりふたつ年下で、ブラウンのまっすぐな髪を肩で切りそろえた感じの真面目な女の子です。
「プレゼント、何がいいかしら」
「奥様が選んだ品なら、何でも大喜びされますよ~。えっ? あ、あの方、旦那様に似てらっしゃいませんか・・・?」
侍女のリノンが、私たちの10mほど前を歩く男女を見つめています。
艶やかな金色の髪。見覚えのある上着。背格好。
旦那様にそっくりです。
でも・・・若い女性と一緒なんて・・・。
無意識に、侍女とふたりで彼の後をつけていました。
楽しそうな話し声が聞こえてきて、ざわざわと胸騒ぎがします。
追いかけたいような、もう追いかけたくないような、そんな葛藤を繰り返していた時、
男性が女性の方を見て、微笑みました。
その横顔は・・・、
紛れもなく、私の旦那様だったのです。
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