灯火

松石 愛弓

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「私との結婚を 考えていただけませんか?」

 え?
 私、今、盛大なる聞き間違えをした?
 とんでもない幻聴が聞こえたような・・。
 しっかりしろ、私!
 そんなに厚かましい耳に育てた覚えはないのに・・。

 フリーズする私に、ロナルドさんは少し寂しそうな表情を見せた。

「私との結婚は考えられませんか?」
 またもや 幻聴?が聞こえたので 今度は答えることにした。

「いえ。私の厚かましい耳が 何か聞き間違えをしたようで戸惑っていたのです。
 実は私はロナルドさんにとても魅かれているのですが、絶対 気持ちを伝えてはいけないと、日々、自分を戒めているところなのです」
 あっ。告白しない予定だったのに、口が滑っちゃった!
 どうしよ・・。

「もしかして・・初めて会った時も 幻聴とか仰ってましたが。今日もそうだと思ってます?」
 少しあきれたようにロナルドさんが呟く。
「もちろんですよ! そんなこと考えたらいけないことくらいわかってます!」
 私なんて 親にも捨てられた捨て子で。何の価値もない。
 と再認識して 心が沈む。

「私は、フィーリアさんの 弱者を助けたい優しい心、努力家で一生懸命なところに惹かれました。
 アマンダさんにお会いして思ったのです。性格の悪い人は嫌だなと。
 フィーリアさんとなら 優しい気持ちで一緒に生きていけるような気がしたのです。両親も貴女を賞賛していますし」

 ロナルドさんの優しい声が 心の中に心地よく響く。
 
「私、ロナルドさんが好きです。
 寂しかった私の心に明かりを灯してくれた、灯火のような方です」
 涙が止まらない。

「では プロポーズを受けていただけますか?」
 素敵すぎるロナルドさんを見たいのに、涙が溢れて見えない。

「はいっ!」
 全力で答える私の頬を伝う涙を ロナルドさんが綺麗なハンカチで優しく拭ってくれた。

 貴方に出会えて 本当に良かった。

 これから、私の出来る精一杯で 貴方を幸せにしたいです。













 end



*****************************************************

最後までお読みいだだき ありがとうございました。
投稿できなかった時も 訪問してくださった方、本当にありがとうございました。励みになりました。

今回は珍しくシリアスに始まる感じのものを書いてみました。
少しでも楽しんでいただけましたら幸いです。

寒さ厳しき折 ご自愛ください。
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