6 / 137
1章 夢現ダンジョン
5話【真実の腹の中】
しおりを挟む
「これは夢であるので、思うが侭にダンジョン攻略を楽しむこと」
原国さんが囁くように言った。
「僕もそれ、聞きました。だから夢かなって」
「夢じゃないかもしれない、と?」
有坂さんが恐る恐る訊く。
「そうか、違和感はそれか」
なるほどな、と武藤さんが呟く。
「俺はさ、たまに明晰夢の類をみるんだけどな。それに比べると五感がハッキリしすぎてるんだよな……」
武藤さんが自分の手を眺めながらグーパーして感触を確かめている。
「明晰夢ってのは夢と自覚している夢だが、明晰夢なんっつっても俺の場合、夢の中なんてもっと曖昧なモンだ。視覚以外の五感の何かが欠けてることも多い。明晰夢の中じゃ、自分の知らない情報も曖昧でな、携帯端末に知らない情報がこれだけ載ってて情報も意識もボヤけない。クリアに頭に入ってくる」
言葉を切って、原国さんを見た。
「確かに、ただの夢で片付くような代物じゃなさそうだが……」
武藤さんが自身の違和感を言語化して伝える言葉にどきりとする。
僕は特に明晰夢とか夢とかは殆ど見ないので、夢ってちょっと楽しいなくらいにしか思ってなかった。
「その上、ここにいる全員が、これを夢だと認識しているし、それを確信しているね? 皆夢だとしても、と言いながら何故か危機感がある。本能的な危機感だ。さて、果たしてそんな夢が存在するのか? とね」
「でも夢ってそういうものなのでは……? 現実というには現実離れしすぎてませんか。魔術もガチャも現実にこんなものはないですよ」
「勿論それはそうだと思う。無論ここが現実世界ではないだろうとは、私も思う」
それでもただの夢にしては、現実感がありすぎる、とみんな感じている顔をしている。
とはいえ現実にしては飛躍しすぎている、とも。
有坂さんはクラスメイトで席も近い。だけど原国さんや武藤さんは全く知らない、しかも近くにいないタイプの人たちで、実在しない夢の世界の住人なのかもと最初は思っていた。
けど、しばらく一緒にいて、思う。
実在感というのだろうか、僕の頭が作り出した虚像の人物にはどんどん思えなくなっている。
それは、そういう夢なのかもしれないと思っていた、けど。
「異世界、か。精神世界か。何にしろ、おかしな状況だってこったな」
ぽつりと武藤さんが言う。
今の自分の、現実での実在の証明は、難しい。
スマホは画面の仕様が変わっていて、他のアプリとかは開けなくなっている。
制服のポケットに在るはずの生徒手帳はなく、いつも胸ポケットにいれている筆記具もない。
それを見せることが出来たとして、それが本物だという証明は、目覚めた後の確認になる。
今ここで初対面の人に実在性の証明は、何ひとつ出来ない。
「懸念てのは?」
「いくつかありますが、ここで死亡した場合について」
原国さんが苦い顔で言う。
「それを私達が何も知らされていないことです。本当にただの夢で死んだとしても、目覚めるならいい。だがこれだけリアルな感覚だと、そうではない、という想像をしてしまう」
原国さんは言葉を区切って、続けた。
「それに妙な悪意を感じるんですよ」
「悪意、ですか?」
「よく思い出してください。あの声はメリットしか言っていない。デメリットがあるであろうことにも触れていない」
全員が目を見開く。
確かにそうだ。手に入るもの、扱えるもの、それも限定的であらゆることが濁された曖昧な説明だった。
「説明は曖昧でありながら、始末が悪いことに与えられる能力の殺傷能力が高い。誰か1人が暴力で支配し、利益を独占することが出来るシステムともいえる。個々にこれだけの力があり、敵がいて怪我もする。その上、殆どが見知らぬ相手同士であれば、仲間割れも起きやすいでしょう」
原国さんがみんなの表情を確認して、ゆっくりと説明を続ける。
「例えば最初に私が言ったように、誰かから何かを奪うためにその場の誰かを殺す。そんな無法も行える。人間に被害を与えることへのペナルティの有無についてすら、あの声は教えませんでした」
確かに、ゲームでいうところのPvP、PKについては何も言及されていない。PKペナルティ、デスペナルティ、これだけゲーム的であるならあっていい説明だ。
「それどころか言葉を濁して、モンスターではなく、人を殺して経験点等を得たりすることすら可能だと、匂わせている。夢だから思うが侭にやれ、といわれ、夢だと思いこんでいるなら、安易に暴虐に走る人間はいるでしょう」
その言葉にごくりと唾を飲み込む。
「何せ、夢の中で初対面の人間に自分の実在性を、証明することは出来ないのだから。自分の頭で作り出した夢の中の人間、だと認識したなら更に容易に、安易に、人を殺せる人間がいてもおかしくはない」
「でも私たちの中にはそんな人は1人もいなかった……」
ぽつりと、有坂さんが呟く。
「そうです。ですが、思い出してください。パーティーはあと2人、登録出来る」
パーティー登録画面には、残り2人登録可能の文字があった。
「それを考えた時、私達のようにあの説明を受けて、このダンジョンにいる人間が他にもいるのではないか? という疑念が浮かびました」
「確かに、6人までなのに4人なのはちょっと変だとは思いましたけど……」
だからあの時、原国さんはほかの人間がいることを前提にして、僕のスキルの開示について話をしたのか。
「……そして私達は真瀬くんのお陰で運よく、苦戦しなかったのではないか、と思うとゾッとしませんか」
少し間を置いて原国さんが言う。
「たまたま、このメンバーだったから、今、楽に進めているだけで、本来なら真瀬くんがくれたガチャの武器やスキルは得られていない。初期装備の武器は攻撃力は+5です」
「俺の剣もそうだな」
武藤さんが言う。初期装備があったことに気付いたのは、ガチャ武器を装備する時だったとも。
「真瀬くんが最初に私に与えてくれた弓の攻撃力は+50で属性強化30%、初期武器の10倍威力かつ属性強化まで乗っている。だからこそ一撃でモンスターを倒せたのでは? そして真っ当に協力をし合えるメンバーだからこそ、私は範囲魔法を取れましたが、範囲魔法もガチャの武器もなく、ここまでにいた5匹のモンスターを無傷で果たして倒せたのか」
懸念、危惧。僕はそんなことに全然気付かなかった。
「いくらスキルがあったとして我々は人間。出て来たのは猪サイズの素早い獣である鼠のモンスターです。本来ならば、最初の2匹でも苦戦したのでは? と」
「……最初の2匹では、レベル上がりませんでしたね」
ぽつりと有坂さんが言う。パーティー登録をしていると経験点は全員に分配される。だから数を倒す必要がある。
「そうです。レベル1で負傷、回復役がいても次の戦闘は3匹でした。3匹いたのがわかったのも真瀬くんがくれたスキルのお陰で、本来なら気配などもわからない」
「いやいやいや待てよおっさん。わかるけど、あんま脅かすなよ。坊主のお陰でかなり恩恵を受けているのは最初からわかってたこったろう?」
「そうです。だからこそ、私は何があっても君たちを守らないといけないと思ったし、私のこの懸念を知っておいて欲しかったんですよ」
警戒するために、と重い言葉で原国さんが言う。
「私が他の人間がいることを確信したのはね、最初のモンスターを倒した場所の床、壁にまだ渇ききっていない血痕があったからです。モンスターの血は紫、それも倒せば消えてなくなる。残るのはコインだけ。ならばあった血痕は?」
「……人間の、負傷者がいるってことか……?」
薄暗くて特に注意を払わなければ、ダンジョンの壁や床の汚れに注視したりはしない。
僕もコインの血を見たのに、スルーしてしまった。
原国さんのこの観察眼と思考力は一体どこから来ているのだろう?
「それだけではありません。何故私がこんなことをここで言ったのか、この画面を見て頂ければわかります」
「え…っ?」
『クエスト・真実の入り口に触れたものクリア』
「これは、他の人間が同じようにダンジョンにいる、と確信した時のクリア表示です。そして」
『クエスト・真実の入り口に入りしものクリア』
「これが、私が夢ではないのではないか? ただの夢である方が不自然だ、と直感的に確信した時に出たクリア表示です」
ぞっと、鳥肌が立つ。
「この画面を見ながら、よく聞いていてください、皆さん」
原国さんが告げる。クエストのはてなマークの並ぶ一覧が、何かとんでもなくおぞましいもののような気がする。
「このダンジョン攻略で、死亡した者は、現実世界でも死亡する、と私は確信している」
原国さんの声に応えるように、彼のスマホが震え、表示がポップアップする。
『クエスト・真実の腹の中 クリア』
その瞬間、全員のスマホが震えた。
『パーティークエスト、ダンジョンの真実が開始されました』
原国さんが囁くように言った。
「僕もそれ、聞きました。だから夢かなって」
「夢じゃないかもしれない、と?」
有坂さんが恐る恐る訊く。
「そうか、違和感はそれか」
なるほどな、と武藤さんが呟く。
「俺はさ、たまに明晰夢の類をみるんだけどな。それに比べると五感がハッキリしすぎてるんだよな……」
武藤さんが自分の手を眺めながらグーパーして感触を確かめている。
「明晰夢ってのは夢と自覚している夢だが、明晰夢なんっつっても俺の場合、夢の中なんてもっと曖昧なモンだ。視覚以外の五感の何かが欠けてることも多い。明晰夢の中じゃ、自分の知らない情報も曖昧でな、携帯端末に知らない情報がこれだけ載ってて情報も意識もボヤけない。クリアに頭に入ってくる」
言葉を切って、原国さんを見た。
「確かに、ただの夢で片付くような代物じゃなさそうだが……」
武藤さんが自身の違和感を言語化して伝える言葉にどきりとする。
僕は特に明晰夢とか夢とかは殆ど見ないので、夢ってちょっと楽しいなくらいにしか思ってなかった。
「その上、ここにいる全員が、これを夢だと認識しているし、それを確信しているね? 皆夢だとしても、と言いながら何故か危機感がある。本能的な危機感だ。さて、果たしてそんな夢が存在するのか? とね」
「でも夢ってそういうものなのでは……? 現実というには現実離れしすぎてませんか。魔術もガチャも現実にこんなものはないですよ」
「勿論それはそうだと思う。無論ここが現実世界ではないだろうとは、私も思う」
それでもただの夢にしては、現実感がありすぎる、とみんな感じている顔をしている。
とはいえ現実にしては飛躍しすぎている、とも。
有坂さんはクラスメイトで席も近い。だけど原国さんや武藤さんは全く知らない、しかも近くにいないタイプの人たちで、実在しない夢の世界の住人なのかもと最初は思っていた。
けど、しばらく一緒にいて、思う。
実在感というのだろうか、僕の頭が作り出した虚像の人物にはどんどん思えなくなっている。
それは、そういう夢なのかもしれないと思っていた、けど。
「異世界、か。精神世界か。何にしろ、おかしな状況だってこったな」
ぽつりと武藤さんが言う。
今の自分の、現実での実在の証明は、難しい。
スマホは画面の仕様が変わっていて、他のアプリとかは開けなくなっている。
制服のポケットに在るはずの生徒手帳はなく、いつも胸ポケットにいれている筆記具もない。
それを見せることが出来たとして、それが本物だという証明は、目覚めた後の確認になる。
今ここで初対面の人に実在性の証明は、何ひとつ出来ない。
「懸念てのは?」
「いくつかありますが、ここで死亡した場合について」
原国さんが苦い顔で言う。
「それを私達が何も知らされていないことです。本当にただの夢で死んだとしても、目覚めるならいい。だがこれだけリアルな感覚だと、そうではない、という想像をしてしまう」
原国さんは言葉を区切って、続けた。
「それに妙な悪意を感じるんですよ」
「悪意、ですか?」
「よく思い出してください。あの声はメリットしか言っていない。デメリットがあるであろうことにも触れていない」
全員が目を見開く。
確かにそうだ。手に入るもの、扱えるもの、それも限定的であらゆることが濁された曖昧な説明だった。
「説明は曖昧でありながら、始末が悪いことに与えられる能力の殺傷能力が高い。誰か1人が暴力で支配し、利益を独占することが出来るシステムともいえる。個々にこれだけの力があり、敵がいて怪我もする。その上、殆どが見知らぬ相手同士であれば、仲間割れも起きやすいでしょう」
原国さんがみんなの表情を確認して、ゆっくりと説明を続ける。
「例えば最初に私が言ったように、誰かから何かを奪うためにその場の誰かを殺す。そんな無法も行える。人間に被害を与えることへのペナルティの有無についてすら、あの声は教えませんでした」
確かに、ゲームでいうところのPvP、PKについては何も言及されていない。PKペナルティ、デスペナルティ、これだけゲーム的であるならあっていい説明だ。
「それどころか言葉を濁して、モンスターではなく、人を殺して経験点等を得たりすることすら可能だと、匂わせている。夢だから思うが侭にやれ、といわれ、夢だと思いこんでいるなら、安易に暴虐に走る人間はいるでしょう」
その言葉にごくりと唾を飲み込む。
「何せ、夢の中で初対面の人間に自分の実在性を、証明することは出来ないのだから。自分の頭で作り出した夢の中の人間、だと認識したなら更に容易に、安易に、人を殺せる人間がいてもおかしくはない」
「でも私たちの中にはそんな人は1人もいなかった……」
ぽつりと、有坂さんが呟く。
「そうです。ですが、思い出してください。パーティーはあと2人、登録出来る」
パーティー登録画面には、残り2人登録可能の文字があった。
「それを考えた時、私達のようにあの説明を受けて、このダンジョンにいる人間が他にもいるのではないか? という疑念が浮かびました」
「確かに、6人までなのに4人なのはちょっと変だとは思いましたけど……」
だからあの時、原国さんはほかの人間がいることを前提にして、僕のスキルの開示について話をしたのか。
「……そして私達は真瀬くんのお陰で運よく、苦戦しなかったのではないか、と思うとゾッとしませんか」
少し間を置いて原国さんが言う。
「たまたま、このメンバーだったから、今、楽に進めているだけで、本来なら真瀬くんがくれたガチャの武器やスキルは得られていない。初期装備の武器は攻撃力は+5です」
「俺の剣もそうだな」
武藤さんが言う。初期装備があったことに気付いたのは、ガチャ武器を装備する時だったとも。
「真瀬くんが最初に私に与えてくれた弓の攻撃力は+50で属性強化30%、初期武器の10倍威力かつ属性強化まで乗っている。だからこそ一撃でモンスターを倒せたのでは? そして真っ当に協力をし合えるメンバーだからこそ、私は範囲魔法を取れましたが、範囲魔法もガチャの武器もなく、ここまでにいた5匹のモンスターを無傷で果たして倒せたのか」
懸念、危惧。僕はそんなことに全然気付かなかった。
「いくらスキルがあったとして我々は人間。出て来たのは猪サイズの素早い獣である鼠のモンスターです。本来ならば、最初の2匹でも苦戦したのでは? と」
「……最初の2匹では、レベル上がりませんでしたね」
ぽつりと有坂さんが言う。パーティー登録をしていると経験点は全員に分配される。だから数を倒す必要がある。
「そうです。レベル1で負傷、回復役がいても次の戦闘は3匹でした。3匹いたのがわかったのも真瀬くんがくれたスキルのお陰で、本来なら気配などもわからない」
「いやいやいや待てよおっさん。わかるけど、あんま脅かすなよ。坊主のお陰でかなり恩恵を受けているのは最初からわかってたこったろう?」
「そうです。だからこそ、私は何があっても君たちを守らないといけないと思ったし、私のこの懸念を知っておいて欲しかったんですよ」
警戒するために、と重い言葉で原国さんが言う。
「私が他の人間がいることを確信したのはね、最初のモンスターを倒した場所の床、壁にまだ渇ききっていない血痕があったからです。モンスターの血は紫、それも倒せば消えてなくなる。残るのはコインだけ。ならばあった血痕は?」
「……人間の、負傷者がいるってことか……?」
薄暗くて特に注意を払わなければ、ダンジョンの壁や床の汚れに注視したりはしない。
僕もコインの血を見たのに、スルーしてしまった。
原国さんのこの観察眼と思考力は一体どこから来ているのだろう?
「それだけではありません。何故私がこんなことをここで言ったのか、この画面を見て頂ければわかります」
「え…っ?」
『クエスト・真実の入り口に触れたものクリア』
「これは、他の人間が同じようにダンジョンにいる、と確信した時のクリア表示です。そして」
『クエスト・真実の入り口に入りしものクリア』
「これが、私が夢ではないのではないか? ただの夢である方が不自然だ、と直感的に確信した時に出たクリア表示です」
ぞっと、鳥肌が立つ。
「この画面を見ながら、よく聞いていてください、皆さん」
原国さんが告げる。クエストのはてなマークの並ぶ一覧が、何かとんでもなくおぞましいもののような気がする。
「このダンジョン攻略で、死亡した者は、現実世界でも死亡する、と私は確信している」
原国さんの声に応えるように、彼のスマホが震え、表示がポップアップする。
『クエスト・真実の腹の中 クリア』
その瞬間、全員のスマホが震えた。
『パーティークエスト、ダンジョンの真実が開始されました』
22
あなたにおすすめの小説
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。
夜兎ましろ
ファンタジー
高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。
ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。
バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
みそっかす銀狐(シルバーフォックス)、家族を探す旅に出る
伽羅
ファンタジー
三つ子で生まれた銀狐の獣人シリル。一人だけ体が小さく人型に変化しても赤ん坊のままだった。
それでも親子で仲良く暮らしていた獣人の里が人間に襲撃される。
兄達を助ける為に囮になったシリルは逃げる途中で崖から川に転落して流されてしまう。
何とか一命を取り留めたシリルは家族を探す旅に出るのだった…。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。
異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。
せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。
そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。
これは天啓か。
俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる