カラーメモリー『Re・MAKECOLAR』

たぬきち

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カラーエブリデイ その5

89色 黄瀬屋敷へようこそ 執事編

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 しばらくして、クロロンがイブキくんと一緒に執事服姿で戻ってきた。

「…………」

 クロロンはイブキくんのマネをしているのか、胸の前に右手を置き、ピシッと立っていた。

「キャー! クウくん執事姿かっこかわいいよー」

 またしてもリーンはどこからかカメラを取り出してクロロンを撮りまくる。

「クロロン! メイドさんのカッコウも似合ってたけど、そのカッコウも似合ってるね!」
 
 わたしもクロロンの前にいき服装をほめる。

「ありがとうございます。 『あかりお嬢様』」
「!?」
「えへへ……あかりお嬢様って照れちゃうな~」

 突然、お嬢様なんてよばれちゃって頭をかきながら照れる。

「ちょっ!? あかりんずるいよ! クウくん、わたしもお嬢様ってよんで!」
「ワタクシもお願いしますわ」

 なぜか二人がクロロンにグイグイと迫る。

「なにいってるんだい? キミならいつも僕が脳筋お嬢って呼んでやってるじゃないか、それに僕もカッコイイだろう?」
「そうだね、かっこいいかっこいい」
「メガネ取ったらどうですの?」

 レータは自身満々にいうけど、適当に流されてしまう。

「なんで、そんなに適当なんだい? さすがに傷つくんだが」
「安心して、レータもかっこいいよ!」
「同情っぽくて逆に哀しくなるよ」

 わたしは親指をビシッと立ててほめるけど、逆にレータをへこませてしまったみたいだ。

「じゃあさ、せっかく執事服になってくれたから、今度は執事ごっこをしようよ!」

 わたしはふと思った提案をすると、リーンとフラウムは互いをみて確認すると頷いてくれる。

「面白そうですわね」
「いいねいいね、それなら、クウくんに合法的にお嬢様っていってっもらえるね……ぐふふ」

 なぜかリーンはヨダレを拭きながら不敵に笑う。

「では、はじめましょうか、お嬢様方、こちらにお座りください」
「意外とノリノリだね」

 もう執事スイッチのはいっているクロロンにレータはすこし驚きながら返す。

「お待たせしました。 何なりとお申し付けください。お嬢様方」

 わたしたちが席に座ると早速クロロンが聞いてくる。
 
「なんでもいってもいいの?」
「はい、構いません」
「!?」
「ちょっと待て!」

 リーンの言葉にクロロンはなにも疑問を持たずに返すけど、フラウムとレータが慌てて止める。

「キミ、この機に及んで良からぬことをしようとしたね」
「失礼だね! わたしは『お風呂にお湯を淹れてきて』ってお願いしようとしただけだよ!」
「その程度なら構いませんよ」
「そして、『一緒にはい……ぐえぇっ!?」

 リーンが最後までいう前にフラウムがリーンに手刀をいれ、リーンはバタンッと音を立て机に倒れる。

「紅茶を淹れて頂けますか?」

 フラウムは笑顔でリーンに代わってお願いをする。

「紅茶風呂をご所望ですか?」
「いえ、コップ一杯で大丈夫ですわ」

 首を傾げながらいうクロロンにフラウムは冷静に返す。

「かしこまりました。 この『黄瀬空太きのせくうた』、お嬢様の為に命がけで淹れさせて頂きます」

 クロロンはザ・執事といった感じのお辞儀をするけど、フラウムを含めた数人のカラダがすこしビクッとした気がした。

「ん? どうしたの? みんな」
「い、いえ、なにも」

 わたしは聞くけど、はぐらかされてしまう。
 
「では、お願いしますわ」
「はい、かしこまりました。 シャンパンいっちょーいただきました~」
「クウくんちがう」

 まったく違うことをいうクロロンにリーンはつっこむ。

「ドンペリでしたか?」
「いや、ちがうね」

 クロロンは首を傾げながらいうけど、冷静に返す。

「シャンパンタワーでレッツパーリィですか?」
「そのテンションは執事じゃなくてホストだね」
「シャパンショパンパパンのパン」
「え? なんでそんなにテンション高いの?」
「お待たせしました。 未成年ですので、シャンパンタワーは出来ませんが、マグカップタワーを用意いたしました」

 イブキくんの後ろをみると、いつの間にかマグカップがたくさん積まれていた。

「ティータワーレリゴー!」
「片付けてください」
「かしこまりました」
 
 イブキくんは用意したティーカップタワーを片付ける。
 その間に三人は紅茶をいれる。


「おまたせしました~ご注文の『ティーティーティー』でございまーす」
「……紅茶3つ」

 めちゃくちゃテンション高くいうクロロンの隣でシアンは冷静に紅茶をだしてくれる。

「ありがとうございます。 では、頂きますわ」
「いっき! いっき! ふーしーちょー!」
「それは飲み会のノリだね」

 すこしずれているクロロンの執事テンションに翻弄されながらもわたしたちは紅茶を一口飲む。

「え!? おいしい!」
「ほんとだ!」

 わたしたちは口々に紅茶の味に驚く。

「これっていつものと変わりませんよね?」
「はい、いつもの茶葉を使用しているはずですが」

 フラウムも驚いていうとイブキくんもフシギそうに返す。

「こちらのティーはみっくんが淹れました」
「え? シアンが?」

 わたしが首を傾げながら聞くと言葉を続ける。

「はい、では、イカシタ紅茶ソムリエをご紹介します。 ヘイッ!カモンッ!!」
「……となりいる」

 クロロンは手を叩いてシアンを呼ぶけど、思いっきり隣にいた。

「どうやってこんなおいしいのいれたの?」
「……ねえのマネしただけ」
「え? それだけ?」
「それだけ」

 シアンはあっけらかんと答えると、席に座って自分の分を淹れて飲む。

「相変わらず、マイペースだな」

 それをみたレータがため息交じりにいう。

「メガタくんもレッツパーリィ?」
「キミはいつまでそのテンションなんだい?」

 しばらくして、クロロンは満足したのか元の感じに戻った。

「あはは、楽しかったね」

 執事? のテンションが楽しかったのかクロロンは楽しそうに笑う。

「メイドの時とは違って、随分とノリノリだったじゃないか」
「そうだね、だって、さすがに男なのにメイドさんやれなんて恥ずかしいよ」

 思い出したのか、クロロンはすこし恥ずかしそうにいう。

「でも、似合ってたけどな~わたしはまたみたいかも」

 わたしがいうとクロロンは驚いた顔をするけど、すぐに頬をかきながらいう。

「あはは、まあ、今回みたいに報酬があればまたやったりするかも……なんてね」
「!?」

 今のクロロンの発言に数人が反応した気がした。

「ねえ、フウちゃん……今の発言、聞き間違いじゃないよね?」
「ええ、しっかりとこの耳に挟みましたわ」
「ああ、僕の耳にもしっかりとインプットされたね」
「……えっ?」

 三人の反応をみたクロロンの顔が青ざめていく。

「ちょ、ちょっとまって!? 今のは冗談だから! 愉快な国のジョークのジョー君だから!!」
 
 クロロンは慌てて発言の撤回をする。

「だそうですが、どうしましょうか?」
「そんなこといわれてもね~なあ?」

 二人はとても悪い顔をすると、リーンが悪い顔であるものをだす。

「そうだねぇ~しっかりと『録音』しちゃったからなぁ~」
「え!?」

 リーンのだしたものそれは『小型レコーダー』だった。 そして、それを再生する。

【今回みたいに報酬があればやったりする】

「ええ!? いつのまに!? しかも、なんでそんな都合のいいところだけ!?」

 クロロンは慌ててそれを取ろうとするけど華麗にかわされる。

「なんでって、そりゃあねぇ~世の中、都合のいいものだけ取り入れるものだよ~」
「……ううっ」
「これから、楽しみですわねーおほほ」

 地面に手をつくクロロンをみながら三人はとても悪い笑いをする。

「もお! みんな! クロロンをいじめちゃだめだよ!」

 みていられなくなったわたしは三人の前に立ち物申す。

「いろのさん……!」

 それをみたクロロンは期待の眼でわたしをみる。

「まかせてクロロン! わたしがなんとかするから!」

 クロロンの為にわたしは三人に向き直り言い放つ。

「さあ! 三人の悪行はここまでだよ!」

 きまった! ……わたしは三人に指をビシッとむけて言い放つとそう思った。

「あかりん」
「なに?」

 リーンが声をかけてきてわたしは身構える。 さあ、こい! どんな言葉も論破してやる!

「クウくんのかわいい姿またみたくないの?」
「みたい!!」
「いろのさん!?」

 いきなり即落ちしてしまった。

「あ……! え、えっと、みたいけど、ちがう!」
「もう認めてますわね」

 いけないいけない、気を取り直してわたしは冷静を装い言葉を返す。

「そう……残念だな」
「え?」
「わたしたちの仲間になればまたみれるのにな……」
「…………」

 そんな誘惑には負けない!
 
 なんて思っていると、レータがあるものをみせてくる。

「!?」

 それは、クロロンのメイドさん姿の写真だった。

「今なら、これをやろうじゃないか」

 わたしは負けない!

 葛藤するわたしにレータはもう一枚の写真をみせる。 それは、クロロンのかわいい寝顔の写真だった。

「!?」
「キミも仲間にならないか?」

 …………そんな……誘惑には……

 わたしは静かレータと握手をかわす。

「いろのさん……!!」

 クロロンは絶望の声を上げながら地面に崩れる。 それをみたシアンは優しくクロロンの肩に手を置く。

「みっくん……」

 クロロンは最後の希望をシアンにむける。

 シアンは静かに立ち上がるとレータの前に立ち静かにレータと握手をかわす。

「……!!」

 それをみたクロロンの絶望の叫びが響き渡った。

「ごめんね、クロロン」

 地面に崩れるクロロンにわたしは一応謝っておいた。 

 
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