カラーメモリー『Re・MAKECOLAR』

たぬきち

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救え! セーラン商店街編

90色 ピンチ? 商店街に訪れし死角!

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 私の名前は丸内林檎まるうち りんご。 この商店街の中にある八百屋兼探偵事務所に店を構える丸内家の一人娘です。

 ここは町の人達で賑わうはずのセーラン商店街。 なぜ、そんな疑問形で云うのかというと……

「静かですね」
「そうだね」
「そだねー」

 実家の八百屋の手伝いをしながら、わたしが云うと、向かいのお店にいる幼馴染のトウマくんとその近くで宙に浮いているノワルがあくびをしながら返してくれる。

 今、この商店街は賑わいが一切なく人通りもまばらだった。 ほんの数か月前まではいつも沢山の人で賑わっていたはずなのですが、今月に入ってからというもの突然と人が減ってしまったんです。 その理由は……

「やはり『アレ』の影響はでかいですね」

 私は店の屋上に上がりそこからみえるある建物をみる。
 その建物は商店街から少し離れた場所にある『ショッピングモール』です。 つい数週間前にできたそれは、とある大手企業が立ち上げたもので、この商店街の近くの土地を買い取って建設したらしいです。
 おかげさまでショッピングモールは大盛況、そのかわりにこの商店街のお客様を根こそぎ捕られた感じです。

「……はぁ」

 私は大きな溜息をつく。

「久々の登場だというのに、なんですか、この状況は」
「メタいよ……りんごちゃん」
「?」

 ふと、愚痴をこぼした私に後ろからツッコミが入り、振り返るとトウマくんとノワルがいた。

「おや、二人とも不法侵入ですか?」
「いや、違うよ、ちゃんとりんごちゃんのお母さんに許可は取ったよ」
「おじゃましまーす」
 
 慌てて弁明するトウマくんとは違ってノワルは陽気に笑いながらいう。

「あはは~アランのお店も暇だから遊びにきちゃった~」
「まあ、笑い事ではないけど、そういうことだね」

 笑いながらいうノワルの横でトウマくんは頬をかきながら苦笑いする。

「それにしても、あそこ楽しそうだね~ぼくたちも遊びにいく~?」
「ライバルのところにわざわざ行くわけないじゃないですか……と、ツッコミたいところですが、そうも云ってられないかもしれないですね」
「え? どういうこと?」

 私の言葉にトウマくんは頭にハテナを浮かべながら聞いてきたので、説明する。

「この商店街は私達の産まれる何世代も前からありますよね?」
「うん」
「ふるくさいよね~」

 私の問いにトウマくんは頷く。 ノワルには手刀を放つけど、華麗に避けられる。

「まあ、ノワルのいう事を肯定してしまう形にはなりますが、この商店街はご老人の方が経営されているお店も多くあります。 その方達だけならず、私達のお店も常連のお客様方のチカラがあってやってこれました。 それが突然パタリといなくなってしまったらどうなりますか?」
「それって、かなりマズイんじゃ!?」

 トウマくんも気づいたのか慌てていう。

「はい、正直いうと今現在はギリギリの経営になっているお店もあるはずです」
「あはは~笑いごとじゃないねー」

 ノワルもことの重大さに気づいたようだ。

「敵情視察という奴ですね。 要は急げです」

 私は二人を連れてショッピングモールに向かうことにした。

 と、その前にある人物にも声をかける。

「……という訳です。 貴方も来ますか? スミレ」

 私はショッピングモールに行く前に実家がケーキ屋兼喫茶店の友人のスミレに声をかける。

「ナニよそれ? わざわざ敵の中に飛び込むなんてバカなことをするつもり?」

 スミレはとても怪訝な顔でいうと、私達に言い放つ。

「ワタシはごめんよ。 そんなのアナタたちで勝手にやりなさい」
「でも~ムラサキちゃんのお店もすっからかんだよね~」
「ナニ? 消されたいの?」

 笑いながらいうノワルにスミレは睨みつけながらいう。

「まあ、そう云わずに気持ちは解かります。 ですが、敵を知ってこそ見えるものがあるっていうじゃないですか」
「ナニをいってもムダよ」

 スミレの意志は固いようです。 なら、私はとっておきの情報を出すことにする。

「ショッピングモール内にあるとある喫茶店のコーヒーゼリーが絶品みたいですね~」
「!?」

 わざとらしくいう私の言葉にスミレは解かりやすく反応する。

「もしかしたら、ここのより美味しいかもしれませんね~」
「!? ……ふざけないで」

 おっと、ちょっと言い過ぎましたかね?

「その情報は確かなの?」
「……まあ、あくまで噂です」

 私はフォローをいれる。

「……そんなことはゆるせないわ。 ワタシの……ワタシたち家族代々作り上げたモノより、ぽっとでのモノが美味しいなんてそんなのゆるせない」

 スミレはドス黒いオーラを放ちながら怒りに震える。

「あの笑顔もまたみたいですものね」
「!?」

 怒りに震えるスミレに私は言葉を続ける。

「あの純粋に美味しそうにスミレ達、ご家族の作ったモノを食べるあの幸せそうな笑顔が見たいですもんね」
「…………」

 私が問いかけるとスミレは静かにオーラを沈めてエプロンを取る。

「すこし出かけてくるわ」

 スミレは中にいる家族にそういうとエプロンをレジの中の椅子に畳んでおく。

「ナニしてるのよ、さっさといくわよ」

 私達はショッピングモールへと向かった。
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