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ひと夏の思い出編
120色 森の奥に潜むモノ
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「きゃあああああ!!」
「うわあああああ!!」
突然、前から叫び声が聞こえ、反射的に叫んでしまい、周囲に悲鳴が響いた。
「……って……あれ? クロロン! スミレ!」
尻もちをつきながら前を確認すると、スミレがクロロンに抱きついて二人が座り込んでいた。
「え!? なんで二人は抱きついてるの? ……はっ! まさか! そういうこと!? きゃー♪ キャー♪ 青春だねー!」
「!? ちっちがうわよ! 急にアナタが飛び出してくるから、そう、事故よ!」
わたしがコーフンしているとスミレは慌てて、クロロンから放れていってくる。しかし、そんなわたしをみたクロロンが首を傾げながら聞いてくる。
「あれ? いろのさん『ひとり』?」
クロロンの言葉にわたしは「はっ!」となり、慌ててさっきのことを思い出す。
「そ、そうだ! 大変なの……!」
ガサガサガッサ!!
「!?」
わたしが伝えようとすると、背後からナニかがわたしに向かって飛び出してくるのがわかったけど、確認しようと背後を振り向く暇もなかった。
「! あぶない!!」
クロロンが叫ぶと同時に手を前にかざし、手が黄緑色に光り、そこから強い風が吹いた。
ビュオンッ!
バシーンッ!!
風の音と同時にナニかが弾き飛ばされる音が響く。 振り返り確認すると、背後のツルが弾き飛ばされていた。 しかし、すぐにこっちに向かってくる。
「いろのさん! こっち!」
クロロンがわたしを呼び、わたしは慌ててクロロンとスミレの横に立つ、クロロンは今度は両手を前にかざし、さっきよりも強い風をだした。
「えい!!」
さっきよりも遠くにツルは飛ばされた。 だけど、またしてもすぐに向かってくる。
「いくら風をぶつけてもムダよ!」
「で、でも! 時間はかせがないと……」
スミレの指摘にクロロン本人もわかっているみたいで、何度も向かってくるツルに風を飛ばす。
「とにかく距離を取るわよ!」
スミレはそういうと後ろ腰に掛けていた大きな菫色のカギを引き抜き、右手にすこし大きめの鍵付きチェーンを二本だして、わたしたちに一本ずつ渡してきた。
「なにこれ?」
「説明は後よ! とりあえず、絶対放さないで」
スミレはたたみかけるようにいうと、両手に握った大きなカギをツルの逆方向に構える。
「『キーホール』!」
スミレが呪文を唱えるとカギの先から紫の球体のようなモノを遠くに飛ばして、それに引っ張られるようにスミレのカラダが浮いて、その飛ばしたナニかに引かれていった。 わたしとクロロンの持っていたカギのチェーンもスミレのカギに引っ張られてわたしたちのカラダも飛んでいく。
「うわああああ!?」
「うえええええ!?」
突然カラダを引っ張られて飛ばされた、わたしとクロロンは変な悲鳴を上げてしまうけど、カギを放さないように必死にしがみつく。
数百メートルぐらい一直線に飛んでいき、『鍵穴』のようなモノにスミレのカギが刺さり止まる。
「と……とまった」
「ふ……ふう」
勢いが止まり、安心するわたしとクロロンだったけど、ツルがわたしたちを追ってきていた。
「『キーホール』!」
「え?」
「へ?」
スミレは鍵穴からカギを抜くと、また呪文を口にする。それを聞いたわたしとクロロンはポカンと口を開ける。 その直後またカラダがすごい勢いで引っ張られる。
「あああああああ!?」
「あいいいいいい!?」
まるでジェットコースターに乗っているかのようなスピードと高低な動きを繰り返す。
「い、いしきとんじゃうよおおお!!!」
「がんばって!!」
わたしは意識が飛びそうなのを必死にがまんする。
「は……は……は、はき……うぷ……」
「がまんして!!」
クロロンが顔を真っ青にして口を押えたくても両手が塞がっていて押えられないので必死にがまんする。
数回程鍵穴の行き来を繰り返し、なんとかツルから距離を取っていたけど、スミレの動きと顔色が悪くなっているのに気付いた。
「す、スミレ! だいじょうぶ!?」
「……だいじょうぶにみえる?」
スミレはつらそうに息を切らしながらいい、ふらふらとしながらカギを構える。
「『魔力切れ』だよ! これ以上ムリをしたらむらさきさんがあぶないよ!」
「でも……このま……ま、つかまるわけにはいかないでしょ……」
クロロンはスミレを止めるけど、スミレのいう通り、このままでは捕まってしまうのはたしかだ。
「ど、どうしよう……」
わたしは追ってくるツルをみながら必死に考える、なにかいい方法はないか……なにか逃れる方法はないか……どうにかしてみんなの居場所でもわかれば……なにかみんなの場所が分かるものがあれば…………『もの』?
「!」
わたしはリーンから受け取った『カメラ』を思い出す。 ポケットからそれを取り出して眺める。
「…………」
たしかリーンはわたしにこれを渡した後『ナニかを投げた』、そして、わたしの視界が『すこし変わった』のだ。 わたしは中に入っているのを確認する。 すると、中にフィルムが入っていた。 カメラのことはよくわからないけど、だぶんこれは未使用のフィルムかもしれない……リーンがあの時、新品のフィルムを投げて、中のフィルムの『場所と中身』を魔法で入れ替えたんだ。 それでわたしを逃がしてくれたんだ。
でも、それがわかったところでどうしようもない……『魔力感知』ができれば、魔法で入れ替えたフィルムの場所とリーンの場所がわかるかもしれない……だけど、わたしは魔力感知は得意じゃないよ…………。
「…………やるしかない!」
考えてる暇なんてない! わたしはカメラを両手に握り強く念じる。 そして、カラダの魔力を集中させる。
「いろのさん?」
「なにやってるのよ! にげるわよ!」
「まって!」
カギを構えて魔法を唱えようとするスミレを止める。
「クロロン! おねがいっ! すこしだけ時間をつくってぇっ!」
わたしは必死に叫ぶようにお願いすると、クロロンは強く頷きわたしの前に立ち、両手を構える。
「本当にちょっとしかつくれないかもしれないけど、ごめんね!」
クロロンは両手に魔力を溜めて全力で風を打ち出す。
その間にわたしは魔力を集中させて周囲に感知を掛ける。
「……うっ!」
ムリに範囲を広げているから、意識が飛びそうになるのをこらえる。
(おねがい! おねがい! みんなをみつけて!)
わたしの精神が途切れそうになった瞬間、突然、わたしの手が白く輝きだした。
「!?」
突然輝きだした手に驚くのと同時にナニかを『感じた』。 その方向に意識を向けると『いくつかの魔力の色』が視えた。
「『みつけた』!」
わたしの言葉に二人は驚いた顔でわたしをみる。
「スミレ! あっちに飛んで!」
「は!?」
突然、『何もない場所』に指をさして言いだすわたしにスミレは困惑する。
「むらさきさんおねがい! いろのさんを信じよう!」
クロロンも驚いていたけど、わたしを信じてスミレに訴えかける。
「……放さないでよ」
わたしたちの気持ちを受け取ったスミレは一言告げると、カギをその場所に向ける。
「『キーホール』!」
スミレは呪文を唱えるとわたしのいった方向に飛んでいき、わたしたちも引っ張られていく。
「そのままずっとその方向におねがい!」
飛ばされながらわたしはスミレに指示すると、スミレはなにもいわずその方向に飛び続ける。
「!?」
数回スミレのチカラで飛んでいくと『開けた場所』にでた。 そして、その瞬間スミレの魔力が切れてしまったのか、スミレは空中で意識を手放してしまった。 そして、わたしたちは滑るように地面に転がった。
「あぶない!」
クロロンは空中でスミレの下になってスミレのクッションになった。
「大丈夫! クロロン! スミレ!」
「ぼ、ぼくはだいじょうぶ……それよりいろのさんとむらさきさんはだいじょうぶ?」
心配したわたしにクロロンは逆に心配してくれた。 そして、すぐにスミレを確認する。
「スミレだいじょうぶ!?」
「…………」
「たぶん、魔力切れでムリして使っちゃったから気絶しちゃったんだね」
意識のないスミレをみてクロロンがいう。
「ごめんね。 スミレ……」
わたしはムリをさせてしまったことを謝ると、周囲を確認する。
「……ここは」
そこは湖とでもいえばいいのだろうか、だけど、とても不自然なところだった。
「~~!」
「!」
そして、わたしたちをみて驚いた表情を浮かべる『少女』と『目が合った』。
「うわあああああ!!」
突然、前から叫び声が聞こえ、反射的に叫んでしまい、周囲に悲鳴が響いた。
「……って……あれ? クロロン! スミレ!」
尻もちをつきながら前を確認すると、スミレがクロロンに抱きついて二人が座り込んでいた。
「え!? なんで二人は抱きついてるの? ……はっ! まさか! そういうこと!? きゃー♪ キャー♪ 青春だねー!」
「!? ちっちがうわよ! 急にアナタが飛び出してくるから、そう、事故よ!」
わたしがコーフンしているとスミレは慌てて、クロロンから放れていってくる。しかし、そんなわたしをみたクロロンが首を傾げながら聞いてくる。
「あれ? いろのさん『ひとり』?」
クロロンの言葉にわたしは「はっ!」となり、慌ててさっきのことを思い出す。
「そ、そうだ! 大変なの……!」
ガサガサガッサ!!
「!?」
わたしが伝えようとすると、背後からナニかがわたしに向かって飛び出してくるのがわかったけど、確認しようと背後を振り向く暇もなかった。
「! あぶない!!」
クロロンが叫ぶと同時に手を前にかざし、手が黄緑色に光り、そこから強い風が吹いた。
ビュオンッ!
バシーンッ!!
風の音と同時にナニかが弾き飛ばされる音が響く。 振り返り確認すると、背後のツルが弾き飛ばされていた。 しかし、すぐにこっちに向かってくる。
「いろのさん! こっち!」
クロロンがわたしを呼び、わたしは慌ててクロロンとスミレの横に立つ、クロロンは今度は両手を前にかざし、さっきよりも強い風をだした。
「えい!!」
さっきよりも遠くにツルは飛ばされた。 だけど、またしてもすぐに向かってくる。
「いくら風をぶつけてもムダよ!」
「で、でも! 時間はかせがないと……」
スミレの指摘にクロロン本人もわかっているみたいで、何度も向かってくるツルに風を飛ばす。
「とにかく距離を取るわよ!」
スミレはそういうと後ろ腰に掛けていた大きな菫色のカギを引き抜き、右手にすこし大きめの鍵付きチェーンを二本だして、わたしたちに一本ずつ渡してきた。
「なにこれ?」
「説明は後よ! とりあえず、絶対放さないで」
スミレはたたみかけるようにいうと、両手に握った大きなカギをツルの逆方向に構える。
「『キーホール』!」
スミレが呪文を唱えるとカギの先から紫の球体のようなモノを遠くに飛ばして、それに引っ張られるようにスミレのカラダが浮いて、その飛ばしたナニかに引かれていった。 わたしとクロロンの持っていたカギのチェーンもスミレのカギに引っ張られてわたしたちのカラダも飛んでいく。
「うわああああ!?」
「うえええええ!?」
突然カラダを引っ張られて飛ばされた、わたしとクロロンは変な悲鳴を上げてしまうけど、カギを放さないように必死にしがみつく。
数百メートルぐらい一直線に飛んでいき、『鍵穴』のようなモノにスミレのカギが刺さり止まる。
「と……とまった」
「ふ……ふう」
勢いが止まり、安心するわたしとクロロンだったけど、ツルがわたしたちを追ってきていた。
「『キーホール』!」
「え?」
「へ?」
スミレは鍵穴からカギを抜くと、また呪文を口にする。それを聞いたわたしとクロロンはポカンと口を開ける。 その直後またカラダがすごい勢いで引っ張られる。
「あああああああ!?」
「あいいいいいい!?」
まるでジェットコースターに乗っているかのようなスピードと高低な動きを繰り返す。
「い、いしきとんじゃうよおおお!!!」
「がんばって!!」
わたしは意識が飛びそうなのを必死にがまんする。
「は……は……は、はき……うぷ……」
「がまんして!!」
クロロンが顔を真っ青にして口を押えたくても両手が塞がっていて押えられないので必死にがまんする。
数回程鍵穴の行き来を繰り返し、なんとかツルから距離を取っていたけど、スミレの動きと顔色が悪くなっているのに気付いた。
「す、スミレ! だいじょうぶ!?」
「……だいじょうぶにみえる?」
スミレはつらそうに息を切らしながらいい、ふらふらとしながらカギを構える。
「『魔力切れ』だよ! これ以上ムリをしたらむらさきさんがあぶないよ!」
「でも……このま……ま、つかまるわけにはいかないでしょ……」
クロロンはスミレを止めるけど、スミレのいう通り、このままでは捕まってしまうのはたしかだ。
「ど、どうしよう……」
わたしは追ってくるツルをみながら必死に考える、なにかいい方法はないか……なにか逃れる方法はないか……どうにかしてみんなの居場所でもわかれば……なにかみんなの場所が分かるものがあれば…………『もの』?
「!」
わたしはリーンから受け取った『カメラ』を思い出す。 ポケットからそれを取り出して眺める。
「…………」
たしかリーンはわたしにこれを渡した後『ナニかを投げた』、そして、わたしの視界が『すこし変わった』のだ。 わたしは中に入っているのを確認する。 すると、中にフィルムが入っていた。 カメラのことはよくわからないけど、だぶんこれは未使用のフィルムかもしれない……リーンがあの時、新品のフィルムを投げて、中のフィルムの『場所と中身』を魔法で入れ替えたんだ。 それでわたしを逃がしてくれたんだ。
でも、それがわかったところでどうしようもない……『魔力感知』ができれば、魔法で入れ替えたフィルムの場所とリーンの場所がわかるかもしれない……だけど、わたしは魔力感知は得意じゃないよ…………。
「…………やるしかない!」
考えてる暇なんてない! わたしはカメラを両手に握り強く念じる。 そして、カラダの魔力を集中させる。
「いろのさん?」
「なにやってるのよ! にげるわよ!」
「まって!」
カギを構えて魔法を唱えようとするスミレを止める。
「クロロン! おねがいっ! すこしだけ時間をつくってぇっ!」
わたしは必死に叫ぶようにお願いすると、クロロンは強く頷きわたしの前に立ち、両手を構える。
「本当にちょっとしかつくれないかもしれないけど、ごめんね!」
クロロンは両手に魔力を溜めて全力で風を打ち出す。
その間にわたしは魔力を集中させて周囲に感知を掛ける。
「……うっ!」
ムリに範囲を広げているから、意識が飛びそうになるのをこらえる。
(おねがい! おねがい! みんなをみつけて!)
わたしの精神が途切れそうになった瞬間、突然、わたしの手が白く輝きだした。
「!?」
突然輝きだした手に驚くのと同時にナニかを『感じた』。 その方向に意識を向けると『いくつかの魔力の色』が視えた。
「『みつけた』!」
わたしの言葉に二人は驚いた顔でわたしをみる。
「スミレ! あっちに飛んで!」
「は!?」
突然、『何もない場所』に指をさして言いだすわたしにスミレは困惑する。
「むらさきさんおねがい! いろのさんを信じよう!」
クロロンも驚いていたけど、わたしを信じてスミレに訴えかける。
「……放さないでよ」
わたしたちの気持ちを受け取ったスミレは一言告げると、カギをその場所に向ける。
「『キーホール』!」
スミレは呪文を唱えるとわたしのいった方向に飛んでいき、わたしたちも引っ張られていく。
「そのままずっとその方向におねがい!」
飛ばされながらわたしはスミレに指示すると、スミレはなにもいわずその方向に飛び続ける。
「!?」
数回スミレのチカラで飛んでいくと『開けた場所』にでた。 そして、その瞬間スミレの魔力が切れてしまったのか、スミレは空中で意識を手放してしまった。 そして、わたしたちは滑るように地面に転がった。
「あぶない!」
クロロンは空中でスミレの下になってスミレのクッションになった。
「大丈夫! クロロン! スミレ!」
「ぼ、ぼくはだいじょうぶ……それよりいろのさんとむらさきさんはだいじょうぶ?」
心配したわたしにクロロンは逆に心配してくれた。 そして、すぐにスミレを確認する。
「スミレだいじょうぶ!?」
「…………」
「たぶん、魔力切れでムリして使っちゃったから気絶しちゃったんだね」
意識のないスミレをみてクロロンがいう。
「ごめんね。 スミレ……」
わたしはムリをさせてしまったことを謝ると、周囲を確認する。
「……ここは」
そこは湖とでもいえばいいのだろうか、だけど、とても不自然なところだった。
「~~!」
「!」
そして、わたしたちをみて驚いた表情を浮かべる『少女』と『目が合った』。
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