カラーメモリー『Re・MAKECOLAR』

たぬきち

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ひと夏の思い出編

121色 森に潜む少女

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 わたしと眼の合った少女の間にすこしの沈黙が走る。 少女はわたしたちをみて驚いた顔をしてしばらく固まっていたけど、険しい表情になり、こちらを睨みつける。


「~~~~~~!」
「え?」

 眼の合った少女はわたしたちにナニかを言っているけど、『ナニを言っているのかわからなかった』。

「あ……あの……あなたはだれ?」
「~~!?」

 わたしが問いかけると、少女も驚いた表情を浮かべる。 やっぱり、『互いに言葉が通じてない』みたいだ。

「……もしかして、『言葉が通じてない』?」

 クロロンも同じ事を思ったのか、意識を失って倒れてしまったスミレに自分のパーカを被せてあげながら、少女……っていっても、たぶん、わたしたちと同い年ぐらいの女の子をみる。 わたしもクロロンと一緒に女の子の姿を確認する。

 その子はすこし『変わったカッコウ』をしていた。 服はすこし汚れている感じでなんて言えばいいんだろう……コスプレっていうのかな? 『魔法使いみたいな』? でも、ちょっと違う様な? 強いていうなら、ワンピースの様な服の上に大きなマントを被ったカッコウをしていた。

 シアンと似たようなキレイな空色の瞳にとても整った顔。 クロロンみたいなかわいいとも感じるし、フラウムみたいなキレイとも感じる顔立ちだった。

「~~~~!」

 女の子がまた話かけてくるけど、やっぱりわからない。

「ヘイッ!!」
「!?」

 わたしは思い切って片手を上げて笑顔でいうけど、やっぱり驚いた顔をするだけだ。

「セイッ!!」
「?」

 クロロンもわたしと同じ感じで言うけど、さらに疑問符が女の子の頭の上に浮かぶ。

「や、やっぱり、通じてないね。 外の国の人かな?」
「そうなのかな? ぼく、外文が全然わからないから、どこの国の言葉かわからないな……」

 わたしとクロロンは互いを見合っていると、クロロンがわたしの後ろをみてナニかに気づく。

「い、いろのさん! あれ!」

 クロロンの指さした方に顔を向けると、すこし遠くてよく見えないけど、数人の人影が倒れていた。

「あれってもしかして!」

 わたしもその影の正体になんとなく気づき、そこに向かって走りだす。

「あ、まっていろのさ……ん……あれ……?」

 地面の草木にナニか倒れる音が後ろでして振り返ると、クロロンが地面に手を付いていた。

「クロロン!? どうしたの!?」

 わたしは慌ててクロロンの下に戻り、クロロンの前にしゃがむ。

「……! も、もしかして……『魔力の枯渇』?」

 クロロンはハッとなり呟く。

「え!? もしかして、さっきいっぱい風魔法を使ったから!?」
「…………たぶん……ちがう」

 わたしはさっきのことを思い出していうと、クロロンは苦しそうに答える。

「『魔力が吸われてる』かも」
「え!?」

 クロロンの言葉にわたしは目を見開く。 『魔力が吸われてる』って、『クロロンだけ』? なんで? 『わたしは平気』だよ。

「いろのさん……にげて……!」

 わたしが考えを巡らせていると、クロロンはわたしの後ろをみて必死にいい、背後の気配に振り返ると、無数の魔法陣が周りに広がっていた。

「えっ!!」

 驚いたのと同時に魔法陣から植物がこちらに襲いかかってきた。

「……うっぐう!」

 クロロンはチカラを振り絞って、片手で風を起こしてツルを吹き飛ばすけど、数本しか止めれず、そのまま残りが襲いかかってくる。

「う、うわあああああ!!」

 わたしは必死に叫び、手を前にかざすと、両手が白くヒカリだして、周りにドーム状のバリアができる。

「!?」


 バシーーーンッ!!
 

 ドーム状のバリアは無数のツルを弾き飛ばした。 それをみた女の子は目をを見開いて驚いた表情を浮かべた。 クロロンも同じく驚いた表情を浮かべる。

「……え……これって」

 わたし自身が一番驚いているけど、数回目のその感覚に『なつかしさ』を覚える。

「ば、バリア?」

 クロロンは驚きながら、わたしをみると眼を輝かせる。

「す、すごいよ! いろのさん! スーパーシールド魔法を使えたんだね!」
「……う、うん、たぶん」

 わたしは尻もちをつきながら自分の手をみると、手が『白く輝いて』いた。

 バジィィィン!!!

「!?」

 ナニかを叩きつけるような大きな音に顔を上げると、無数の巨大なツルがわたしが出した? バリアを何度も叩きつけていた。

「あ……あっ……どうしよう」

 わたしはこのままではバリアが壊されちゃうと慌てるけど、『突然でたチカラの使い方がわからず』ただ、弱々しく声を出すことしか出来なかった……。

 ……ピキッ


 バリアにヒビが入ってしまい、それと同時にツルはヒビの入った場所を重点的に何度も激しく叩きだした。 
 
 亀裂の音がどんどん大きくなって、もう限界だと感じた瞬間、


『パゥンッ!』


 突然、弾ける様な、『けずる』様な? ヘンな音がするのと同時にツルが『えぐられていた』。

「!?」

 突然の奇妙な光景にわたしとクロロン、少女が再度、目を見開きながら驚いていると、バリアの前にひとりの少年が姿を現した。

「! マモ!!」

 わたしは驚きながら、前に立った少年の名を叫ぶと、マモは一瞬こちらに顔を向けるが、「……ふん」とめんどくさそうな表情を浮かべ、すぐに顔を反らす。 

「……二人とも、大丈夫か?」

 マモから少し遅れてシアンも姿をみせる。

「シアン!」
「二人とも無事だったんだね。 よかった」

 わたしとクロロンは助けてくれたことも含めて、二人が無事だったことに安心する。

「お前か、『この世界の理に反するモノ』は」
「え?」

 安心するわたしたちを他所にマモは少女にそんな言葉をぶつけるけど、少女はマモをみたまま驚いたような『怖がっている』ような表情を浮かべる。

「…………」
「~~!!」

 マモをみつめて固まっていたけど、意を決したように顔を強張らせると、たくさんの魔法陣を出現させツルをだし、マモに向かわせる。

「マモ!!」
「『シェイブ』」

 わたしの声を気にせず、マモは冷静に唱えると右手から紫色の魔力を纏うと、右腕を前に振り、ツルを『えぐる』。

 えぐられたツルは地面にバタバタと音を立てながら落ちていく。

「ーーーーー!?」
「……なるほど、思っていたよりは、『使えるな』」

 ツルを防がれた少女は驚いて固まっているけど、マモはそれを一切気にせず、自分の手をみながら呟く。

「……さて、どう『使う』か」


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