122 / 124
ひと夏の思い出編
122色 マモノノチカラ2
しおりを挟む
「……さて、どう『使う』か」
マモは自分の手をみながら呟き、ナニかを考える様な顔をする。 そんなマモの姿を驚いて固まってみていた少女はすぐにハッとした表情を浮かべると後ろに飛び上がると距離を取る様に宙に浮く。
「『ーーーーーー』!」
少女はナニか呪文のような言葉を発すると、周囲に無数の魔法陣が出現して、そこからいくつものツルが飛び出し、マモに向かって襲いかかる。 しかし、マモは自分の手を見つめたまま動かない。
「マモ!!」
「…………」
わたしが叫ぶのと同時にマモの姿が消える。
「!?」
消えたマモに驚くけど、ツルはすぐに方向転換をすると、追いかけるように追撃する。
わたしは一切マモの動きが見えなかったけど、少女はマモの位置を的確に追いかけていく。
時折、弾ける様な音が聞こえ、ツルが削れて落ちて行くのが見えるだけだ。
「……あれ?」
二人の激しい魔法のぶつかり合いに驚いて固まっていたわたしの後ろでクロロンがナニかに気付いたような声を出す。
「どうしたの?」
「…………」
クロロンにどうしたのか聞くと、クロロンはゆっくりと立ち上がって両手を握ったり開いたりを数回した後答える。
「『魔力が回復してる』」
「え?」
「……!」
その言葉にわたしは目を見開きながら驚くけど、クロロンはナニかに気付いたのか上を見る。
「もしかして、『これ』のおかげ?」
「『これ』?」
『これ』がナニを指しているのか分からず、首を傾げると、今度はクロロンに驚いた顔を向けられる。
「え、いろのさん、『これ』だよ、『これ』!」
「?」
クロロンは上を指して教えてくれるけど、指された場所をみても頭にハテナが増えるだけだった。
「『いろのさんが出したバリア』だよ!」
「え!?」
クロロンの言葉にやっとハッとなって無意識にだしたドーム状のバリアを見るけど、まだ、わたし自身がこのチカラのことを分かっていないから、『魔力の回復』なんてチカラがあることに驚く。
「……う…う」
クロロンの後ろで魔力切れで倒れていたスミレが唸る。
「スミレ!」
「……?」
スミレが少しずつ目を開く、まだ、意識が朦朧としているのか浅い呼吸を繰り返す。 意識が戻ってきたスミレを確認してわたしは安心する。
「……マモ!」
「!?」
シアンの声に振り返ると、『マモがツルに捕まっていた』。
「マモ!!」
「……くっ……!」
マモは少し苦しそうに声をだす。
「………!」
助けないと! そう思ったけど、わたしはろくな魔法が使えないからこの距離から助けれるチカラもないし、今この場所を動いてしまったらバリアが解けちゃうかもしれない。 どうしよう! どうしよう!!
「みっくん! みんなをおねがい!!」
「……!?」
わたしがパニックになっていると、クロロンがシアンに向かって叫んだ。 シアンも突然のことに驚いた顔をする。 だけど、そんなわたしたちを振り切るようにクロロンが『バリアの外に走り出した』。
「えっ!? クロロン!?」
「クウタ!」
わたしたちの驚きの声を振り切り、クロロンはマモに向かって走りながら叫ぶ。
「マモくん!! 『ぼくのカラダを使って』!!」
「!!」
マモはクロロンの言葉に一瞬驚いた表情をするけど、すぐに不敵な笑いを浮かべる。
「『リリース』!」
呪文を口にすると、レータのカラダから赤色の火の玉みたいな魂が抜け、クロロンに向かっていく。
【テイクオーバー】
赤色の魂からそんな声が聞こえると、クロロンに向かっていた勢いが早まり、クロロンのカラダに吸い込まれていく。
「うっ!」
赤色と緑色の光が激しくぶつかり眩い煌めきに目を閉じる。
「……う…う」
激しい光が収まり、ゆっくりと目を開くとクロロンのカラダの周りに赤色と緑色の魔力がつむじ風のように吹いていた。
マモは自分の手をみながら呟き、ナニかを考える様な顔をする。 そんなマモの姿を驚いて固まってみていた少女はすぐにハッとした表情を浮かべると後ろに飛び上がると距離を取る様に宙に浮く。
「『ーーーーーー』!」
少女はナニか呪文のような言葉を発すると、周囲に無数の魔法陣が出現して、そこからいくつものツルが飛び出し、マモに向かって襲いかかる。 しかし、マモは自分の手を見つめたまま動かない。
「マモ!!」
「…………」
わたしが叫ぶのと同時にマモの姿が消える。
「!?」
消えたマモに驚くけど、ツルはすぐに方向転換をすると、追いかけるように追撃する。
わたしは一切マモの動きが見えなかったけど、少女はマモの位置を的確に追いかけていく。
時折、弾ける様な音が聞こえ、ツルが削れて落ちて行くのが見えるだけだ。
「……あれ?」
二人の激しい魔法のぶつかり合いに驚いて固まっていたわたしの後ろでクロロンがナニかに気付いたような声を出す。
「どうしたの?」
「…………」
クロロンにどうしたのか聞くと、クロロンはゆっくりと立ち上がって両手を握ったり開いたりを数回した後答える。
「『魔力が回復してる』」
「え?」
「……!」
その言葉にわたしは目を見開きながら驚くけど、クロロンはナニかに気付いたのか上を見る。
「もしかして、『これ』のおかげ?」
「『これ』?」
『これ』がナニを指しているのか分からず、首を傾げると、今度はクロロンに驚いた顔を向けられる。
「え、いろのさん、『これ』だよ、『これ』!」
「?」
クロロンは上を指して教えてくれるけど、指された場所をみても頭にハテナが増えるだけだった。
「『いろのさんが出したバリア』だよ!」
「え!?」
クロロンの言葉にやっとハッとなって無意識にだしたドーム状のバリアを見るけど、まだ、わたし自身がこのチカラのことを分かっていないから、『魔力の回復』なんてチカラがあることに驚く。
「……う…う」
クロロンの後ろで魔力切れで倒れていたスミレが唸る。
「スミレ!」
「……?」
スミレが少しずつ目を開く、まだ、意識が朦朧としているのか浅い呼吸を繰り返す。 意識が戻ってきたスミレを確認してわたしは安心する。
「……マモ!」
「!?」
シアンの声に振り返ると、『マモがツルに捕まっていた』。
「マモ!!」
「……くっ……!」
マモは少し苦しそうに声をだす。
「………!」
助けないと! そう思ったけど、わたしはろくな魔法が使えないからこの距離から助けれるチカラもないし、今この場所を動いてしまったらバリアが解けちゃうかもしれない。 どうしよう! どうしよう!!
「みっくん! みんなをおねがい!!」
「……!?」
わたしがパニックになっていると、クロロンがシアンに向かって叫んだ。 シアンも突然のことに驚いた顔をする。 だけど、そんなわたしたちを振り切るようにクロロンが『バリアの外に走り出した』。
「えっ!? クロロン!?」
「クウタ!」
わたしたちの驚きの声を振り切り、クロロンはマモに向かって走りながら叫ぶ。
「マモくん!! 『ぼくのカラダを使って』!!」
「!!」
マモはクロロンの言葉に一瞬驚いた表情をするけど、すぐに不敵な笑いを浮かべる。
「『リリース』!」
呪文を口にすると、レータのカラダから赤色の火の玉みたいな魂が抜け、クロロンに向かっていく。
【テイクオーバー】
赤色の魂からそんな声が聞こえると、クロロンに向かっていた勢いが早まり、クロロンのカラダに吸い込まれていく。
「うっ!」
赤色と緑色の光が激しくぶつかり眩い煌めきに目を閉じる。
「……う…う」
激しい光が収まり、ゆっくりと目を開くとクロロンのカラダの周りに赤色と緑色の魔力がつむじ風のように吹いていた。
0
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
『まて』をやめました【完結】
かみい
恋愛
私、クラウディアという名前らしい。
朧気にある記憶は、ニホンジンという意識だけ。でも名前もな~んにも憶えていない。でもここはニホンじゃないよね。記憶がない私に周りは優しく、なくなった記憶なら新しく作ればいい。なんてポジティブな家族。そ~ねそ~よねと過ごしているうちに見たクラウディアが以前に付けていた日記。
時代錯誤な傲慢な婚約者に我慢ばかりを強いられていた生活。え~っ、そんな最低男のどこがよかったの?顔?顔なの?
超絶美形婚約者からの『まて』はもう嫌!
恋心も忘れてしまった私は、新しい人生を歩みます。
貴方以上の美人と出会って、私の今、充実、幸せです。
だから、もう縋って来ないでね。
本編、番外編含め完結しました。ありがとうございます
※小説になろうさんにも、別名で載せています
女性が少ない世界に転生した控えめ伯爵令嬢、なぜか五人の婚約候補に選ばれて少しずつ恋を知っていきます
ノッポ
恋愛
女性が極端に少ない異世界に転生した私は、気づけば伯爵令嬢になっていた。
前世は日本で普通に生きていたせいか、貴族令嬢らしい強気な振る舞いがどうしても苦手。
社交界デビューを迎えても、「どうして私が選ばれるの?」と戸惑うばかりだった。
けれど今年デビューする高位令嬢はわずか三人。
家同士の思惑も重なり、騎士団長家の息子、宰相子息、魔術師団長の息子、幼なじみの侯爵子息、そして英雄騎士――
五人の若きエリートとのお見合いが次々と始まってしまう。
遠慮がちで控えめな性格は、この世界では珍しく、気づけば少しずつ距離を縮めていく彼ら。
異世界での恋愛に戸惑う日々。けれど出会いを重ねるたびに、私は少しずつ変わっていく――。
女性希少世界で、自分の幸せを選べるようになるまでの逆ハーレム恋愛ファンタジー。
異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました
黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。
彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。
戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。
現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと!
「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」
ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。
絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。
伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進!
迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る!
これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー!
美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。
人生、逆転できないことなんて何もない!
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
小さな貴族は色々最強!?
谷 優
ファンタジー
神様の手違いによって、別の世界の人間として生まれた清水 尊。
本来存在しない世界の異物を排除しようと見えざる者の手が働き、不運にも9歳という若さで息を引き取った。
神様はお詫びとして、記憶を持ったままの転生、そして加護を授けることを約束した。
その結果、異世界の貴族、侯爵家ウィリアム・ヴェスターとして生まれ変ることに。
転生先は優しい両親と、ちょっぴり愛の強い兄のいるとっても幸せな家庭であった。
魔法属性検査の日、ウィリアムは自分の属性に驚愕して__。
ウィリアムは、もふもふな友達と共に神様から貰った加護で皆を癒していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる