下宿屋 東風荘 3

浅井 ことは

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七泊八日

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その後は外からではなく室内から台所に行き、お土産のお菓子をみんなで食べてと三箱渡していて、その後は鍋の使い方と調味料の使い方を教えると言ったので、部屋に戻って本の続きを読む。

「ゆっきー」

「何?」

「ゆっきーは旅行とか行ったことあるんですか?」

「中学と小学校で行ったよ。中学はディズニーランドで、小学校は京都と奈良」

「大仏さんですね!」

「よく知ってるね?行ったことあるの?」

「冬弥様が旅をしている時に。葛餅が忘れられません」

「しーちゃんも、食べ物につられるのか……」

「そんな事ないですー!」

「だってこの前も……」

「それは内緒です。沢山お団子を食べていたことは内緒なのです!」

「ほら、ね?おやつ好きなの知ってるもん」

「ううっ!お団子美味しいからつい……」

「言わないから大丈夫だよ?」

「良かったです……」

その後夕飯の時間になっても冬弥と京弥は帰ってこず、夜は少しだけ足のマッサージをしてから寝ることにした。

朝もいつも通りに起きていくと、みんな何事も無かったように挨拶してくるのでもう問題は解決したのかな?と部屋に入る。

「あれ?いつ帰ってきたの?」

「先程……兄もそろそろ帰ってくると思いますよ?それより、おはようでしょう?」

「あ、おはよう……」

「で、足の傷は痛みます?」

「擦り傷だけだったし、傷薬も塗ってもらったから平気だけど、結局どうなったの?このままお祭り行けないのかなぁ」

「今回は2つの件が絡んでましてねぇ。城の方でしっかりと話してきたので一つは大丈夫です。もう一つはやはり城からの入れ知恵と、不作にした上で敢えて牢に入ってこの冬を過ごそうと企んだ野党でした。数人人間界でもお世話になったことがあるようで、それをみんなに教えたらしいです。雪翔の事はそのついでだったようですねぇ」

「ついでって……怖かったのに……」

撫で撫で撫で撫で撫で撫で……

「キュー!」

翡翠もなでてと言わんばかりに早速出てきたが、何故か冬弥に高い高いされ、キャッキャッと喜んでいるが、冬弥は何かを見ているようで、最終的には膝の上に乗せ撫でている。

「紫狐から話は聞きましたが、翡翠がなにかしたようには感じませんねぇ。やはり雪翔が無意識にこの子達を守ろうとして力が働いたのでしょうか……」

「僕もわからないんだけど……」

「そのうちわかると思いますが、翡翠は甘やかしすぎじゃないですか?」

「だって、出てくるんだもん。泣くから可愛そうになっちゃって」

「そろそろ躾も必要ですねぇ」

「お爺ちゃんはまだいいって言ってたよ?」

「話す頃からでしたっけ?」

「そう聞いてるよ」

「そうですねぇ……もう少し様子みましょうか」

その後久しぶりに台所に立つと言ったのでついていくと、周りから散々止めに入られたのにも関わらず大根を手に食材を探しているので、諦めた方がいいよとみんなに話す。
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