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七泊八日
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誰かが近づいてくる音がして襖が開いて見ると、祖母と栞が着物を手に探したと入ってくる。
「これ、着物できたからって預かったの。お正月に着て欲しいって」
「もう出来たの?」
「後、これも!」
小さい子供用の着物が二着と翡翠のものであろう柔らかい生地の服が着物の柄で作ってあり、女の子だからか着物と色違いのものもあった。
「可愛い……」
「お正月は気分だけでもって母が。私達着物姿見れなくて残念だわ」
「帰ったらまた着るよ。三日までお正月だし」
「本当?良かった!」
「じゃあ、着物は私が着せてあげるわね。周太郎も手伝ってちょうだい」
「はい」
その後は翡翠を出して色々着せ替えて見て、あまりにもみんなで遊んでしまったので拗ねたのか、自分から戻って行ってしまった。
「可愛かったのになー」
「でも自分から戻りましたねぇ」
「珍しい……」
着物をたたんで、洋服も籠の中に入れてしまってから、天気もいいので外に出たいと言って庭に出る。
周太郎にも入口には近づいてはダメだと言われ、暇だよと文句を言うと、庭木の手入れをした事はあるのかと聞かれる。
「無いよ?だって庭師さんとか来るんじゃなないの?」
「年に数度来てもらってますが、簡単なことは私がやってるんです。暇な時に草むしりしたりとか、こうやって時間が空いた時に植木の手入れなど」
「難しくない?」
「慣れですが、このあたりの植木は低いので座ってするんです。この小さい枝切り鋏で、古い枝を切るだけなので簡単ですよ」
教えて貰いながら、少しずつ枝を切っていき綺麗な丸い形に整える。
離れてみると綺麗な形になっており、残り三つも同じように切っていく。
「出来た!これでいいの?」
「はい。坊ちゃんは器用なのでこういったことに向いているのかも知れませんね。私が初めてした時はもう形がめちゃくちゃでして……御館様は笑ってましたが」
「それいくつの時?」
「まだ小さい頃ですよ?今でも細かいことは少々苦手で……」
箒で落ちた枝を履いて綺麗にしてから、一つの変な形の盆栽を見せられる。
「ほとんど坊主だね……」
「これ……昔御館様に枝を切ってくれと言われて全部切ったものなんです。今頃やっと葉が出てきたんです」
「盆栽とかは分からないけど、お爺ちゃんとか好きそうだよね」
「ええ、引退されてからは良く手入れされてました。最近はまとめてする感じでしょうか。そこの縁側に座られて良くしてましたよ?」
「想像つくかも。お婆ちゃんは何してるの?」
「よく針仕事をされてます。今は幸様の赤子の着物をこっそりと。我々も無事生まれてくるようにとこの前お守りを買ってきたんです。まだ渡せてませんが」
「渡してあげようよ」
「ですが、やはり出すぎたことかとも思ってしまって……」
「そんな事ないよ。今から行こう?誰が持ってるの?」
「使用人頭の親父さんが持ってます」
「僕会ったことある?」
「有りますよ?いつも台所の奥で算盤弾いてますけど」
「話したことないなぁ……」
周太郎を連れて台所の奥に行って話をすると、手紙と一緒に持っていって欲しいと言われ、周太郎と幸さんの部屋まで行く。
「幸さん……あの、起きてますか?」
「雪翔君?どうぞ」
「ごめんなさい寝てる所……具合どうですか?」
「平気。病気じゃないの。でもみんなが寝てなさいって言うから」
「これなんですけど……」と手紙とお守りと渡す。
「周太郎さんも部屋の前で待ってるんですけど、僕が早く渡そうって言って……」
「ありがとう……」
手紙を読みながら涙ぐんでいたが、内容は聞くことが出来ず、起きれるようになったらみんなにお礼を言うと言っていたので、そう伝えると部屋を後にする。
「これ、着物できたからって預かったの。お正月に着て欲しいって」
「もう出来たの?」
「後、これも!」
小さい子供用の着物が二着と翡翠のものであろう柔らかい生地の服が着物の柄で作ってあり、女の子だからか着物と色違いのものもあった。
「可愛い……」
「お正月は気分だけでもって母が。私達着物姿見れなくて残念だわ」
「帰ったらまた着るよ。三日までお正月だし」
「本当?良かった!」
「じゃあ、着物は私が着せてあげるわね。周太郎も手伝ってちょうだい」
「はい」
その後は翡翠を出して色々着せ替えて見て、あまりにもみんなで遊んでしまったので拗ねたのか、自分から戻って行ってしまった。
「可愛かったのになー」
「でも自分から戻りましたねぇ」
「珍しい……」
着物をたたんで、洋服も籠の中に入れてしまってから、天気もいいので外に出たいと言って庭に出る。
周太郎にも入口には近づいてはダメだと言われ、暇だよと文句を言うと、庭木の手入れをした事はあるのかと聞かれる。
「無いよ?だって庭師さんとか来るんじゃなないの?」
「年に数度来てもらってますが、簡単なことは私がやってるんです。暇な時に草むしりしたりとか、こうやって時間が空いた時に植木の手入れなど」
「難しくない?」
「慣れですが、このあたりの植木は低いので座ってするんです。この小さい枝切り鋏で、古い枝を切るだけなので簡単ですよ」
教えて貰いながら、少しずつ枝を切っていき綺麗な丸い形に整える。
離れてみると綺麗な形になっており、残り三つも同じように切っていく。
「出来た!これでいいの?」
「はい。坊ちゃんは器用なのでこういったことに向いているのかも知れませんね。私が初めてした時はもう形がめちゃくちゃでして……御館様は笑ってましたが」
「それいくつの時?」
「まだ小さい頃ですよ?今でも細かいことは少々苦手で……」
箒で落ちた枝を履いて綺麗にしてから、一つの変な形の盆栽を見せられる。
「ほとんど坊主だね……」
「これ……昔御館様に枝を切ってくれと言われて全部切ったものなんです。今頃やっと葉が出てきたんです」
「盆栽とかは分からないけど、お爺ちゃんとか好きそうだよね」
「ええ、引退されてからは良く手入れされてました。最近はまとめてする感じでしょうか。そこの縁側に座られて良くしてましたよ?」
「想像つくかも。お婆ちゃんは何してるの?」
「よく針仕事をされてます。今は幸様の赤子の着物をこっそりと。我々も無事生まれてくるようにとこの前お守りを買ってきたんです。まだ渡せてませんが」
「渡してあげようよ」
「ですが、やはり出すぎたことかとも思ってしまって……」
「そんな事ないよ。今から行こう?誰が持ってるの?」
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「僕会ったことある?」
「有りますよ?いつも台所の奥で算盤弾いてますけど」
「話したことないなぁ……」
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「幸さん……あの、起きてますか?」
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「ごめんなさい寝てる所……具合どうですか?」
「平気。病気じゃないの。でもみんなが寝てなさいって言うから」
「これなんですけど……」と手紙とお守りと渡す。
「周太郎さんも部屋の前で待ってるんですけど、僕が早く渡そうって言って……」
「ありがとう……」
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