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四社巡り
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「雪翔君、先にお風呂入って」
「はーい」
風呂から出て台所に行くと、ご飯が出来ていたのでいただきますと食べる。
「明日晴れるかな?」
「もう雨も上がってるから大丈夫じゃない?」
「朝八時には出ようと思うんだけど」
「早いのねぇ」
「うん、歩くより遅いから……」
「そう?速度あげたら早いのに」
「誰もいなかったらそうするけど、人がいたらゆっくりになっちゃう。お店も車椅子対応のところは見つけてあるから、お昼は外で食べるね」
「お弁当じゃなくていいの?」
「うん」
「何かあればすぐ連絡してね。あ、変な人についてったらダメよ?」
「そこまで子供じゃないよ?」
「近場って言っても観光地になってるから、人は多いかも。気をつけてね?」
「うん。そうだ、小銭ある?」
「幾ら?」
「えっと、25円。五円玉が欲しくて」
「貯金箱にあるから待っててね」
栞が最近500.100.50.10.5.1と瓶で分けて小銭貯金している中から5枚五円玉をもらう。
「ありがとう。ご馳走様でした!僕もうねるね」
遠足前のように寝れないかと思ったが、ぐっすりと寝てカーテンを開けると晴天だった。
「いってきまーす!」
家を出て大通りに出てから、東風神社へと向かう。
久しぶりに宮司さんにも会い、お参りしてから秋彪のいる秋風神社へと向かう。
地図を見ると、徒歩十五分と書いてあったが、三十分近くかかり、スロープを探して登ると遠回りになってしまったが何とか着いた。
五円玉を入れてお参りし、一度しかきたことなかったなぁと改めて周りをゆっくりと見る。
「あれ?雪翔じゃん」
「秋彪さん」
「どうかしたのか?」
「えっと、四社巡りしてるの。これ……」
紙を見せると、寺に行くのかと言われ、ここから近いと道を教えてくれた。
「気を付けて行けよ?俺今日は離れられないんだ」
「大丈夫だよ」
またねと社を後にして、教えてもらった道を行くと大きな塔が見える。
「あ、あれだ!」
道も舗装されていて人も少なかったので、スピードをあげて進むと、三重塔があり、奥には大きな建物があった。それ以外にも古い建物があり、入口から彫り物がすごく、壁と上についている小さな屋根の間の彫り物も細かくて綺麗でつい写真を撮ってしまう。
「凄い、大きい!」
中の仏像は撮影禁止だったが、はるか昔に出来たものがこんなに綺麗に残っていて、さらに作りも細やかで見惚れてしまう。
「こんにちは、地元の子かな?」
「こんにちは。住職さん?ですか?」
「はい。熱心に見ていたのでね、何かわからないことでもあったのかな?」
「僕、引っ越してきて1年なんですけど、ずっと入院してたから、今日四社巡りしてて……このお寺は行った方がいいって勧められてきたんですけど、彫り物がすごいなって……」
「それは大変でしたね。ここの建物は奈良時代のものですが、鎌倉時代に三重塔が出来ました。その後、火災で一部焼けてしまって室町時代に修復してると文献にあります」
「へぇ……だから、彫り物も少しずつ違うのかな?」
「その時代によって少しずつ違いますよ?今日は人も少ないですから、良いものをお見せしましょう」と言われて、本堂の横の部屋に入れてもらう。
「車椅子のままでいいですよ。これが、半分程焼け残った鳳凰。こちらが彫り掛けの鳳凰。今本堂にあるのが室町時代に出来た鳳凰です。違いがわかりますか?」
「えっと、昔の方が顔が鳥っぽくない感じ?それに細かいけど荒い感じ?」
「元々色もついていたそうです。この彫り掛けのはどうですか?」
「ごめんなさい、鶏みたい……」
「ははは!よくそう言われる方がいますよ?彫り師によって全く違いますから。今本堂にある鳳凰は、ここからならよく見えると思います。その窓から見ていいですよ」
「良いんですか?」
「はい、子供たちの見学にはよくここを使いますから、駄目という事はないんです」
「うわぁ、綺麗……」
「昔は玄武、白虎、青龍と東西南北に彫られていたようですが、今残って居るのはこれだけです」
「他はどうしたんですか?」
「これ自体は2メートル四方のものなので、大きくないのですが、火災で紛失となってまして。一説にはどこかにまだあるとも書かれてますが、所在は分からないままなのですよ」
「見たかったなぁ。鳳凰も今にも飛び立ちそう……」
「君は彫り物をするのですか?」
「はい、大工の棟梁に習って少しですけど……」
「それで熱心に見てたんですね」
「はい……」
「この寺ではよく見えるようにと五月だけ扉が開きます。その時にまた違う角度から見るのもいいかもしれないですよ?」
「はい、また来ます。ありがとうございました」
お礼を言い、寺を出てから智の道という所を車椅子で進み、地図の場所とお店と見て今いる場所を確認する。
時間は11:00
早めにお店に入ろうとうどん屋さんに入り、天ぷらうどんのセットを頼む。
食べ終わってから薬を飲んで、お会計を済ませてから、近くにある車椅子用のトイレに行き、場所的に南風神社が近いとコースを変えて進む。
のんびりと一時間ほどかけて着くと、道の真ん中に大きな橋がかかっており、下は川が流れていた。
「那智さんのところ大きい……」
参拝を済ませて、立て札を読みながら周りをぐるっと一周する。
社の前だけではなく、所々色んな狐が置いてあり、ふとみんなの顔がよぎる。
「はーい」
風呂から出て台所に行くと、ご飯が出来ていたのでいただきますと食べる。
「明日晴れるかな?」
「もう雨も上がってるから大丈夫じゃない?」
「朝八時には出ようと思うんだけど」
「早いのねぇ」
「うん、歩くより遅いから……」
「そう?速度あげたら早いのに」
「誰もいなかったらそうするけど、人がいたらゆっくりになっちゃう。お店も車椅子対応のところは見つけてあるから、お昼は外で食べるね」
「お弁当じゃなくていいの?」
「うん」
「何かあればすぐ連絡してね。あ、変な人についてったらダメよ?」
「そこまで子供じゃないよ?」
「近場って言っても観光地になってるから、人は多いかも。気をつけてね?」
「うん。そうだ、小銭ある?」
「幾ら?」
「えっと、25円。五円玉が欲しくて」
「貯金箱にあるから待っててね」
栞が最近500.100.50.10.5.1と瓶で分けて小銭貯金している中から5枚五円玉をもらう。
「ありがとう。ご馳走様でした!僕もうねるね」
遠足前のように寝れないかと思ったが、ぐっすりと寝てカーテンを開けると晴天だった。
「いってきまーす!」
家を出て大通りに出てから、東風神社へと向かう。
久しぶりに宮司さんにも会い、お参りしてから秋彪のいる秋風神社へと向かう。
地図を見ると、徒歩十五分と書いてあったが、三十分近くかかり、スロープを探して登ると遠回りになってしまったが何とか着いた。
五円玉を入れてお参りし、一度しかきたことなかったなぁと改めて周りをゆっくりと見る。
「あれ?雪翔じゃん」
「秋彪さん」
「どうかしたのか?」
「えっと、四社巡りしてるの。これ……」
紙を見せると、寺に行くのかと言われ、ここから近いと道を教えてくれた。
「気を付けて行けよ?俺今日は離れられないんだ」
「大丈夫だよ」
またねと社を後にして、教えてもらった道を行くと大きな塔が見える。
「あ、あれだ!」
道も舗装されていて人も少なかったので、スピードをあげて進むと、三重塔があり、奥には大きな建物があった。それ以外にも古い建物があり、入口から彫り物がすごく、壁と上についている小さな屋根の間の彫り物も細かくて綺麗でつい写真を撮ってしまう。
「凄い、大きい!」
中の仏像は撮影禁止だったが、はるか昔に出来たものがこんなに綺麗に残っていて、さらに作りも細やかで見惚れてしまう。
「こんにちは、地元の子かな?」
「こんにちは。住職さん?ですか?」
「はい。熱心に見ていたのでね、何かわからないことでもあったのかな?」
「僕、引っ越してきて1年なんですけど、ずっと入院してたから、今日四社巡りしてて……このお寺は行った方がいいって勧められてきたんですけど、彫り物がすごいなって……」
「それは大変でしたね。ここの建物は奈良時代のものですが、鎌倉時代に三重塔が出来ました。その後、火災で一部焼けてしまって室町時代に修復してると文献にあります」
「へぇ……だから、彫り物も少しずつ違うのかな?」
「その時代によって少しずつ違いますよ?今日は人も少ないですから、良いものをお見せしましょう」と言われて、本堂の横の部屋に入れてもらう。
「車椅子のままでいいですよ。これが、半分程焼け残った鳳凰。こちらが彫り掛けの鳳凰。今本堂にあるのが室町時代に出来た鳳凰です。違いがわかりますか?」
「えっと、昔の方が顔が鳥っぽくない感じ?それに細かいけど荒い感じ?」
「元々色もついていたそうです。この彫り掛けのはどうですか?」
「ごめんなさい、鶏みたい……」
「ははは!よくそう言われる方がいますよ?彫り師によって全く違いますから。今本堂にある鳳凰は、ここからならよく見えると思います。その窓から見ていいですよ」
「良いんですか?」
「はい、子供たちの見学にはよくここを使いますから、駄目という事はないんです」
「うわぁ、綺麗……」
「昔は玄武、白虎、青龍と東西南北に彫られていたようですが、今残って居るのはこれだけです」
「他はどうしたんですか?」
「これ自体は2メートル四方のものなので、大きくないのですが、火災で紛失となってまして。一説にはどこかにまだあるとも書かれてますが、所在は分からないままなのですよ」
「見たかったなぁ。鳳凰も今にも飛び立ちそう……」
「君は彫り物をするのですか?」
「はい、大工の棟梁に習って少しですけど……」
「それで熱心に見てたんですね」
「はい……」
「この寺ではよく見えるようにと五月だけ扉が開きます。その時にまた違う角度から見るのもいいかもしれないですよ?」
「はい、また来ます。ありがとうございました」
お礼を言い、寺を出てから智の道という所を車椅子で進み、地図の場所とお店と見て今いる場所を確認する。
時間は11:00
早めにお店に入ろうとうどん屋さんに入り、天ぷらうどんのセットを頼む。
食べ終わってから薬を飲んで、お会計を済ませてから、近くにある車椅子用のトイレに行き、場所的に南風神社が近いとコースを変えて進む。
のんびりと一時間ほどかけて着くと、道の真ん中に大きな橋がかかっており、下は川が流れていた。
「那智さんのところ大きい……」
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