下宿屋 東風荘 3

浅井 ことは

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四社巡り

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「今、現代風に書き直してますからもう少し待ってくださいね。あれでは誰も読めません。破れそうで扱いも怖いですから」

「冬弥様、雪翔君の力って……」

「そうですねぇ。今は身を守ることだけでいいでしょう。星詠は星座など知識もいりますし、力は使い方によっては人を傷つけます。そのことだけ忘れないでくださいね」

「はい」

「では、栞さんお茶ください。人形焼き食べましょう!」

餡とカスタードではやはり翡翠たちはカスタードが好きみたいで、冬弥や栞の狐はあんが好きなようだった。

「あと一つ……」

じーっと見る翡翠に、可愛そうだと思いながらも冬弥にあげる。

「むー!」

「良いんですか?私翡翠に恨まれるの嫌ですよ?」

「だって、この家の一番偉い人は冬弥さんだもん」

「パ……」

「家長だもんね?」

「あ……はい……」

がっくりと肩を落としながらも、翡翠に半分分けてくれている。

「忘れてました!これ読んでおいてくださいね。巻物の中にあって、雪翔に1番合うのではないかと書いておきました」

「身を守る方法みたいだけど……」

「多分式の使い方と思います。図形も沢山あったので、それはコピー機で印刷しましたから、合わせて読んでみてください」

分かったと言って歯磨きをしてから布団に入り、足をマッサージしてから寝ようと横になりながら、もらった紙を読んでいく。

「えっと、円の中に星のマークで、悪いものから身を守る?何で書くんだろう?」

服に縫い付けたり、木の棒で即席で書いたりといくつか書いてあったが、先程のように念を込めるだけでもできるとあったので、いつか使う時があるのかもしれないと思い、頭にだけ入れておく。

「ねるのー!」

「ひーちゃん待ってね、もうちょっとだけ……」

そう言いながら結局一通り目を通してから電気を消す頃には、もうみんな寝てしまっていた。
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