56 / 87
星のマーク
.
しおりを挟む
残ったのは京弥・夏樹・三郎と四郎・周太郎・昴に冬弥。
「さてと。玲、あなたはうちの兄と夏樹さんを守ってください。得意でしょう?」
「もうバレてるしな」
「三郎と四郎はこのあたりの社狐を確認して、社に戻してあげてください。その後は一旦家に戻ってみんなを守ってください」
「周太郎、戻りますか?」
「わわ私は坊ちゃんの側におります!」
「二人は無理はしないこと。昴さん、私は雪翔と社の内外を調べますから、周辺を頼みます。合流はここでいいですか?」
任せとけという言葉と共にみんなが動き出したので、危険じゃないのかと冬弥に言うも、これだけの人混みで、早々に術を使っては来ないだろうと、外の壁から調べ始める。
「この社も古いですから、隠し通路とか昔はあったみたいですよ?」
「だったらそこにいるってことは無いの?」
「無いでしょうねぇ。ただ、秋彪の性格だとすべての通路を知っていてもおかしくないんですけど、一つだけこの社には入れない通路があるんです」
「なんで冬弥さんが知ってるの?」
「秋彪が来るまで、色々とこのあたりを調べてましたから。うちの社の地下に、いつ出来たのかわからない通路がありましてね、その先も通れないんですよ。横の脇道はいくつか繋がっていて、この近くにも出れるので、中とも繋がってます。冬も南も同じでした。今からその開かなかった通路の入口に行きます」
一旦社の周辺を周り、何も無いと確認してからこっそりと本殿の横の扉から中に入る。
中は、本殿の真下に当たるようで、色々とものが置いてあり、なにかの祭事に使うのであろう小物から、掃除用具に至るまで様々整理されておいてあり、奥に置いてある棚を冬弥と周太郎で動かすと下に降りる床下収納のような扉が出てきた。
「ここから入るの?」
「ここの事くらいは宮司も知ってると思いますよ?だから棚で隠してあってんでしょうし。後で直しておけばいいでしょう。はい!」
「え?やだ……」
冬弥がしゃがみ、おんぶの格好をしたので、嫌だと言ったが、自力では降りるすべがない……
「雪翔、ヤダじゃなくてですね、結構奥深いんでせめてぶら下がってもらわないと。周太郎ではガタイが大きいので無理でしょう?」
「うう……」
仕方なく冬弥の肩に掴まって、おんぶをしてもらい、下に続く階段を降りていく。
おぶさっていても急な坂になっていることはわかるため、なるべく動かないように注意するが、冬弥も背が高いので、上の梁の部分にたまに頭をぶつけて、「痛っ!狭いっ!」と文句を言いながら降り、下についてやっと車椅子に戻された時には、冬弥の手から狐火がいくつも出ていた。
「藍狐、明かりを頼みます」
「はいな」
いくつもあった狐火が一つになり、藍狐の持つ提灯の中に収まると、電気がついたように明るくなり足元を照らしてくれる。
「ここまでは普通に通路なんですけど、進めない所まで行くと、狐の国に行くような岩戸の形になってるんです。まずそこまで行きましょうか。周太郎、怖くなったらいつでも言ってくださいよ?」
「冬弥様!私も三郎たちに習って稽古をしてきました。ちゃんと坊ちゃんを守ります。それに怖くなんてありません」
「心強いです。ですが、逃げろと言われたら、雪翔を置いてでも逃げなさい」
「へ?坊ちゃんを置いてですか?」
「そうです。雪翔は冷静にしていれば、護法童子や金や銀が守ってくれます。しかし、周太郎は戦えても自分を守るすべがありません。私達が守りきれない場合もあります」
「それじゃあタダの役立たずになってしまいます」
「そんなことはありません。周太郎の役目はみんなに知らせること。とても大事な役目です。勿論、雪翔を連れて逃げるのが一番ですけど、周太郎、お前は自分を犠牲にしてまで雪翔を守ろうとするでしょう?それは認めません。必ず誰かに知らせなさい」
「分かりました」
「さてと。玲、あなたはうちの兄と夏樹さんを守ってください。得意でしょう?」
「もうバレてるしな」
「三郎と四郎はこのあたりの社狐を確認して、社に戻してあげてください。その後は一旦家に戻ってみんなを守ってください」
「周太郎、戻りますか?」
「わわ私は坊ちゃんの側におります!」
「二人は無理はしないこと。昴さん、私は雪翔と社の内外を調べますから、周辺を頼みます。合流はここでいいですか?」
任せとけという言葉と共にみんなが動き出したので、危険じゃないのかと冬弥に言うも、これだけの人混みで、早々に術を使っては来ないだろうと、外の壁から調べ始める。
「この社も古いですから、隠し通路とか昔はあったみたいですよ?」
「だったらそこにいるってことは無いの?」
「無いでしょうねぇ。ただ、秋彪の性格だとすべての通路を知っていてもおかしくないんですけど、一つだけこの社には入れない通路があるんです」
「なんで冬弥さんが知ってるの?」
「秋彪が来るまで、色々とこのあたりを調べてましたから。うちの社の地下に、いつ出来たのかわからない通路がありましてね、その先も通れないんですよ。横の脇道はいくつか繋がっていて、この近くにも出れるので、中とも繋がってます。冬も南も同じでした。今からその開かなかった通路の入口に行きます」
一旦社の周辺を周り、何も無いと確認してからこっそりと本殿の横の扉から中に入る。
中は、本殿の真下に当たるようで、色々とものが置いてあり、なにかの祭事に使うのであろう小物から、掃除用具に至るまで様々整理されておいてあり、奥に置いてある棚を冬弥と周太郎で動かすと下に降りる床下収納のような扉が出てきた。
「ここから入るの?」
「ここの事くらいは宮司も知ってると思いますよ?だから棚で隠してあってんでしょうし。後で直しておけばいいでしょう。はい!」
「え?やだ……」
冬弥がしゃがみ、おんぶの格好をしたので、嫌だと言ったが、自力では降りるすべがない……
「雪翔、ヤダじゃなくてですね、結構奥深いんでせめてぶら下がってもらわないと。周太郎ではガタイが大きいので無理でしょう?」
「うう……」
仕方なく冬弥の肩に掴まって、おんぶをしてもらい、下に続く階段を降りていく。
おぶさっていても急な坂になっていることはわかるため、なるべく動かないように注意するが、冬弥も背が高いので、上の梁の部分にたまに頭をぶつけて、「痛っ!狭いっ!」と文句を言いながら降り、下についてやっと車椅子に戻された時には、冬弥の手から狐火がいくつも出ていた。
「藍狐、明かりを頼みます」
「はいな」
いくつもあった狐火が一つになり、藍狐の持つ提灯の中に収まると、電気がついたように明るくなり足元を照らしてくれる。
「ここまでは普通に通路なんですけど、進めない所まで行くと、狐の国に行くような岩戸の形になってるんです。まずそこまで行きましょうか。周太郎、怖くなったらいつでも言ってくださいよ?」
「冬弥様!私も三郎たちに習って稽古をしてきました。ちゃんと坊ちゃんを守ります。それに怖くなんてありません」
「心強いです。ですが、逃げろと言われたら、雪翔を置いてでも逃げなさい」
「へ?坊ちゃんを置いてですか?」
「そうです。雪翔は冷静にしていれば、護法童子や金や銀が守ってくれます。しかし、周太郎は戦えても自分を守るすべがありません。私達が守りきれない場合もあります」
「それじゃあタダの役立たずになってしまいます」
「そんなことはありません。周太郎の役目はみんなに知らせること。とても大事な役目です。勿論、雪翔を連れて逃げるのが一番ですけど、周太郎、お前は自分を犠牲にしてまで雪翔を守ろうとするでしょう?それは認めません。必ず誰かに知らせなさい」
「分かりました」
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
【完結】あやかし団地 管理人見習い日誌
双月ねむる
キャラ文芸
就活全滅で「自分には社会性がない」と思い込む凛は、遠縁の親戚に紹介され、昭和レトロな巨大団地・さくらヶ丘第一団地の『管理人見習い』として住み込みで働くことに。しかしその団地には、中庭の「靴鳴らし」、エレベーター表示盤に棲む狐など、団地限定あやかし達が当たり前のように暮らしていた。
最初は逃げ腰の凛だったが、すねた空き部屋や、ベランダの風鈴が告げるSOSなど、人とあやかしのトラブルに巻き込まれながら、少しずつ『共同体』に関わる勇気を取り戻していく。
明治かんなぎ少女の冥契 五百年の時を超えて、あなたに愛を
花籠しずく
キャラ文芸
――ですが、わたくしは生まれました。あなたに会うために。
月のものが来るようになってから、琥珀は不思議な夢を見る。誰かに探されている夢。きっと大切な人だったことは分かるのに、目が覚めると朧気で何も思い出せない。婚約者である志貴の言いなりの人形になる生活をし、生家とは会うと脅され、心が疲弊していたある日、家からひとり抜け出すと、妖魔のようなものに出会う。呪術師である志貴に、一時祓ってもらいはしたが、不思議と心が痛む。夢に美しい男が現れ、声に導かれるようにして、ある山のふもとの、廃れた神社の中に入ると、そこには苦しそうに蹲るあの妖魔がいた。琥珀はそれが夢に現れた、蘿月という男だと直感する。全身が黒い靄で包まれた彼の、靄を払う方法を、どうしてか琥珀は知っていた。口づけをし、息を吹き込むように、生きて、と願った。
帰ってすぐに志貴に殴られ、月のものがはじまっていたことが志貴にばれる。琥珀を穢そうとする志貴の様子に恐ろしさを覚えて、助けてと叫んだその瞬間、闇を裂くようにして、蘿月が現れた。
「琥珀は、俺が五百年待ち望んだ花嫁だ」
これは、時を超えて紡がれる愛の物語。そして虐げられた少女が、愛を知り、愛のために生きる自由を選ぶ物語。
※R-15っぽいゆるい性描写があります。
借りてきたカレ
しじましろ
恋愛
都合の良い存在であるはずのレンタル彼氏に振り回されて……
あらすじ
システムエンジニアの萩野みさをは、仕事中毒でゾンビのような見た目になるほど働いている。
人の良さにつけ込まれ、面倒な仕事を押しつけられたり、必要のない物を買わされたり、損ばかりしているが、本人は好きでやっていることとあまり気にしていない。
人並みに結婚願望はあるものの、三十歳過ぎても男性経験はゼロ。
しかし、レンタル彼氏・キキとの出会いが、そんな色の無いみさをの日常を大きく変えていく。
基本的にはカラッと明るいラブコメですが、生き馬の目を抜くIT企業のお仕事ものでもあるので、癖のあるサブキャラや意外な展開もお楽しみください!
【完結】結界守護者の憂鬱なあやかし幻境譚 ~平凡な男子高校生、今日から結界を繕います~
御崎菟翔
キャラ文芸
【平凡な高校生 × 妖従者たちが紡ぐ、絆と成長の主従現代和風ファンタジー!】
★第9回キャラ文芸大賞エントリー中!
「選ぶのはお前だ」
――そう言われても、もう引き返せない。
ごく普通の高校生・奏太(そうた)は、夏休みのある日、本家から奇妙な呼び出しを受ける。
そこで待っていたのは、人の言葉を話す蝶・汐(うしお)と、大鷲・亘(わたり)。
彼らに告げられたのは、人界と異界を隔てる結界を修復する「守り手」という、一族に伝わる秘密の役目だった。
「嫌なら断ってもいい」と言われたものの、放置すれば友人が、家族が、町が危険に晒される。
なし崩し的に役目を引き受けた奏太は、夜な夜な大鷲の背に乗り、廃校や心霊スポットへ「出勤」することに!
小生意気な妖たちに絡まれ、毒を吐く蛙と戦い、ついには異世界「妖界」での政変にまで巻き込まれていく奏太。
その過程で彼は、一族が隠し続けてきた「残酷な真実」と、従姉・結(ゆい)の悲しい運命を知ることになる――
これは、後に「秩序の神」と呼ばれる青年が、まだ「ただの人間」だった頃の、始まりの物語。
★新作『蜻蛉商会のヒトガミ様』
この物語から300年後……神様になった奏太の物語も公開中!
https://www.alphapolis.co.jp/novel/174241108/158016858
烏の王と宵の花嫁
水川サキ
キャラ文芸
吸血鬼の末裔として生まれた華族の娘、月夜は家族から虐げられ孤独に生きていた。
唯一の慰めは、年に一度届く〈からす〉からの手紙。
その送り主は太陽の化身と称される上級華族、縁樹だった。
ある日、姉の縁談相手を誤って傷つけた月夜は、父に遊郭へ売られそうになり屋敷を脱出するが、陽の下で倒れてしまう。
死を覚悟した瞬間〈からす〉の正体である縁樹が現れ、互いの思惑から契約結婚を結ぶことになる。
※初出2024年7月
後宮薬師は名を持たない
由香
キャラ文芸
後宮で怪異を診る薬師・玉玲は、母が禁薬により処刑された過去を持つ。
帝と皇子に迫る“鬼”の気配、母の遺した禁薬、鬼神の青年・玄曜との出会い。
救いと犠牲の狭間で、玉玲は母が選ばなかった選択を重ねていく。
後宮が燃え、名を失ってもなお――
彼女は薬師として、人として、生きる道を選ぶ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる