下宿屋 東風荘 6

浅井 ことは

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星のマーク

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「くちゃいのー」

「わかったから!中に入ってたら?」

「むむー!」

嫌なんだと思いながらも、ここまで翡翠がこだわるのだから何かあるのだろうと、壁を見るとやはり星のマークが五箇所にあり、前と同じように気を注ぐようにして手を中心に置く。

一筋一筋の線が光りながら大きな星のマークになったと思ったら、ガコンと何かが外れたような音がし、少し押すと回転扉のように軽く壁が開く。

「行きましょうか。私が先に入ります」

冬弥が入り、大丈夫と手招きしたので、周太郎と次に進むと、後ろで壁の閉まる音がする。

「閉じこめられた?」

「出口はあるでしょう。それにしてもまだ地下だと思うのですが、上見てください……」

中はドームのようになっていて、天井の裂け目からは空が見えている。そして目の前にはおおきな木と地面いっぱいの花。

「この匂いが臭いって言ってたの?」

うんうんと翡翠がうなづいたので、花の甘い臭いと土の匂いなどが混じって、翡翠には嫌な匂いに感じたのかな?と思い、影に戻そうとしたら、大きな木の方を指さして、「あそこがくちゃい!」と嫌そうな顔をしている。

「ひーちゃん、あそこ嫌なの?」

「ひーたん、やっ!でも……いるの。秋いるの」

「あ!匂いで消されてたんですかねぇ?私でもむせ返るような匂いがしますから」

「だったら鼻栓でもして助けに行かないと!」

「雪翔、まだダメです。周りをよく見て……観察してからです。周太郎、わかってますね?」

「はい」

「白龍、黒龍……あの木の周りを見てきて。秋彪さんが居ないか確かめてくれる?金と銀はあの裂け目から出られないかな?出れたら、昴さんと玲さんたち呼んできて欲しいんだけど」

「ついでに、航平は留守番だと伝えておいてください」

そんな話をしていると、上からコトッと定期的に何かが降ってくるので上を見る。

「あ!」

「来てますね。ここの匂いでどうも感覚がおかしいようです」

上を見ると那智が入ってもいいのか?と合図してきていて、周りを見ていた白龍たちがうなづいたので那智たちを下ろして貰いに行ってもらう。

「よく分かりましたねぇ」

「航平の、えーと、だうんナントカで分かったんだが、ここの裂け目探すのにちょっと時間がかかった」

「上はどの辺でした?」

「秋と冬の境目に近いが、海よりだ。船着き場から離れてる崖分かるか?そこから探してたんだが、何にも感じ取れなくて。で、秋彪は?」

「あの木の中なのか、まだ分かっていません。玲、顔が怖いですよ?」

「そうか?」

「落ち着いてくださいね?」

「落ち着いてる……つもりだ」

みんなで木の周りを調べると、また所々に星のマークがあり、中心に手を置くと、今度は木の真ん中が扉のように開いた。

「何なのこれ!今度は階段で降りるの?」

「この先は一列しか無理ですねぇ」

「ここまではどうやってきたんだ?」

「雪翔をおんぶしてきましたよ?」

「所々だからね?」

とにかく降りようと、那智と冬弥がしゃがむので、わざと周太郎にお願いして背負ってもらい、何故か玲が車椅子を持つことになってしまった。
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