下宿屋 東風荘 6

浅井 ことは

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東の浮遊城

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二人を連れてアクセサリー屋さんの前まで来て、「坊ちゃん無理です!」と立ち止まる二人に、「狭いから押してくれないと」と言って、手鏡と櫛とペンダントを買って、注文していたものも受け取りフードコートによる。

「お疲れ様」と三つパフェを頼んで座り、細長いスプーンでアイスを掬っていたら、四郎がモジモジと周りを気にし始めたのでなんだろう?と周りを見ると、女子高生が携帯片手にキャーキャーと騒いでいた。

「なんだろうね?」

呑気にパフェを口に入れても、キャーキャー言われ、四郎や周太郎が食べてもキャーキャー言われるので、じーっと二人の顔を見る。

「そうか!二人とも体も大きいし、顔も整ってるし、モデルとか思われてるんじゃない?」

「もでる?」

「ほら、雑誌とかの本に載ってる男の人。服買う時に見せたでしょ?」

「あぁ……あのキザったらしい格好する人ですね」

「私は早く食べて逃げたいです」

二人ともパクパクと食べ、荷物を持って「坊ちゃん、逃げましょう!」と走るように出ていく。

車椅子に乗ってるから走られると怖いと何度も言っているのに、こちらに慣れるまではさんざん走って逃げられたが、今回はそれよりも早い。

バスに乗って家に着くまでチラチラと見られていたが、家の近くの停留所で降りた時には二人とも大きな建物は怖いと言い出してしまった。

帰ってからそのことを栞に話すと、祖母と一緒になって笑っていたが、二人は笑いごとではないとモゴモゴと文句を言っていた。

「いいじゃないの。不細工と言われるよりは。それにあなた達こちらでは冬弥よりも若く繕ってるから仕方ないわねぇ」

祖母が言った一言で諦めたのか、荷物に買い物したものをまとめて入れるのを手伝ってもらい、かなりの大荷物になったねと一箇所にまとめる。

「いったい何を買われたのですか?」

「内緒!あと持ってくものってもう全部詰めたっけ?」

「例の書物を解読した帳面……ノートと言うのがまだですが」

「あれは直接持つよ。それに、明日は栞さんたちの買い物にも付き合わないと。二人ともがんばって!」

「この世界も平和なのに、あの大きい建物の中はキラキラとしていて目が痛いですし、祭りのように人が多いのでお守りするのも大変です」

「奥様方はすぐどこかへ行かれてしまうので、明日はわかりやすいところにいて頂けると良いのですが」

二人の心配は大当たりで、浮遊城に持っていくものは既に買って向こうに送ってあるが、今度祖母がいつ来れるか分からないからと、あちこちと見て周り、四郎と周太郎は荷物を持って走り回らされ、水狐の運転する車に荷物を何度か入れに行っている。

「お婆ちゃん、まだ買うの?」

「もう終わりましたよ。さてと帰りましょうか」

車まで戻るとみんなが乗る場所がなく、侑弥と祖母と四郎に先に帰ってもらい、栞と周太郎と歩いて帰る事になった。

「歩いて十五分くらいかしら?」

「うん。前よりも近いし、公園抜けていく?」

「そうね。坂道はきついし。もう荷物は用意できたの?」

「うん、服はまた那智さんがたくさん買ってくれたんだ。航平ちゃんのも一緒に。もう送ってあるんだって」

「良かったじゃない。雪翔君はあまり服に興味無いの?」

「そんなことは無いけど、暖かければいいかなっていつも思ってるし、出かけるとこも少ないからあまり気にしてないかな?」

「私も本で見たけど、もう少し明るい色も似合うと思うんだけどなぁ?」

「こ、今度ね?」

「あ、お義母様のお誕生日のプレゼントって用意したの?」

「うん。お爺ちゃんは毎年櫛を送ってるっていうから、違うのにしたんだ」

「私も用意したんだけど、渡すのって緊張するのよね」
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