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浅井 ことは

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引越し

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事務所に入り、誰だかわからない客を待つこと一時間。
玄関のブザーがなったのでなかに招き入れる。
どう見ても普通のおばさん。
どの住人なのかさえわからない。

こちらへどうぞとソファーを進め、あらかじめ用意されていた用紙に記入してもらう。
見たこともない字が書き連ねられているが、なぜだか読める。
もしかしたらいろんな薬を知らない間に飲まされているのかも……と考えると納得が行く。

魔界からの材料だと言われたものを確認していく。

魔とかげの尻尾。
魔草。
魔界石

記入してもらった用紙に材料と量を書き込む。

「えっと、魔通貨でよろしいんですよね?」

「ええ」

「では、魔とかげが100グラム2万円、魔草が一キロ5000円、魔石が50個なので5万円。75000魔通貨で」

「いいわよ。オーナーに言っといてちょうだい。
魔草はまだあまり取れないから今度から少し値をあげてって」

「伝えておきます。ありがとうございました」

魔通貨を渡し玄関まで見送る。

そのあとは言われてたように保管場所へ保管していく。魔草は以外に臭いがあるので蓋を開けるのが嫌だったが仕方がない。石は麻袋、尻尾は瓶にいれ、内線で客が来たことを告げる。

入浴剤のストックを持っていて欲しいとの事だったので、箱ひとつ分もって店に降りる。

「寒くなってきたからか入浴剤がよく出る」

「でしょうね。なんか雪降りそうな感じですし。
ムーも中に入れます?」

「そうだな。散歩のあとは家にいれる方がいいか。それで、どうだった?」

「魔通貨で渡しましたし、内線で話した通りだったんで」

「魔界とこちらでは同じ金額でもかなりの差がある。こちらの金の価値が、向こうでは10倍になるからな」

「ってことは75万稼いだってことですか?」

「そうなる。こちらとしては痛くも痒くもないがな」

「でも、あの人たちこっちにきて……」

「あれはバイヤーだから大丈夫だ。それがやつらの仕事だし。で、夕飯なんだが……これをもらったんだが」

「あ、焼き肉の割引券!」

「これは?」と映画のチケットを見せられる。

良く見ると時間と指定席が書いてあり、一枚だけ……

「誰にもらったんです?これ明らかにデートの誘いですよ?」

「焼き肉の券と一緒にもらったんだ。毎日通ってくるスーツの親父だが?」

記憶をたどるとそんな人もいたなと思い、面白そうなので行ってもらうように頼んだ。

今回の店は休みはないが交代で休みをとることにしているので、その日は休んでいってきてくださいといい、夜は焼き肉に行くことにした。
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