天満堂へようこそ 6

浅井 ことは

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即位

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すべての人を運ぶことはできず、大方運び終わったところで兵が奥に逃げた人たちに声をかけに行く。

「ノア、炊き出しした方がいいよね?」

「そうですね……食料庫は離れていますから無事だと思います」

軽傷者の治療はユーリに任せ食料庫へと行き、先に大鍋や薪などを運び出す。
その後に麻袋事持ってこればいいと中にはいると見たことがある人が中にいた。

「母上、姉さんまで……」

「あぁ、無事だったんだね。父さんから連絡があって私たちにも出来ることをしなさいってね。王子もご無事で何よりです」

「はい、でも結月さんが……」

「今は私たちに出来ることをしようじゃないか。ノアあんた鍋は運んでくれたのかい?」

「もう外に。水は井戸から引けると思ったので側に置きました」

「お母様、私たちはスープの用意でいいのよね?」

「よし、王子様とノアは材料を運んでちょうだい。料理は女の仕事だから任せて!」

「お母様仮にも天界の王子を使うなんて……」

「あ、俺やります。大丈夫ですからなんでも言ってください」

ノアと芋がメインになってしまうが、かなりの量を運び、出せるだけのお椀も出した。
横では早速魔法で芋が剥かれ、切り分けられた野菜とともにどんどん鍋の中に入っていく。

水を入れ、火をつけて煮えるのを待ち、三つの大鍋にスープができたので、魔界の時と同じようにワゴンに乗せ運ぶ。

「姉さん、怪我のない方々と重症の方に食事を取らせてあげてもらえませんか?」

「分かったわ。ノアは?」

「軽症の方のが遠いので、そちらを回りたいと思います。食べ終わった人から回収もできるので」

「でも、もう並んでるよ?」

「元気な方には食べたら手伝ってもらいます」

ワゴンを引いて奥へと行き、みんなに暖かいスープを渡して回る。

「動ける方は手伝ってください」と声をかけて回るがやはり疲れているのだろう、手伝いに来てくれる人は少なかった。

ルーカスの兵も手伝いに参加してくれ、運んで回収して洗ってまた運び……終わった頃にはもう真夜中だった。

違う大鍋からは煙が上がっており、そこには見慣れた薬が入っていた。

「ユーリさんこれ……」

「人数や材料のことを考えても薄めるしかなかったのですが、効果はほとんど変わりません。姫がもう最後の方の治療が終わるので、奏太さんも少し休んでください」

「うん……でも、まだ中にも人がいるし。みんなが食事できたか見てからにする」

「ノア、母上達は?」

「炊き出しを。中からも女性の使用人が出てきまして、みんなが食事の方をしてくれてます。姫様は……食べられそうですか?」

「食べてほしいですが、集中することで今はまだ……」

「分かりました。私と奏太様は中を見てきます」

ユーリたちと別れ、中を見に行く。

シーンと静まり返っているが、いつ崩れ落ちてくるかわからないので、ゆっくりと進む。

幸いにも誰もおらず、大まかにだが確認しながら進んで行くと、王の間への入口は閉ざされていたが、崩れた壁の向こうに部屋が見えた。
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