天満堂へようこそ 6

浅井 ことは

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決断

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「俺、人助けしか血は渡さないから!分かった?お姉様!!!」

「ううう……いつか実験してやる!」

点滴が無くなるまでは静かにしておこうとみんなで部屋を出て、結月と庭まで行く。

「ここなら障害物もないから思いっきり暴れていいぞ!」

「さっきの今なんだけど?」

「お前の脇腹、まだ跡が残ってるだろ?そこに集中して治してみろ。初歩だがそれが基本の流れとなる。ノアは全力で私に切りかかってこい」

そう言われてノアも遠慮なしで切りかかるが、すぐに防御されて、剣が通らない。
その後魔法で吹き飛ばされ、すぐに結月の攻撃に合う。

「ノア、考えるな。剣だけに頼っているようでは魔力が高くとも防御が遅れる」

「は、はい」

何度も繰り返すうちに感覚で覚えれたのか、2人の速度がだんだんと早くなっていく。
つい見とれてしまうが、自分の脇腹もなんとかしなければならない。

脇腹に集中するとほんのりと温かくなるが、見てみるとなんの変化もない。
続けてやるも上手くいかず、仕方なくノアたちの方を見る。

何故か戦いが真剣になってきているが、結月の方はまだまだ余裕のようだった。

付かず離れずのスタイルを取りながら、上手く結月の攻撃をかわし、足元を薙ぎ払うが当たらない。
結月の攻撃も手加減しているのだろうが、ノアは擦り傷が出来、肩で息をしている。

「ここまでにしておこう」

「ありがとうございました」

「奏太、お前は治ったのか?」

「暖かい感じはするんだけど全然」

「いいか?部分的に暖かい感じがするのなら途中でやめるな。ノアの治療はお前がやってみろ」

「でも……」

「基本は同じなんだ。手から魔力を出すように。綺麗に治るイメージを持てば擦り傷くらい治る」

言われるまま手をかざして集中する。
少しずつだが綺麗に治っていくのを見て、自分で出来た!と喜んでしまった。

あとは何度も繰り返して練習しかないと言われ、3人で門前の民の所へと行き、結月は治療を。ノアと二人で夕食のスープとパンを配る。

まだ時間は早いが、配るだけで夜になってしまうので、早い時間から配り出しているが、いつまでこれが続くのだろうと不安にもなる。

「ノア、幻界では避難所と言うかテントか仮住まいかないの?」

「城の前は街なので、街の奥の出入口に作るしかないでしょうね。幻界はそういったものが無いので、どう利用して行けばいいのかわからないのです」

「結月さんがしないのも珍しいけど」

「災害などこの地域は全くないですし、この街に至っては姫様のことをよく知ってるものが多いですから、作ったとしても何も言わないと思うんです。しかしながら、元となる材料がありません」

しばらくテントでもいいんじゃないかと話していると、頭の中に「好きにしていいぞ」と話しかけられ、近くにいたものの、地獄耳と送り返してしまった。
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