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決断
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急いで天王と魔王の元に行き、ノアと先ほどの話をする。
2人とも快く引き受けてくれ、共同生活になるが城で使われてないテントを各界からも用意してくれるという。
「だが、治った後はどうするんじゃ?」
聞かれると思っていたので、あちらの城が完成するまではテント住まいだが、その間に治った人から家もあるだろうし、帰らせて城の作業に加えたらいいと意見を述べる。
ならばと2人が早速城に連絡を取りに行き、天界からも応援が来ることになったので、良かったと一安心し、残りのスープを配り歩く。
「奏太様、あそこに子供が……」
「迷子かな?」
あたりをキョロキョロ見ている女の子に声をかけると、両親とはぐれたと言うので、一緒に探す。
「どこまで一緒にいたの?」
「少し前まであそこの壁のところにみんなで居たの。スープをもらってくるって言ってて、帰ってこないからこっちまで来たけど、何回戻ってもお父さんとお母さんがいないの」
「困りましたねぇ」
「いなくなる前にお母さん達何か言ってなかった?」
「んー?すぐ戻るから待ってなさいって」
「普通そうだよね?一先ずメインの天幕に連れていく?」
「そうするしかないですね。それにしても……」
「何?」
「いえ、行きましょう 」
ノアと子供を連れて天幕まで行き、幻界の兵に事情を話して預かってもらう。
早く見つかればいいねとノアに言うが、何か考えているのか少し上の空で返事が来た。
「まさかと思うのですが、親が捨てていった……とは考えられませんか?」
「どうして?服が汚れてるのはみんな同じだし、城からここ迄来たのなら汚れてても不思議はないと思うんだけど」
「普通は。この姫様の城付近は比較的裕福です。が、一つ離れた町や村ではたまに日照りで作物が育たず、街に出稼ぎに来ている親も少なくありません。村からであれば、子供ひとりで来れる距離ではないですし、ここは今混乱している状態にも関わらず、朝夕と簡単ですが食事も出ます」
「ここで生活しろって置いていったってこと?」
「仮の話ですが……」
「でもここは結月さんの街で栄えてるって聞いたけど」
「街はです。私と旅をしたときの事を思い出してください。どの街や村でも貧困の差はありました」
「俺、そこまで見てなかったかもしれない」
「いくら姫様でもすべてに目を光らせることは難しいと思います」
そう言われてしまえばそうかもしれない。自分が任されることになる天界のあの場所は平和でみんなが仲良くできるような街にしたいとの思いがあるが、それは自分が思っているだけで、やはり隅々まで見ることは難しいのだろうか……
「奏太様?」
「あ、何でもない。それよりさ、お葬式なんだけど」
「あと二日後辺りでしょうか」
「うん、作法とかあるの?」
「人間界のようなお葬式ではないです。王の間での式が終われば、民の前での献花が行われ、その後王宮内の埋葬場所にて埋葬されます」
「土葬?」
「いえ、魔法で凍らせてガラスに似たケースの中に入れられます。勿論厳重な警備があり誰も出入りはできません」
2人とも快く引き受けてくれ、共同生活になるが城で使われてないテントを各界からも用意してくれるという。
「だが、治った後はどうするんじゃ?」
聞かれると思っていたので、あちらの城が完成するまではテント住まいだが、その間に治った人から家もあるだろうし、帰らせて城の作業に加えたらいいと意見を述べる。
ならばと2人が早速城に連絡を取りに行き、天界からも応援が来ることになったので、良かったと一安心し、残りのスープを配り歩く。
「奏太様、あそこに子供が……」
「迷子かな?」
あたりをキョロキョロ見ている女の子に声をかけると、両親とはぐれたと言うので、一緒に探す。
「どこまで一緒にいたの?」
「少し前まであそこの壁のところにみんなで居たの。スープをもらってくるって言ってて、帰ってこないからこっちまで来たけど、何回戻ってもお父さんとお母さんがいないの」
「困りましたねぇ」
「いなくなる前にお母さん達何か言ってなかった?」
「んー?すぐ戻るから待ってなさいって」
「普通そうだよね?一先ずメインの天幕に連れていく?」
「そうするしかないですね。それにしても……」
「何?」
「いえ、行きましょう 」
ノアと子供を連れて天幕まで行き、幻界の兵に事情を話して預かってもらう。
早く見つかればいいねとノアに言うが、何か考えているのか少し上の空で返事が来た。
「まさかと思うのですが、親が捨てていった……とは考えられませんか?」
「どうして?服が汚れてるのはみんな同じだし、城からここ迄来たのなら汚れてても不思議はないと思うんだけど」
「普通は。この姫様の城付近は比較的裕福です。が、一つ離れた町や村ではたまに日照りで作物が育たず、街に出稼ぎに来ている親も少なくありません。村からであれば、子供ひとりで来れる距離ではないですし、ここは今混乱している状態にも関わらず、朝夕と簡単ですが食事も出ます」
「ここで生活しろって置いていったってこと?」
「仮の話ですが……」
「でもここは結月さんの街で栄えてるって聞いたけど」
「街はです。私と旅をしたときの事を思い出してください。どの街や村でも貧困の差はありました」
「俺、そこまで見てなかったかもしれない」
「いくら姫様でもすべてに目を光らせることは難しいと思います」
そう言われてしまえばそうかもしれない。自分が任されることになる天界のあの場所は平和でみんなが仲良くできるような街にしたいとの思いがあるが、それは自分が思っているだけで、やはり隅々まで見ることは難しいのだろうか……
「奏太様?」
「あ、何でもない。それよりさ、お葬式なんだけど」
「あと二日後辺りでしょうか」
「うん、作法とかあるの?」
「人間界のようなお葬式ではないです。王の間での式が終われば、民の前での献花が行われ、その後王宮内の埋葬場所にて埋葬されます」
「土葬?」
「いえ、魔法で凍らせてガラスに似たケースの中に入れられます。勿論厳重な警備があり誰も出入りはできません」
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