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街
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天界の王の間につき、カバンを忘れたと思い出した時には、こちらでも人間界の服を用意してあると言われてほっとするが、外に出る時は王子の証のストールの様なものは身につけておかないといけないと言われ、サムに連れられて部屋へと行く。
「お疲れ様でした。しばらくの間、部屋の前には兵が見張りをしてます。何かあれば呼んでください」
「ありがとう、なんかすごく眠くって」
「奏太様、ゆっくり湯に浸かってから休まれた方が」
そう言われたのでお風呂にゆっくりと浸かり、それでも寝ていきそうだったので、乾かしてから服を着てベッドに入る。
「ゆっくりとお休みください」と、ノアが言っていたが、もう半分夢の中で珍しく夢も見ずにぐっすりと眠った。
「寒っ!」
冷えてきたのか途中で目が覚め、トイレに行ってから温かいコーヒーを入れてソファに座る。
目の前の暖炉は付いており、部屋を温めてくれてはいるがそれでも寒いので、おでこに手を当ててみる。
熱もないし、きっと夜がこっちは寒いんだろうと思いながら、そろそろ朝になりそうな感じだったので、顔を洗い服を着替える。
「昼間は暖かいのかな?それに、こんなマフラーみたいなの派手だから嫌なんだけどなぁ……」
独り言を言いながらも、緩く首周りに巻いて部屋の戸を開けると、兵が直立不動で二人立っていた。
「あのー?」
「あ、王子。お目覚めですか?」
「うん。今ってさ、もうすぐ朝になる?」
「後少ししたら日が昇りますが、まだ夜明け前といった感じでしょうか……」
「夜ってこんなに寒いの?」
「いえ、こちらでは暖かいはずなのですが……体調でも?」
「んー?なんか寒くって。毛布かなんかないかな?」
「すぐにお持ちいたしますので、お部屋でお待ちください」
毛布があるのなら良いかなと部屋で待っていると、使用人の老男性が毛布を二つ持ってきてくれた。
「下と上とご用意致しましたが、もうお使いになられますか?」
「あ、下もあるんだ……あれ?これって……」
「王に言われ、人間界のものもいくつか揃えております」
「そっか。いいよ、自分でやるから」
「いけません、王子はそこに居てください……我々の仕事がなくなってしまいます」
「ここって沢山使用人がいるの?」
「申し遅れました。私、使用人を取り纏める長のヒューズと申します。奏太様のお付はノア様でございますが、ノア様も既に王子と同じ立場でございますので御二方には使用人がつきます。何かございましたら私の方へ言っていただければ……」
「ん、分かったよ!」と長くなりそうな話を打ち切り、セットしてもらった毛布を触る。
「あ、二重の毛布だ……」
「確か、夏の毛布と言うのも置いてありまして、こちらの毛布は冬用なのですが、寒いと申されておると聞きましたので」
「ありがとう。これで十分だよ。それよりもさ、暖炉なんだけど……」
「はい。今は暖かいので昼間は消えますが、必要とあらば夜も部屋を温めるのに消えない様に、小人が夜足しに来ております」
「小人?」
「はい、各界で形や名前などが変わりますが、天界では屋敷小人と言う種族がいまして、小さいのに力持ちで、掃除が大好きな小人がいるんです。最近では数がものすごく少なく、王宮にて保護をした所、庭の片隅に家を作って住む代わりに働きたいと王に申し出たようで、よく働いてくれます」
「俺にも見れるかな?」
「なかなか姿は表しませんが、王子となれば出てくると思います。場所をお教えしましょうか?」
「いいの?」
「ええ。みんな知っていても、そっとしているだけですので。中庭や脱出の際に使った場所はまだ修復中なので危ない箇所もございますが、中庭の噴水から真っ直ぐ東屋に向かってください。その奥に花畑がございます。その片隅に、小さな家がちらほら見えたなら声をかけてもいい証拠でございます」
「普段は見えないってこと?」
「隠れるのが得意なのです。今の時間であれば、明かりが付いているかも知れません」
「行ってみようかな……」
「でしたら、寒いので上着を。後必ず兵はお連れくださいませ」
「うん。ノアは疲れてるだろうからそのままにしてあげて」
「畏まりました」
「お疲れ様でした。しばらくの間、部屋の前には兵が見張りをしてます。何かあれば呼んでください」
「ありがとう、なんかすごく眠くって」
「奏太様、ゆっくり湯に浸かってから休まれた方が」
そう言われたのでお風呂にゆっくりと浸かり、それでも寝ていきそうだったので、乾かしてから服を着てベッドに入る。
「ゆっくりとお休みください」と、ノアが言っていたが、もう半分夢の中で珍しく夢も見ずにぐっすりと眠った。
「寒っ!」
冷えてきたのか途中で目が覚め、トイレに行ってから温かいコーヒーを入れてソファに座る。
目の前の暖炉は付いており、部屋を温めてくれてはいるがそれでも寒いので、おでこに手を当ててみる。
熱もないし、きっと夜がこっちは寒いんだろうと思いながら、そろそろ朝になりそうな感じだったので、顔を洗い服を着替える。
「昼間は暖かいのかな?それに、こんなマフラーみたいなの派手だから嫌なんだけどなぁ……」
独り言を言いながらも、緩く首周りに巻いて部屋の戸を開けると、兵が直立不動で二人立っていた。
「あのー?」
「あ、王子。お目覚めですか?」
「うん。今ってさ、もうすぐ朝になる?」
「後少ししたら日が昇りますが、まだ夜明け前といった感じでしょうか……」
「夜ってこんなに寒いの?」
「いえ、こちらでは暖かいはずなのですが……体調でも?」
「んー?なんか寒くって。毛布かなんかないかな?」
「すぐにお持ちいたしますので、お部屋でお待ちください」
毛布があるのなら良いかなと部屋で待っていると、使用人の老男性が毛布を二つ持ってきてくれた。
「下と上とご用意致しましたが、もうお使いになられますか?」
「あ、下もあるんだ……あれ?これって……」
「王に言われ、人間界のものもいくつか揃えております」
「そっか。いいよ、自分でやるから」
「いけません、王子はそこに居てください……我々の仕事がなくなってしまいます」
「ここって沢山使用人がいるの?」
「申し遅れました。私、使用人を取り纏める長のヒューズと申します。奏太様のお付はノア様でございますが、ノア様も既に王子と同じ立場でございますので御二方には使用人がつきます。何かございましたら私の方へ言っていただければ……」
「ん、分かったよ!」と長くなりそうな話を打ち切り、セットしてもらった毛布を触る。
「あ、二重の毛布だ……」
「確か、夏の毛布と言うのも置いてありまして、こちらの毛布は冬用なのですが、寒いと申されておると聞きましたので」
「ありがとう。これで十分だよ。それよりもさ、暖炉なんだけど……」
「はい。今は暖かいので昼間は消えますが、必要とあらば夜も部屋を温めるのに消えない様に、小人が夜足しに来ております」
「小人?」
「はい、各界で形や名前などが変わりますが、天界では屋敷小人と言う種族がいまして、小さいのに力持ちで、掃除が大好きな小人がいるんです。最近では数がものすごく少なく、王宮にて保護をした所、庭の片隅に家を作って住む代わりに働きたいと王に申し出たようで、よく働いてくれます」
「俺にも見れるかな?」
「なかなか姿は表しませんが、王子となれば出てくると思います。場所をお教えしましょうか?」
「いいの?」
「ええ。みんな知っていても、そっとしているだけですので。中庭や脱出の際に使った場所はまだ修復中なので危ない箇所もございますが、中庭の噴水から真っ直ぐ東屋に向かってください。その奥に花畑がございます。その片隅に、小さな家がちらほら見えたなら声をかけてもいい証拠でございます」
「普段は見えないってこと?」
「隠れるのが得意なのです。今の時間であれば、明かりが付いているかも知れません」
「行ってみようかな……」
「でしたら、寒いので上着を。後必ず兵はお連れくださいませ」
「うん。ノアは疲れてるだろうからそのままにしてあげて」
「畏まりました」
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