天満堂へようこそ 6

浅井 ことは

文字の大きさ
51 / 127

.

しおりを挟む
「どこ?動物かな?」

「だといいのですが……」

ブーーーンブーーーンブーーーンと羽のなる独特の音が聞こえてきた。

シュッ

「ダメだこれでは刺さりもしねぇ……」

「みんな隠れて!ノア、これってあの水槽のやつに似てない?」

「あの羽の生えてたやつですよね?やはりこの付近に施設があるのでしょうか?」

「じゃないとこんなに出てこないでしょ?」

兵が一歩踏み出すと、団体で攻撃してくる。尾についた針には毒があるのか、兵が泡を吐いて倒れてしまう。

「ここから先に来るなって意味だよね……」少し考えて、全員退避!と声を掛け、ゆっくりと後ずさり、森を抜けて馬車まで戻る。
倒れた兵までは連れてこれなかったが、後で誰かに行かせれば良いだろう。

「奏太様、天幕の用意ができてます。前とは違う四方を囲んだテントなのでゆっくり出来るかと……」

「そんな事より一人死なせちゃったんだ!何か考えないと……」

「あのさ、サム呼んでくれないかな」

「直ぐに呼びます」

「おら、待ってるだけだったから天幕だけ手伝ったんだども、迷惑だったべか?」

「そんな事ないよ?ありがとう。他の天幕にみんな集まってるけど行く?」

「行きづろうてなぁ」

「今勇気出さないと行けなくなっちゃうよ?」

「お呼びでしょうか!」

「あ、外に誰かいる?」

「見張りの兵がおります」

「おじさんをみんなの所へ。おじさん、絶対大丈夫だから、ね?」

「分かっただ。王子、無理はせんでくだせえよ?」

約束すると言ってから、魔法で冷やしたコーヒーを勧め、座って欲しいと頼む。

「だいぶ聞いてくれるようになったけどまだよそよそしいんだもんなぁ……」

「すいません」

「あ、良いんだけど。今夜ここに泊まることは出来る?」

「はい、真ん中と各テントの周りに焚き火をして魔獣避けをした上で、交代で見張りにつきます」

「草原の民達も怪我がないようにしてね」

「はい」

「ノアもこっち来て……まず、兵のひとりが襲われた場所がここ。連れ帰る分には襲われないと思うから、朝にでも運び出して。で、例えばここを基準に……」と円を書く。

「狭まりますが……またあの変な虫が襲ってきたら?」

「かなり狭くなったから何かあると思うんだ。この森の中に何かあるか知ってる?」

「何も無いはずです。昔はこの辺りまで牧地だった気が……水が枯れ今の所に移動したと聞いていますので」

「でも、こんなに大きな木が生い茂ってるってことはどこかに水脈があると思うんだよね」

「何かと水はいりますし……まさか水脈を探せとか言わないでしょうね?」

「いやいや、それは無理でしょ?でも研究とかしてたら水は要るよね?」

「それはそうですが、まずは中に入らないと……」

「水のことも気になってたんだけど、入る方法一つだけ見つけたんだ」

「ですが、あの虫を追いのけてですか?」

「俺の盾でみんなを囲めば行けるでしょ?すごく簡単なことなんだけどさ」

「ダメです!魔力は使うなと言われているでしょう?奏太様の魔力は最悪逃げる時に使ってください!」

「言うと思った……でもあれはそれほど魔力の消費はないし……それとも倒しながらいくつもり?」

「それは……いずれは倒さなければいけないものではありますが」

「分かりました。兵の半分に相手させましょう。多少は魔法の使えるものばかりです。相手している間に中へ進んでください。兵の数は減りますが、王子とノア様は必ず一緒にいてもらわないとと王から厳命を受けておりますので」

「飛んでるやつとどう戦うの?」

「確か氷魔法が使える者がいますので、撃ち落とすと言いますか……大きさもあるので上から落としたらあとは斬るだけだと」

「え?避けられたら終わりじゃん」
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

不倫妻への鎮魂歌 ―サレ夫が選んだ、最も残酷で静かな復讐―

MisakiNonagase
大衆娯楽
「サレ夫、再生。不倫妻、転落。──その代償は、あまりに重い。」 「嘘で塗り固めた20年より、真実で歩む明日がいい。」 失って初めて気づく、守られていた日々の輝き。 46歳の美香にとって、誠実な夫と二人の息子に囲まれた生活は、退屈で窮屈な「檻」だった。若い男からの甘い誘惑に、彼女は20年の歳月を投げ打って飛び込んだ。 しかし、彼女が捨てたのは「檻」ではなく「聖域」だったのだ。 不倫、発覚、離婚、そして孤独。 かつての「美しい奥様」が、厚化粧で場末のスナックのカウンターに立つまでの足取りと、傷つきながらも真実の幸福を掴み取っていく夫・徹の再生を描く。 家族とは何か、誠実さとは何か。一通の離婚届が、二人の人生を光と影に分かつ。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

熟女教師に何度も迫られて…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
二度と味わえない体験をした実話中心のショート・ショート集です

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。 「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…

処理中です...