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人間界1
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いつの間にか舞台の上には小さなテーブルと椅子が用意されており、横の長い机にはたくさんの商品が並べられている。
もちろん天満製品まで。
「奏太、ムーをあそこの椅子に乗せてくれ」
「僕乗れるよー?」
トテトテと舞台に上がり、ぴょんと椅子に乗ると、会場から拍手と可愛いという声が沢山聞こえてくる。
結月が天満商品の紹介をし終わった後、ペットフードの人が商品説明に入り、俳優がムーのお皿にドックフードを入れてくれる。
パクッ……チラッ!パクパク……チラッとおやつの方を見てるので、食べたらあげるといい、少ない量のご飯を食べ、おやつを待つ。
目の前に出されたのは、綺麗な桃色のプリン。
何故かいつもと同じように、前足でツンツンとつつき、パクッと一口食べる。
「甘い匂いがするー!でもかぼちゃが一番かなー」と呑気におやつを食べてミルクを飲みご機嫌で舞台の上に置いてあったおもちゃで遊び出す。それも大物俳優と共に……
「ムーって度胸あるよね」
「はい。こんなに見られてるのに物怖じしてませんね」
「うん、それにあの俳優さん、ほんとに犬好きなんだね。高そうなスーツなのに気にしてないし」
「はい。嫌な気配も感じられませんから、任せて平気でしょう」
奏太と呼ばれた気がしたので、結月さんの方を見ると、呼んでないといった顔をされ、舞台からホールを見る。
嵯峨野さんだ……
感じた視線の先には彼女が居り、こっちを無表情で見ている。
舞台で司会が「有難う御座いました」と言っていたのでみんなで降りて、ルーカスさんの元へと行く。
相変わらずオバサマに囲まれているものの、こちらに気付き、うまく抜け出している。
「慣れたものだね」
「ああ、なれって恐ろしいな。どうした?」
結月に話したことをルーカスに言って、断りたいとお願いする。
「なぁ、今度はスフィ連れていったらどうだ?そしたら何かわかるかも」
「絶対に嫌だ!」
「でも、あの視線はストーカーになりそうな目してるぞ?」
「何か怖いんだもん。あの子……」
「確かに、見てると言うより睨んでると言った方が早いか?奏太何かしたのか?」
「してないよ!ただ、まだ高校生だから、これから楽しいことあるよって言っただけだし」
「確かに普通の話しかしてないな。だけど、彼女の中で振られたって意識が強かったとしたら、プライドがズタズタなんじゃないか?」
「そんな事言われても分かんないじゃん!ルーカスさん、取り持ったんだから話してきてよ。何か感じるかもしれないし」
「わかったよ」
ルーカスが行く先には嵯峨野さん。その近くには父親もいる。だから何も無いだろうと、そのまま話が聞こえる程度の近くで、ノアと話しながら飲み物をとって談笑しているふりをして聞き耳を立てる。
「先程はどうも。お楽しみいただけていますか?」
「ええ、みんなで楽しくさせてもらってるよ。旧友にも会えたし、毎年開催してくれると嬉しいんだがね」
「社長に伝えておきます」
もちろん天満製品まで。
「奏太、ムーをあそこの椅子に乗せてくれ」
「僕乗れるよー?」
トテトテと舞台に上がり、ぴょんと椅子に乗ると、会場から拍手と可愛いという声が沢山聞こえてくる。
結月が天満商品の紹介をし終わった後、ペットフードの人が商品説明に入り、俳優がムーのお皿にドックフードを入れてくれる。
パクッ……チラッ!パクパク……チラッとおやつの方を見てるので、食べたらあげるといい、少ない量のご飯を食べ、おやつを待つ。
目の前に出されたのは、綺麗な桃色のプリン。
何故かいつもと同じように、前足でツンツンとつつき、パクッと一口食べる。
「甘い匂いがするー!でもかぼちゃが一番かなー」と呑気におやつを食べてミルクを飲みご機嫌で舞台の上に置いてあったおもちゃで遊び出す。それも大物俳優と共に……
「ムーって度胸あるよね」
「はい。こんなに見られてるのに物怖じしてませんね」
「うん、それにあの俳優さん、ほんとに犬好きなんだね。高そうなスーツなのに気にしてないし」
「はい。嫌な気配も感じられませんから、任せて平気でしょう」
奏太と呼ばれた気がしたので、結月さんの方を見ると、呼んでないといった顔をされ、舞台からホールを見る。
嵯峨野さんだ……
感じた視線の先には彼女が居り、こっちを無表情で見ている。
舞台で司会が「有難う御座いました」と言っていたのでみんなで降りて、ルーカスさんの元へと行く。
相変わらずオバサマに囲まれているものの、こちらに気付き、うまく抜け出している。
「慣れたものだね」
「ああ、なれって恐ろしいな。どうした?」
結月に話したことをルーカスに言って、断りたいとお願いする。
「なぁ、今度はスフィ連れていったらどうだ?そしたら何かわかるかも」
「絶対に嫌だ!」
「でも、あの視線はストーカーになりそうな目してるぞ?」
「何か怖いんだもん。あの子……」
「確かに、見てると言うより睨んでると言った方が早いか?奏太何かしたのか?」
「してないよ!ただ、まだ高校生だから、これから楽しいことあるよって言っただけだし」
「確かに普通の話しかしてないな。だけど、彼女の中で振られたって意識が強かったとしたら、プライドがズタズタなんじゃないか?」
「そんな事言われても分かんないじゃん!ルーカスさん、取り持ったんだから話してきてよ。何か感じるかもしれないし」
「わかったよ」
ルーカスが行く先には嵯峨野さん。その近くには父親もいる。だから何も無いだろうと、そのまま話が聞こえる程度の近くで、ノアと話しながら飲み物をとって談笑しているふりをして聞き耳を立てる。
「先程はどうも。お楽しみいただけていますか?」
「ええ、みんなで楽しくさせてもらってるよ。旧友にも会えたし、毎年開催してくれると嬉しいんだがね」
「社長に伝えておきます」
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