天満堂へようこそ 6

浅井 ことは

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人間界1

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「ですから、姉さんは兄が戻ったら返します!」

「良いじゃないか!少しくらい魔界の街を見せに行っても!」

「ダメです。姉さんが傷つくのは見たくないんです」

「どうしたの?」

「魔界を案内してくれると。見たらイメージが変わると思うと言われて。そしたらノアが……」

「二人ともそこまで!エールラさんの気持ちが一番じゃないの?」

「王子……いえ、奏太様……」

「ノアはお姉さん思いなのはわかるけど、お姉さんの気持ちは?ルーカスさんも好きなら好きでちゃんと伝えなきゃ」

「そうだぞ?」

「結月さん」

「男どもは不器用だな。エールラ、正月にユーリが戻る。前に見せた着物を着て、人間界の正月を楽しんでから帰るか魔界に見学に行くか自分で決めろ」

「はい……」

「よし、ムーは?スフィとも話したい」

「俺のベッド。スフィが見ててくれてる」

「奏太起こしてくれ。飲ませるよりいいと思って注射にした。首に打つから捕まえててくれ」

ムーを起こして体を抑えると、すぐに分かったのか嫌だと騒ぐ。

「すぐに良くなるから我慢してってば」

プスっと刺されすぐに終わったが、その後も文句ばかり言っているので、煩いよ!とゲージに入れてリビングに戻る。

「それよりも、あの布で何がわかったの?」

「あの匂いは、幻界にある大きな木の図書といえばいいのか……そこの匂いだ」

「何故天界のお前が知っている? 」

「我も1度行ったことがある。あの中は人間は入りにくくしてあるが、中は中立。全ての界と繋がっている。たまたま出たのが幻界であったので、天界まで戻してもらったが、あの中の洞窟と同じ匂いがした」

「だから違和感があったのか……」

「違和感?」

「出るのに手間取ったと言っただろう?」

「あ!」

「ですが、それとあの娘とどのような関係があるのでしょうか?」

「見ておらぬからわからぬが、そこに老婆がいたと思うのだが、血縁のものかもしれぬな」

「孫とかかな?一人で住んでる感じだったが」

「だとして、何しにここまで来た?それに、あの態度は腹が立つ!」

「匂いは似ておるが、魔界のものと我は思う」

「天幻界の匂いは分かるからってこと?」

「魔界の匂いはその王子からしか嗅いだことは無い。だが、布の匂いがあの中と同じならば可能性は高い」

「仕方ない。帰ったら聞いてくるとしよう」

「もう行くの?」

「やることが増えたからな。正月に帰ってくるが、それまでムーとブランの薬は1日3回。ニコルは1日1度だ。エールラ頼んだぞ」

「はい」

「ルーカス、仕事は冬休みでいいが、バーは開けておいてくれ。予約は3日からフルに入れていい」

「りょーかい!」

じゃあなと扉を出ていくのに、エールラがついていき、うまく逃げられたとルーカスが落ち込む。
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