天満堂へようこそ 6

浅井 ことは

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正月

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「じゃあさ、俺そのへんに座ってみてるから」

「うん!」

階段に座り、最初はムーを見ていたがついウトウトしてしまい、ノアに起こされてムーが居ないことに気づく。

「またどっかいっちゃったのか……スフィわかる?」

「こちらだ」

スフィについて行くとだんだんと森の奥に入っていく。

「前にもよくこんなことがあった気がする」

「ここで匂いが消えておる」

「消えてる?他はない?」

カリカリと地面をほり匂いを嗅いで、上を見る。

同じように上を見ると、木の枝にムーがしがみついていた。

「な、何やってんの……」

「おーろーしーてー!」

「これってさ、罰として降ろさなくていいんじゃない?」

「毎回ですからね……」

「ブランー!おーろーしーてー」

ブランをしっかりとつかみ、行かせないようにしてなんでそこにいるのかと聞く。

「ふわふわしたの追いかけてたらねー、ここまで連れてこられたのー」

「奏太様……この匂い妖精のものかと」

「前も妖精追いかけてたしさ、お前誰にもついていくなって約束守れないわけ?」

仕方なくブランにおろしに行ってもらい、罰としてプリンはお預けにした。

ムーを抱えて詳しく話を聞く。

「降ろしてよー!」

「ちゃんと話したらな」

「だから、僕が遊んでたらね、小さいフワフワしたのが飛んでたの。それ追いかけてたら、いきなり木の上にヒョイって」

「どんなのか見たのか?」

「見てない……」

「全くもう!スフィ、気配は?」

「もうここには無い……多分悪戯妖精だと思うが。こんな人間界にも妖精がいるとは驚きだ」

「ムーは遭遇率が高いんだよ。前も小さいおじさんとかさ、羽の生えたお使いの妖精さんとかさ、見つけるのいつもムーじゃん」

「とにかく、何事も無かったようですし戻りませんか?」

「そうだね」

車に戻って移動し、待っててと言ってサービスエリアに入る。

「休憩ですか?」

「違う違う。ここのうどんが美味しいって書いてあったからさ、食べていこうと思って。調べたんだよ?そしたら全国各地の美味しいものランキングの所に載ってたから。運転中はまだ話す余裕ないもん」

そのうどん屋を見つけると、時間がお昼時をズレたからか少し並んでいるだけだったので、最後尾に並ぶ。

「今から楽しみ!よくテレビとかでも紹介とかしてるから、免許取ったら回ってみたかったんだよね」

「次もまた高速に慣れないといけませんね」

「トラックが怖くてさ……慣れなんだろうけど、大きい方の車選んでよかったよ。それもなれないとダメだけど」

順番が来て中に入ると思っていたよりも広く、食券を買って席に座り、ノアが注文を出しに行ってくれた。

来たのは天ぷらうどんセット。会社のとはまた違い、天ぷらが山盛り乗っていて、ご飯に漬物と金平がついてきていた。

「美味しそう!いただきます!」

麺を食べ、モチモチしてると絶賛し、食べにくかったのでエビと大葉、蓮根の天ぷらをご飯に乗せてうどんを食べ、残りはテーブルにある天つゆをかけて丼として食べる。

「二度美味しいなんて贅沢ー!」

「そうですね、こんな所で美味しいものに出会えるとは思ってませんでした」

お茶を飲んで一服していると「すいません」と声をかけられ、横を向く。

家族連れの女の子がモジモジしながら「モデルのSOUTAさんですよね?」と聞いてくるので返事をすると、「隣の方は前にテレビに出てた……」

「そうですけど……」

「私、ファンなんです!サインもらえますか?」

「え?私ですか……?」
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